スタ辞苑〜全国スタジアム観戦記〜

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分かりやすいものだけがウケる時代【ハーフタイムのひとりごと】

日頃よりスタ辞苑をお読みいただきありがとうございます。

近頃ではアップデートした直後の記事だけでなく、かなり昔に書いた記事にもアクセスが来るようになり、自分で言うのもなんですが「どうやってその記事にたどり着いたんだ!?」と思うのと同時に大変ありがたく思っております。

 

最近では検索からのアクセスも増えてきたのでそこからいらしてるんでしょうかね?

私の意図としてはこのブログは刺さる人には刺さり刺さらない人には刺さらないと思っているので、そういう方が面白いと思う記事にどうやって飛んでもらうかは頭を悩ますところです。記事が増えれば増えるほど難しくなりますよね…。

 

その一方でコメントも毎度毎度大変ありがたく読ませていただいております。ありがとうございます。

はてなブックマークやコメント欄でいただいたコメントはその記事のコメント欄で返信させていただいておりますので、興味のある方はお読みください。特になければそのままで大丈夫です。

 

 

以上は業務連絡でした。そして最近思うことを一つ。

近頃、どんどんどんどん分かりやすいものがウケる、いや分かりやすいものでないとウケない時代になってきたな、と強く感じます。

 

分かりにくいモノの代表例であるエヴァンゲリオンの監督庵野さんをもってして、「謎に包まれたものを喜ぶ人が少なくなってきてる」とコメントするほど。

いやほんとそうですよね。逆に歴史的な大ヒットを飛ばした鬼滅の刃なんかは、分かりやすいモノの代表例と言えるように思います(それが悪いというわけではありません)。

 

歌なんかもいきなりサビを頭に持ってきたり、歌詞が誰でもわかるようになっていたり、いかに一発で惹きつけられるかを念頭に作られているものが多いように思います。

 

その辺については、私も消費者の一人なのでその理由も理解できます。

とにかく今はエンタメが溢れすぎていて、YouTubeなんかでも見たい動画が1日に24時間以上ずつ増え続け一生かけても見終わらないぐらいになっています。

 

そういった中では「下手なものに時間をとられたくない」という発想になるのは当たり前で、

・なるべく時間が短く

・口コミで評価の高いものを選び

・とにかく理解のしやすいモノ

を選ぶのは当然の心理です。私自身がそうだからとても理解できます。

 

それ自体は時代の流れとして受け入れるべきと思うのですが、しかしそもそも理解しようとすらしないという風潮になっているのだとしたら大問題です。

例えばYOASOBIの夜に駆ける、とてもいい曲だと思いますし私も好きですが、あの歌詞の危うさに気づかない人がたくさんいるとしたらかなり危ないことだと思います。

もちろん歌詞の内容自体の危うさもそうですが、あの歌の深みも理解できないということになってしまいます。

 

さらに驚きなのが、最近では「映画を飛ばして見る」人が存在するということです。

まあ、B級映画の笑える部分だけを取り出して見るくらいならそれでもいいですけど、一流の映画ならカメラワーク、音響効果、照明、そして表情やせりふ回しなどすべて徹底的に考え抜かれていますし、一瞬一瞬のシーンに意味を持たせて思わぬ伏線を回収することもあります。

 

それを飛ばして有名なシーンだけを見るという見方をしている人がいるとしたら、それは時間を効率的に使っているように見えてむしろ時間をドブに捨てている行為ですらあるといえます。

あのシーンはここにつながってたのかー!という快感を放棄するなんて…。信じられない…。いい映画を見るときなんて飛ばすどころか下手したら一度止めたり戻したりしながら、頭をフル回転して作り手の意図をくみ取ろうと必死です。

それこそが映画を見る醍醐味だと思っています。まあ頭空っぽにして見る少林サッカーみたいな映画も大好きですけど。

 

分かりやすいモノを追い求める風潮は時代の流れですが、作り手は分かりやすさの中にも深みを持たせ、見る方は分かりやすいモノの中からでも深みを見出すようにしないと、本当に日本全体が空っぽになってしまうのではないかという不安があります。

というか日本に限らないかもしれないですけどね。

 

まずはせめてこの記事を読んでる方だけでもちょっと意識してもらえたらうれしいですね。個人的にはてなブログは読むほうも書く方もかなりレベルの高い人たちが集まっていると思っているので。

私のブログも分かりやすさは追い求めつつ、じっくり読むことで何かしらの気付きにたどり着けるような記事を書きたいと思っています。多分出来てないですけど。