昨今、将棋界がにわかに注目を集めています。
それもそのはず、藤井総太さんという恐らく今までの歴史上最も強くなるであろう棋士がすい星のごとく現れたからです。
実は私学生時代将棋をやっていたことがあり、密かに将棋界のことは追い続けていました。
藤井さんも小学生の時点で詰将棋ではすでに敵なしといううわさを聞いていて、すごい子がいるんだなあと思っていました。
そうしたらあれよあれよという間に二冠にまで駆け上っていってしまい、あぜんとしております^^;
そこで今回は、藤井フィーバーからスターの重要性を考えていきたいと思います。
1.藤井二冠が将棋界に与えた影響
藤井二冠が現れるまでは、羽生善治さんが長らく将棋界をリードしていました。もちろん今もトップ棋士の一人なのですが…。
羽生さんは将棋界のアイコンとして、将棋界のみならずいろいろなニュースに対してコメントを出したり、あるいは将棋界の代表としていろいろな人と対談したりしていました。
しかし羽生さんはあまりに強すぎて、もはや勝つことがニュースになりませんでした。勝ってニュースになるのは一流、負けてニュースになるのは超一流とはよく言ったものです。
そんなタイミングで現れたのが藤井総太さんでした。
藤井さんの快進撃はメディアの注目の的となり、師匠の杉本さん、今後ライバルになるであろう渡辺さんや永瀬さん、豊島さん、そして藤井さんに記録を破られた過去の大棋士たちにも改めてスポットが当たることになりました。
一人の大天才のおかげで、落ち込んでいた将棋界全体が活性化することになったのです。
2.人はスター選手に惹かれる
さて、スポーツ界に目を向けてみましょう。今はコロナで減っていますが、その前は観客動員でいえばプロ野球、Jリーグ、Bリーグともに過去最高クラスの動員をたたき出しており、安泰に見えます。
しかし、そこら辺を歩いている人を捕まえて、知っている選手を上げてもらったらどれほど上がるでしょうか?
大谷翔平、久保建英、八村塁…。それぞれ有名な選手はいますが、全員日本にいません。
いずれも日本のスポーツ界の歴史を塗り替えうる選手ですが、日本のプロスポーツの盛り上がりには寄与していないのが現状です(大谷は日本で実績を残して、久保もFC東京の躍進に貢献してからヨーロッパに渡りましたが)。
かつて日本のプロスポーツが盛り上がった瞬間を思い返してみますと、その裏には必ずスター選手の存在があります。
イチローや松井は日本で圧倒的な成績を残して盛り上がりましたし、中田英寿や本田圭佑、香川真司などがいた日本代表はワールドカップで非常に盛り上がりました。
それ以外でも例えばラグビーもやはりリーチマイケルや五郎丸歩などなど、それぞれの選手に注目が集まって盛り上がりました。
元から興味を持っている人はともかく、現時点で興味を持っていない人を振り向かせるにはスター選手の存在は不可欠だと思います。
そういう意味ではヴィッセル神戸にイニエスタが加入したのは非常に大きいと思います。ヴィッセル神戸の試合は明らかに観客動員が増えていますからね。
3.日本プロスポーツの現状と今後
どのリーグも観客動員は順調に増えてはいるのですが、結局のところ興味のある人が何度も何度も繰り返し見るという「閉じコン」になっているような気もします。
今エンタメ業界自体が多様化しているのでなかなか難しいとは思いますが、やはり世間の人みんなを振り向かせるような大スターが改めて現れてほしいなあと思ってしまいます。
現状でももちろんスター選手はいますが、世間を巻き込むほどの選手は正直見当たりません。
海外リーグに行くにしても、日本で圧倒的な成績を残してから海外でもいい成績を残すというような選手が増えてくれば、間違いなく日本の「にわかファン」も増えてくるでしょう。
そういうサクセスストーリーは日本人は大好きですからね。
まあ、スター選手って作ろうと思ってできるものじゃないのが難しいですけどね…。
4.まとめ
将棋界が藤井二冠をきっかけにいろいろ注目されるようになったのを見て、「ひとりの天才のおかげでこんなに変わるんだなあ」と思ってこんな記事も書いてみました。
もちろん観客動員が増えているのは、「にわかファン」が定着した結果ですからそれも喜ばしいことなのですが、どんどん新陳代謝を良くしていかないといずれ衰退してしまいます。
サッカー界でいえば、イニエスタを押しのけるようなスター選手がJリーグから現れてほしいなあと思います。それが久保建英だと言われるとつらいところなのですが…。
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