近年錦織圭選手や大坂なおみ選手の活躍で、日本におけるテニス熱が盛り上がってきています。
ウィンブルドンは何となく見たことあったけど他の大会はよく知らない…という人でも、大坂なおみ選手の活躍で全米オープンや全豪オープンも見てみるようになった、という人もいるのではないでしょうか?
しかしスポーツニュースを見ていると、毎週のように錦織選手や大坂選手が参加した大会結果が流れてきますが、イマイチどういう大会なのか分からないままなんとなく終わる…ということがあるのではないでしょうか?
実は私もそうなのです(笑)
ということで、今回はテニスツアーの仕組みを一緒に勉強していきましょう。これを読めばスポーツニュースのテニスコーナーがもうちょっと楽しめる…かも?
1.ATPツアー(男子プロテニス協会)
ATPツアーという名前は聞いたことがある人もいるかもしれませんが、実はこれは男子だけなのです。
テニスでは1970年に男女賞金の格差問題から揉めてしまい、男女でそれぞれ別々の協会が大会を主催しています。知らなかった…。
というわけで、まずは男子であるATPツアーの仕組み紹介から。
ATPツアーは1月から11月まで世界各地を転々としながら大会が開かれます。って休み12月しかないやないかーい!
…というめちゃめちゃキツキツのスケジュールのため、全ての大会に全選手が参加するわけではありません。各選手自由に選べるんですね。
ただし前年度のランキング30位以内に入った選手は、グランドスラムの4大会すべてに参加しなければならない、マスターズ1000の9大会のうち8大会に参加しなければならないといった制限が課されます。
これにより大きな大会で全然スター選手が出なくて盛り上がらない、ということが防げるわけですね。
早速、大会の種類を見てみましょう。基本的にはすべてトーナメント方式を取っています。
1.グランドスラム
言わずと知れた4大大会と呼ばれるものです。
全豪オープン、全米オープン、ウィンブルドン、全仏オープンの4つで、もし一つでも優勝することができれば世界にトッププレイヤーであると認められることになります。
ちなみに歴代の優勝回数はロジャー・フェデラーとラファエル・ナダルが同率1位で20回、ノバク・ジョコビッチが3位で17回です。
この3人が同時に現役選手をやっているというのは、どう考えても奇跡です。
2.ATPファイナルズ
ATPでは選手ごとにポイントを加算していきランキングを決めています(この辺りの仕組みは後述)。
そして11月のシーズン終了の時点で、原則ランキング上位8名(グランドスラム優勝者が9位以下にいたらそちらが選ばれる可能性もあり)が選出され、その8人でリーグ戦、そしてトーナメントを行うというのがATPファイナルズです。
テニス界でリーグ戦が行われるのはこれくらいじゃないでしょうか。
グランドスラムに次ぐ大会ですのでもちろん選手たちは真剣なのですが、シーズン最後の大会ということもあり選手たちの楽しそうな笑顔を見ることもできます。
テニス界の年に一度のお祭りと言ってもいいでしょう。
ちなみに、意外なことに第1回大会は東京で開かれています。2020年大会は日東電工がメインスポンサーに入っていたり、意外に日本と縁深い大会でもあります。
3.マスターズ1000(9大会)
4.500シリーズ(13大会)
5.250シリーズ(40大会)
上から順に大会の格を表しており、日本の楽天ジャパンオープンは4番目の500シリーズに相当します。
錦織圭選手が出場するのは250シリーズまでなので、ここまでを覚えておけば問題はないでしょう。
ちなみにこのそれぞれの数字というのは、優勝したときに獲得できるポイントのことを表しています。ポイントについては後程。
2.ランキングの仕組み
これまでにポイントというのがあることを少し紹介しましたが、当然大会の格ごとに獲得できるポイントが変わってきます。
1.グランドスラム→優勝で2000ポイント
2.ATPファイナルズ
リーグで1勝ごとに200ポイント(3試合なので最大600ポイント)、優勝で900ポイント
→最大1500ポイント
3.マスターズ1000→優勝で1000ポイント
4.500シリーズ→優勝で500ポイント
5.250シリーズ→優勝で250ポイント
ATPファイナルズだけ少し特殊ですが、基本的にはかなり分かりやすいと思います。
もちろん優勝選手だけでなく、準優勝は○○ポイント、ベスト4は○○ポイント…という風に最大ベスト128まで細かくポイントが振り分けられます。
このポイントを元にランキングを決められるわけですが、その決め方としては、
1.過去1年(52週間)のうち成績の良かった18大会の合計で決定
2.ただしATPファイナルズはおまけの19大会目としてカウントできる
3.出場義務のある大会については他の大会より成績が悪くても18大会の中に含む
といったルールが決められています。
このポイントはリセットされることはないので、毎週ランキングが更新されていきます。そのため、選手の実力を良く反映させたランキングだと言われています。
ちなみに、こちらもロジャーフェデラーの1位在籍310週というのが記録になっています。約6年間1位…。
3.WTAツアー(女子テニス協会)
最後に、大坂なおみ選手が参加するWTAツアーもご紹介しましょう。
協会が違うとはいえ、基本的にはATPツアーと同じと考えれば問題ありません。
1.グランドスラム 優勝で2000ポイント
男子と同じ、全豪オープン、全米オープン、ウィンブルドン、全仏オープンの4大会です。
大坂なおみ選手は全豪オープン、全米オープンをそれぞれ2回ずつ優勝しています。現段階で間違いなくトップクラスの女子テニスプレイヤーと言えるでしょう。
2.WTAファイナルズ リーグ1勝ごとに250ポイント、優勝で750ポイント
ATPファイナルズと同じ方式で行われます。
男子と同じくシーズン最終戦なのですが、男子に比べて少しぴりついた雰囲気がするのは気のせいでしょうか…?
3.WTAエリートトロフィー リーグ1勝ごとに120ポイント、優勝で460ポイント
こちらは女子特有の大会で、年間9位~20位の選手が参加します。
なぜ女子だけこういう大会があるのかはよく分かりませんが、以前はWTAファイナルズに当たる大会が16人の選手で行われていたので、そこから漏れた選手の救済措置ではないかと推察します。
あくまで推察ですが…。
4.プレミアトーナメント
大坂選手が参加するのはこのカテゴリまで。ということでここまでご紹介いたします。
プレミアトーナメントというのはさらに大きく2つに分かれています。
1.WTA1000(9大会、優勝で1000ポイント)
2.WTA500(12大会、優勝で500ポイント)
男子とほとんど同じですね。ちなみに日本で行われる東レパンパシフィックオープンはWTA500にあたる大会です。
ちなみにこんな感じですっきりしたのは2021年からで、それまでは結構複雑になってました。とりあえず今年からはこれだけ覚えておけばニュースを見ていてもなんとなくわかってくるでしょう。
4.まとめ
以上、意外とわからないテニスツアーの仕組みについて解説いたしました。
これさえ覚えておけば、スポーツニュースのテニスコーナーだけ他の人より鼻を高くすることができるでしょう。たかだか1分くらいしかないとは思いますが…。
でも実際テニスをボーっと見てるの楽しいですよね。時間が読めないのでなかなかテレビ向きの競技ではなく、見る機会はあまりありませんが…。
私もこれから少しずつテニスを勉強していきたいなと思います。もちろんやる方ではなく見る方で。
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