スタ辞苑〜全国スタジアム観戦記〜

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埼玉スタジアム2002~赤き血の狂瀾~

注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大前の情報を元にしています

【概要】

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埼玉スタジアム2002は、2001年開場、埼玉県さいたま市にある浦和レッドダイヤモンズのホームスタジアム。

本来は2〇〇2と「ゼロ」ではなく「まる」を使う表記が正しいのだが、誰も守ってくれない。ただし読み方は「にまるまるに」であり、こちらはみんな守ってくれる

 

その名の通り、2002年日韓ワールドカップを開催するために作られたスタジアムで、サッカー専用スタジアムとしては日本最大級。日本が歴史上初めてワールドカップで勝ち点を獲得したスタジアムでもある(対ベルギー、2-2)。

www.youtube.com

日本国内で大きなサッカーの試合が行われる際は、大抵この埼玉スタジアム日産スタジアムが使用される。

sportskansen.hatenablog.jp

日本を代表するもう一つのスタジアム日産スタジアムはこちら。

 

そしてここをホームとする浦和レッズは、観客動員数で2006年から14年連続でJリーグ堂々の1位。優勝から遠ざかっている昨今でも1位をキープし続けており、いかに浦和に根付き、そして熱狂的なサポーターが多いかが分かる。

ただ、Jリーグ全体では観客動員は増えているが、浦和に関しては減少傾向にある。その辺についても考えていきたい。

 

…ちなみに2003年8月、なぜか阪神タイガースを応援するパブリックビューイングが実施されたことがある。

当然お客さんは来ず、埼玉県を保護地域とする埼玉西武ライオンズからも抗議が来る事態に。確かに2003年の阪神は暗黒脱出して優勝したとはいえどう見てもやりすぎである。

埼玉スタジアムにとっても、阪神にとっても、黒歴史だろう。今こうして私がほじくり返してしまったが。

 

 

【アクセス】

最寄まで★★☆☆☆

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最寄は埼玉高速鉄道浦和美園駅。埼玉高速鉄道は「埼玉スタジアム線」という愛称も付けられ、もはや埼玉スタジアム専用路線である。が、ちと高い…。

更に問題なのが、肝心の浦和駅に接続していない点だ。浦和駅から行くには、2回も乗り換える必要がある。

そのため、浦和美園駅という最寄駅がありながら浦和駅からシャトルバスが出ている。埼玉は基本的に県内移動のアクセスが絶望的に悪い…。

 

浦和美園駅について知りたい方はこちらもどうぞ。

number.bunshun.jp

最寄から★★★☆☆

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浦和美園駅からは徒歩20分。かなり時間がかかるが、平坦だし、周りに屋台も多く出ているのであまり距離を感じない。

また道も十分広く取られていてストレスはないが、とにかく人が多く、一箇所道路を渡る必要があるため帰りは意外と時間がかかるのが難点。一本道だから裏道もない。

 

【観戦環境】★★★★★

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サッカー専用だけあり、非常に見やすい

ゴール裏が少し湾曲しており若干ピッチから遠いという点はあるが、まあ誤差みたいなものでしょう。

 

ただ屋根はついているが、ゴール裏には付いていない。雨などはサポーターの熱で吹き飛ばしてしまうということか。

ゴール裏スタンドの大きさ迫力もまた特徴の一つである。

 

【雰囲気】★★★★★

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満員の浦和レッズサポーターが作り出す雰囲気は、圧巻という他ない。

特に浦和レッズ勝利時の「We Are Diamonds」の一体感は、Jリーグでも屈指のものだ。最近は頻度が減ってしまっているが…。


ACL優勝!6万人の大合唱!!浦和レッズ勝利の歌『We Are Diamonds』

 

そんな浦和レッズだが、年々観客動員が減ってしまっている。

理由の一つは成績の低迷もあるが、もう一つはあまりに熱狂的すぎるゆえ、新規で入るお客さんの敷居が上がってしまっている、という事があるようだ。実際、2018年から新たにスタジアムに行ったお客さんの割合は1.3%で、これはJ1で最下位なのだそう。

実際スタジアムで感じたが、ピッチ上にはマスコットも出てこないし、抽選プレゼントの当選者発表?かなんかはあったが、それ以外には余計なイベントも無し。

練習後突然選手が入場してきて、そのまま試合が始まるという感じで、実にストイックだ。

 

その演出自体は運営がサボっているわけではなく、あえてそうしているのだそう。それがあのスタジアムの迫力を作り出しているのは間違いないが、一方で最近流行りの「誰でも来られるスタジアム」には程遠い

 

運営も「ウェルカムシート」を売り出し、新規客でも見に行きやすくなるような努力はしている。

が、筆者は今回そのウェルカムシートに座ったが、どう見てもガチガチの浦和レッズサポーターだらけだった。どうも狙いとは違うような…。

 

あまりに熱狂的なサポーターが多いゆえ雰囲気を大きく変えるわけにもいかず、かといってこのままでは新しいファンは増えない。旧来のファンとファンの新規開拓という間で揺れ動いている、という印象。

浦和レッズは今、大きな分岐点にいるのかもしれない。

 

【グルメ】★★★★☆

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カレー?が名物だった気がするが、今回私はオムそばを頂いた。普通においしい。

こういうのって家じゃなかなか食べないし、かと言ってわざわざ店に行って食べるものでもないから、スタグルで見るとつい食べたくなっちゃうのよね。

 

スタジアムに行くまでにも色々出店が出ているし、スタジアム周辺にも色々お店が出ているので、食料調達には全く問題ない。

 

ただ、コンビニなどは一切ないので、何か買うときは浦和美園にあるイオンなどで済ましておこう。

 

【街との一体感】★★★★★

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浦和駅周辺はサッカー一色である。

 

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駅に直結した「レッドボルテージ」というグッズショップもある。街に根付き、住民に認められている事がよく分かる。

 

が、いかんせん浦和駅からスタジアムが遠すぎるため、普通にスタジアムに行く時には通り過ぎる事すらないのが悲しいところだ。

 

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またさいたま市内には、「レッズランド」と呼ばれる会員制のスポーツランドがある。プロを目指す少年少女から趣味でやっている大人まで様々な用途の人が日々ボールを蹴っているようだ。

サッカーやフットサルだけでなく野球場やテニスコートも備えており、総合スポーツ施設といった具合。従来日本では学校や企業が主にスポーツを行う場であったが、そこに「地域」の立場で参画していこう、というのが浦和レッズの取り組みである。


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なおさいたま市の中でもかなりの秘境にあるため、ほぼ車は必須である。

 

【満足度】★★★★★

アクセスはちと悪いが、スタジアムとしてはサッカーが非常に見やすく、雰囲気も最高で「ハマる」要素は満点だ。

ただ、やはり観客動員数が減っているのであれば、何か手を打たざるを得ないだろう。

この雰囲気を残しつつ新たにファンを開拓していくのは非常に難しいが…。今後の浦和レッズに注目だ。

 

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