スタ辞苑〜全国スタジアム観戦記〜

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三ツ沢公園球技場(ニッパツ三ツ沢球技場)横浜FCver.~フリエとキングカズ~

注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大前の情報を元にしています

【概要】

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三ツ沢公園球技場(ニッパツ三ツ沢球技場)は、1955年開場、神奈川県横浜市にある横浜FC、Y.S.C.C.横浜のホームスタジアム。

たまに横浜F・マリノスやラグビーのトップリーグでも使っているが、本記事では横浜FCの本拠地として取り上げる。

 

その歴史は古く、1955年の神奈川国体に合わせて作られたが、当時は日本でのサッカー専用スタジアムのはしりであった。

1964年の東京オリンピックの際にはサッカー競技の会場として使用されたが、2002年のワールドカップの際にはその役目を当時の横浜国際総合競技場(現日産スタジアム)に譲ることになる。

40年の時を経て日本を代表するスタジアムから地方の一スタジアムになってしまうのだから感慨深い。Jリーグやワールドカップが日本のスタジアム事情に果たした役割は大きいんだなあ。

sportskansen.hatenablog.jp

ワールドカップ決勝の舞台となった日産スタジアムの記事はこちら。

 

そしてこのスタジアムを語る上であのチームを忘れるわけにはいかない。

Jリーグ創設当時、オリジナル10と呼ばれる10チームのうち横浜には2チームあったが(偏りすぎじゃない?)、1つは横浜マリノス、そしてもう1つが横浜フリューゲルスだ。

とはいえ、どちらのチームもしばらくはこの三ツ沢球技場を使用していた(偏りすぎだって!)。

1998年には横浜国際総合競技場が完成し、両チームとも2つのスタジアムを併用する態勢になるが、同年10月、突如両チームが合併する事が発表されてしまう。

 

合併と言いつつ、ほぼフリューゲルスの消滅に等しかったことからサポーターや選手、コーチから大きな反対運動も起こったが流れには逆えず。同年の天皇杯を最後に消滅する事が決定してしまう。

負ければチーム最後の試合というプレッシャーの中、「強いフリューゲルスを見せよう」の一言でチームは一つに。ジュビロやアントラーズといったこの年の優勝チームを次々に破る快進撃を見せる。

 

迎えた1999年1月1日決勝、激闘の末清水エスパルスを2ー1で破り、ついにその名を天皇杯に永遠に刻んだまま、チームは消滅したまあ天皇杯は三ツ沢では1試合も行われてないんだけど…。


第78回天皇杯 決勝 横浜フリューゲルス 2x1 清水エスパルス

 

その後横浜マリノスはチーム名にフリューゲルスのFを加え横浜F・マリノスに、そして横浜FCには運営会社の名にフリューゲルスを意味するフリエを加え、横浜フリエスポーツクラブとして、それぞれ名を残すことになった。

特に横浜FCはフリューゲルスサポーターの手で作られた事もあり、三ツ沢への想いは強い。チャントにも度々三ツ沢の文字が見られ、三ツ沢で戦う事を一番のアイデンティティとしている。

 

そんな横浜FCと横浜F・マリノスが激突した横浜ダービーの模様はこちら(本記事と合わせてお読みください)。

sportskansen.hatenablog.jp

【アクセス】

最寄まで★★★★☆

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最寄は横浜市営地下鉄ブルーラインの三ツ沢上町駅。

横浜駅から2駅、新横浜駅からも関内より近いという意味では横浜スタジアムよりも便利と言えるが、地下鉄がちょっと使いにくいので★1つ減らしておきました。高いんだよなあ地下鉄…。

 

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ちなみに横浜駅からバスも出ているし、健脚なら徒歩30分くらいで着く。「坂の街・横浜」を実感できるため、ある意味オススメ。

 

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横浜駅からの途中の坂のふもとにはマリノスの旗がある。どこのホームやねん!

 

最寄から★★★☆☆

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三ツ沢上町駅からも結局坂を登り15分ほど。決して楽ではないが、個人的にはバスにぎゅうぎゅうに詰められるスタジアムよりは幾分マシかなあ、と思う。

 

【観戦環境】★★★★☆

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歴史があるといえば聞こえはいいが、まあ端的にいうと施設は古い。

 

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が、選手までの近さというか臨場感はこの上ないキングカズもこの通り。

sportskansen.hatenablog.jp

キングカズについて考察した記事はこちら。

 

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バックスタンドでもかなりの近さである。

あとあんまり大きい声では言えないけどお客さんが少ないので、手を伸ばせば選手に届きそうな席でもちょっと早く来れば座れたりする。

ただ学校で使ってるみたいなマイクもうちょっとなんとかしてくれ…奥寺さんが何言ってるか分からんのじゃ。

 

【雰囲気】★★★☆☆

正直、ゴール裏はゴール裏だけで盛り上がっていて、スタジアム全体を巻き込む、相手を圧倒するというのには程遠いかなあ…。

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ただ、2019年11月24日、J1昇格を決めた対愛媛FC戦の一体感は素晴らしかった。この雰囲気が維持できれば間違いなく★5だろう。維持できればね…。

 

【グルメ】★★★★☆

以前は本当にひどかったらしいのだが、かなり良化していると思う。まあご当地グルメみたいなのを期待されている方は横浜駅か中華街あたりに行っていただくとして…。

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このタコライスとか本当美味しかった。あとはそれぞれのお店の手際と店の絶対数何とかしないと、お客さん増えたらパンクしそうで怖い。

 

【街との一体感】★★★☆☆

横浜の街は基本的にベイスターズ、マリノスの2強であり、横浜FCはだいぶ影が薄い。

 

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が、私の知る限り一箇所だけ横浜FCの領土がある。横浜駅西口五番街だ。

と言われても分からない人がほとんどだと思うけど、横浜駅西口でもちょっとディープな雰囲気の場所、それが五番街である。

横浜FCのチャントにも「五番街見下ろす三ツ沢の丘で」なんてのがある。が、そんな五番街も今では半分くらいベイスターズに浸食されている。頑張れ横浜FC!

 

【満足度】★★★★☆

三ツ沢は施設こそ古いが、臨場感はこの上ないので気軽にプロのサッカーを楽しむという意味では本当に素晴らしいスタジアムだ。

そして横浜FCは永遠の2番手ポジというか、マリオに対するルイージみたいな感じである。私はそんな横浜FCが愛おしく大好きだ。マリノスも好きだけど。

そんな横浜FCはついに2019年、2度目のJ1昇格を果たした。J1に横浜の文字が2つ並ぶのはフリューゲルスが消滅してからは2回目の出来事である。

18チームしかないJ1に地元のチームが2つもあるのは素直に誇らしい。今後末長くJ1で横浜ダービーを見られる事を楽しみにしたい。是非三ツ沢の丘で。

 

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