注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大前の情報を元にしています
【概要】
阪神甲子園球場は、1924年開場、兵庫県西宮市にある阪神タイガースの本拠地。
言わずと知れた「野球の聖地」。ベーブルースがプレーした中で世界に現存している4球場のうち、1つは神宮球場、そして1つはこの甲子園球場だ。
収容人数は現在も日本で一番の特大球場であり、ベーブルースもあまりのデカさに「too large!」と驚いたようだ。
ただ、野球以外でもアメフトの甲子園ボウル、音楽ライブの他、大昔にはスキージャンプ、さらに戦時中には芋が植えられた実績がある。めちゃくちゃだこれ。
元々高校野球(当時は中学野球)の開催を目的として作られ、後からプロ野球が使い始めた、という歴史は神宮球場と似ている。
神宮球場の記事はこちら。
ただ、スワローズは1964年に神宮を使い始めたのに対し、タイガースは1935年とより古くから使用していた点で異なる。
また当時はフランチャイズが曖昧だったため、各球団で変わりばんこに使用していたようだ。正式にタイガースのフランチャイズ球場となったのは1948年のこと。
そんなわけでタイガースの本拠地としても非常に長い歴史があるのだが、唯一の日本一となった1985年、最後の試合となった日本シリーズ第6戦の舞台は西武球場だったため、未だに阪神タイガース日本一の舞台となった事がない。甲子園はずっと待ってまっせ…。
そして甲子園と言えば、やはり思い浮かぶのは「高校野球」であろう。
「甲子園」は今や高校生の全国大会の代名詞ともなっており、「ダンス甲子園」「映画甲子園」「数学甲子園」など数えきれない(なぜか文化系の方が甲子園を名乗る傾向がある)。
その高校野球の歴史はあまりに深く、長く、重いため、ここでは省略する(多分全部書いたら広辞苑一冊分くらいになる)。
なお、歴史についてはこちらの記事にもまとめているので合わせてお読みください。
ともかく、高校生がこれまでの野球人生を賭して戦うため、実に様々なドラマが起きる。1試合1試合、1球1球が球児達にとっては人生の晴れ舞台なのだ。
なお、2018年時点でプロ野球選手のうち甲子園を経験しているのは46.0%だ。これが高いと見るか低いと見るかは捉え方次第だが、甲子園はプロとアマの境目であるという見方もできる。
華々しいスター選手になりそのままスター街道を突き進む者、試合に出る事すらなかったにも関わらずその後名球界まで駆け上がる者、エースピッチャーからアナウンサーになる者、お笑い芸人になる者、歌手になる者などさまざま。いわば人生の分岐点、それが甲子園なのだ。
【アクセス】
最寄まで★★★★★
最寄は阪神本線甲子園駅。大阪の中心・梅田から15分程度で行く事が出来る。一応所在地は大阪じゃなくて兵庫なんだけど、これじゃ実質大阪だよねえ。
しかし、阪神と西武は観戦客を運ぶだけで儲かるんだから良く出来たシステムだ。昔は近鉄とか南海とか阪急とかもあったけど。
最寄から★★★★★
甲子園駅からは徒歩2,3分ほど。駅を降りるとタイガース一色で、大阪に来たことを実感出来る(兵庫だけど)。
なお、間違って甲子園口駅に着いてしまうと、2km以上歩かされることになる。甲子園へは阪神電車で!
関西野球観戦旅行をまとめた記事はこちら。
【観戦環境】★★★★☆
とにかくバカでかい球場だが、どこからでも見やすいよう設計されている。
ただ、屋根はあるが下の方の席は陽に晒されるため、夏の高校野球では屋根の下の争奪戦になる。まあ神宮とか横浜スタジアムとかよりはマシだけど…。
あとコンコースはちょっと狭め。席も狭めなので、ダイエットしていきましょう。
【雰囲気】★★★★★
阪神タイガース主催ゲームと高校野球で全く雰囲気が異なる。
阪神タイガースの時はともかく何もかもがやかましい。試合の45分前にはすでに六甲おろしが流れていた。ジェット風船の数もえげつなく、1人で2つ膨らましてる人もいた。
なお、この試合は9-0からの大逆転劇で、阪神が球史に残る勝ち方をしてしまったため、俄然ヒートアップ。試合後も六甲おろしが鳴り止まなかった。
一方の高校野球では、アルプススタンドを除いて静寂が甲子園を包む。
が、ひとたび何かが起きれば地鳴りのような歓声が甲子園を揺らす。
この日はサヨナラゲームもあったが、歓喜に沸くバッター、涙で崩れ落ちるピッチャーの対比は、儚くも美しい。
神宮ではプロアマ共に気楽に試合を見られる雰囲気だが、甲子園ではプロではやかましく、アマでは厳格なムードになるため、どちらにせよ落ち着いては試合を見られない(と思う)。
もし時間があれば、隣接する甲子園歴史館はぜひとも訪れるべきスポットだ。
高校野球、阪神タイガース、そしてちょっとマイナーな甲子園ボウルまで、甲子園の歴史を一気に学ぶことができる。ここのためだけに1日予定を空けてもいいくらいだと思う。
なお、途中バックスクリーンの下を通ることができる。ここ入れたんだ…。
【グルメ】
残念ながらなかなかタイミングが合わず、甲子園でグルメにありつけていない。甲子園カレーやかちわりなど気になるものが目白押しなのに…。
次回行った時に必ずこの項目を埋めます。
【街との一体感】★★★★★
日本にプロスポーツは数あれど、本当の意味で文化と言えるレベルまで昇華されているのは阪神タイガースだけではないだろうか。
テレビのスポーツニュースは阪神で始まり阪神で終わる。デイリースポーツは雨が降ろうが槍が降ろうが阪神の話題を一面にする。学校に行けばとりあえず阪神の話から始まる。そして虎柄の服を着たおばちゃんが街を賑わす。いや最後のは関係ないか…。
ともかく、そこに阪神がある事があまりに当たり前になっている。広島も近いけど、なんか阪神とは違うんだよなあ…。うまく言葉に出来ないので、今度また改めて考えてみることにします。
どのチームも目指すべき姿ではあるが、ここまで行くにはあと1000年くらいかかりそう。
【満足度】★★★★★
阪神タイガースの試合にせよ、高校野球にせよ、野球の魅力を存分に感じる事が出来る球場だ。
野球ファンであれば、人生に必ず一度は行くべき球場である。ちなみにであるが、私が初めて関東以外に遠征したのがこの球場であり、甲子園をきっかけに全国各地のスタジアムを訪れるようになった。私にとっても非常に思い出深い球場だ。
そして行くならば、出来れば高校野球をお勧めしたい(甲子園を堪能すると言う意味で)。
高校生が意地とプライドをかけて戦う姿は、野球のレベルに関係なく心を打たれるものだ。最近チケットと席の争奪戦が激しすぎるけど…。
私としては、国際試合は東京ドームでなくぜひとも甲子園を積極的に使い、日本の野球文化をアピールして欲しいのだが、天気が読みにくいから難しいのかなあ…。
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