スタ辞苑〜全国スタジアム観戦記〜

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東京スタジアム(味の素スタジアム)FC東京ver.~調布から世界へ~

注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大前の情報を元にしています

【概要】

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東京スタジアム(味の素スタジアム)は、2001年開場、東京都調布市にあるFC東京、および東京ヴェルディのホームスタジアムである。今回はFC東京主催として取り上げる。

 

ヴェルディバージョンはこちら。

sportskansen.hatenablog.jp

 

2003年、日本で初めてネーミングライツを取り入れた公共施設として有名。

記憶はおぼろげだが、最初に「味の素スタジアム」と聞いたときは確かにかなり違和感を覚えた記憶がある。その後はサッカーでも野球でもバスケでも当たり前のことになりましたね。

 

調布、でピンと来る方もいるかもしれないが、元々は在日米軍の調布飛行場の敷地の一部である。

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現在でもすぐ隣に飛行場があり、スタジアム自体も飛行機に配慮して地面を掘り下げた形になっている。

 

そんな味スタをホームとするFC東京は1935年に創設された東京ガスサッカー部を源流とするクラブ。実はJリーグの中でもかなりの歴史を持つのだ。

 

実際にJリーグへの参加を表明したのは1997年。東京をホームとしたがっていたのにもかかわらずうまくいかなかったヴェルディに対し、こちらはすんなりと「FC東京」を名乗ることに成功。

その裏には味スタの存在が大きく影響したことは想像に難くない。

 

J2リーグ初年度となる1999年に参入すると、いきなり川崎フロンターレに次ぐ2位の成績を上げ、Jリーグ最初の昇格クラブの一つとなった。

翌年はまだ味スタが完成していなかったため、暫定的な措置として国立競技場で半数以上の試合を行った。国立競技場をホームにしようとしていたヴェルディはきっとくちびるを噛んでいたに違いない…。

 

その後は2010年に一度J2に降格してしまった以外は、3度のJリーグカップ優勝、1度の天皇杯優勝を飾るなどJリーグ強豪クラブの一つとして君臨している。

しかし不思議とリーグ戦優勝には手が届いておらず、2019年に2位となったのが最高順位である。

首都東京をホームとしているFC東京にとって、シャーレを多摩川の反対側から取り返すことは悲願となっている(2017年のフロンターレ優勝以降ずっと神奈川のクラブが優勝しっぱなし)。

【アクセス】

最寄まで★★★☆☆

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最寄は京王線飛田給駅。京王線に乗るには新宿か八王子方面に出る必要があるが、その中間付近にある飛田給駅に行くのはかなり面倒だ。

 

ちなみに普段飛田給駅は区間急行以上は停まらないが、試合時には停める場合もあるようだ。

が、普段乗り慣れていない人がうっかり乗るとスタジアム目前で通過してしまう悲しいことになる可能性があるので、乗る前にしっかり確認しましょう。

 

最寄から★★★★★

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飛田給駅からは徒歩5分ほど。道も広いし、特に苦はない。途中お客さん目当てで食べ物も売っている。

 

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ちなみにふた駅隣の調布は映画の街として売り出している。FC東京もあるのに欲張りだなあ。

 

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またスタジアムの真横には、1964東京オリンピックのマラソン折り返し地点がある。2020のマラソンは札幌でやっちゃったから、ある意味貴重なものだ。

 

【観戦環境】★★★★

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若干ピッチまでの距離は感じるが、それほど苦にならないし、ちゃんと屋根もついている。

ラグビーW杯の会場になっただけあって立派なスタジアムだ。

 

【雰囲気】★★★☆☆

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FC東京はJリーグでも浦和レッズに次ぐ観客動員を誇る人気クラブだが、スタジアムの雰囲気としてはFC東京の応援というよりサッカー観戦しにきているようなお客さんが多いように感じる。

FC東京がどういうお客さんをターゲットにしているのかよく分からないけど、応援で相手を圧倒するような感じではなかった。ただ人数が多いだけに一体感が出たら凄いことになりそうではある。

 

【グルメ】★★★☆☆

FC東京はスタジアムグルメがひどく、その反動でアウェイ遠征に出た時にはイナゴのように地元グルメを食い尽くす、いわゆる「イナカツ」という言葉が出来てしまった、という不名誉な歴史がある。

最近はその反省か赤青パークというフードコートを作り、改善の兆しも見える。

 

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が、ルーローハンは30分待たされ、味も微妙…。量のコスパは素晴らしいが…。

赤青パークもよりどりみどりというほどの店数はなく、お客さんの数に対して足りてない気がする。もうちょっとぎっしり屋台並べてもいいんじゃないかな…。

 

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スタジアム内で売ってたこのメンチカツは正解。かなりのボリュームがあり、ソースにしっかり浸かってるのにサクサク感も残っててうまい。

 

【街との一体感】★★★★☆

FC東京といいつつ、実質FC調布という感じだが、かえってローカル感が増して地元民の愛着が湧く、という構造になっているように思える。

 

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また飛田給駅からスタジアムまでは割とFC東京一色になっている。チャントにも「飛田給」の歌詞があり、この地への愛着を感じる。

 

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更に、すき家までもFC東京仕様になっていたり、

 

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畑の上にもFC東京の横断幕が張られていたり、

 

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住所を示す青いプレートにまでFC東京のロゴが描かれている。ここまで入り込むのは凄い。

 

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隣駅の西調布駅にもFC東京を応援する企業の広告がある。本当に地元に密着しているんだな、と感じさせられる。

 

帰り際、ユニフォームを着たままチャリで帰っていく父子を見て、公園に遊びに行く感覚で見に来る人も多いんだなあ、と感じた。それもまたよし。

 

ちなみに後日、浅草を散歩していたらこんなものを見つけた。

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23区内でもこういう活動してるんですね。

 

【満足度】★★★★☆

全体的に取り立てて欠点のない、完成度が高いスタジアムだなという感じ。

気軽に「行こうかな」と思う人が多ければそれで観客動員に結びつくわけで、それをFC東京が狙ってるなら戦略が上手くハマってると言える。

 

これからの楽しみは、味スタの陸上競技場を取り除くとか、23区内に新しいスタジアムを作るとか、いろいろ新しい動きが出てきそうなところ。

個人的にはFC東京にはすっかり調布のイメージがついてしまったので、FC東京は味スタをどんどん改良する、東京ヴェルディは新しいスタジアムを作る方向に行ってほしいと思うのだが、果たしてどうなることやら…?

 

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