いよいよ東京オリンピック開幕が7月23日に迫ってまいりました!祭りじゃ祭りじゃー!
…といいつつ、世間的には盛り上がってませんがねえ…
ともかく、スポーツを題材にしているこのブログとしてはこのオリンピックを無視するわけにはいきません!
というわけでこのブログでは東京オリンピック閉幕となる8月8日まで、ひたすらオリンピックに関連した記事を上げ続けます!
初回となる今回は、その名も東京オリンピックの歴史について!なんてストレートなテーマなんだ…。
栄光と挫折に満ちた東京オリンピックの歴史をご覧ください。
1.1940東京オリンピック
ご存じの方がどれほどおられるのか分かりませんが、1940年にも東京オリンピックが行われる予定でした。
欧米以外の国で行われるオリンピックとしては史上初めてであり、明治以来日本が掲げていた「脱亜入欧」が結実するオリンピックとなる予定でした。
またこの年は神武天皇の即位から2600年を数える、日本の歴史としてもメモリアルな年だったのです。
イタリアのローマ、フィンランドのヘルシンキとの誘致活動に勝利した東京では、着実にオリンピックの準備が進められていきました。
当時、今の国立競技場の位置には明治神宮外苑競技場という日本最初の大規模スタジアムがありました。
当初はこれを改築することでオリンピックスタジアムとする予定でしたが、晴海の埋め立て地に作る案も出るなど二転三転し、結果的には現在の駒沢オリンピック公園の位置に新しく作ることになりました。
その他にも道路を整備したりホテルを建築したり様々な準備が進められていきましたが、その中でも同年札幌オリンピックの誘致にも成功していたことは特筆すべきでしょう。
実現すれば日本で1年に2回もオリンピックが開催される予定だったのです。
しかし1937年に日中戦争が勃発すると、オリンピック開催に対する国外からの反発が強まっていきます。
さらに戦争の長期化から鉄鋼などの資材の不足が懸念され、陸軍などの国内からの反発も強まっていきます。
結局、日本政府は東京オリンピック、そして札幌オリンピックの開催権の返上を迫られることになりました。その後は代替地としてヘルシンキが選ばれましたが、第二次世界大戦の勃発によりこちらも中止に。
まったく、戦争というのは嫌なもんですな。
2.1964東京オリンピック
1940年の開催に失敗し、1960年の招致にも失敗した東京オリンピック。
三度目の正直となる1964年はアメリカのデトロイト、オーストリアのウィーン、ベルギーのブリュッセルに勝利し、見事アジア初、さらに有色人種国家としても初のオリンピックとなりました。
この時すでに明治神宮外苑競技場は取り壊されており、新たに国立霞ヶ丘陸上競技場が完成していましたので、これをメイン会場としました。
とはいえ1940年の時に挙がっていた駒沢にスタジアムを作る案も採用され、サッカー会場として使われた駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場の他、レスリングが行われた体育館、バレーボールコート、ホッケー場などが作られ、1940年東京オリンピックの遺産も生かされる形になりました。
聖火は1964年8月21日にギリシャで採火され、第二次大戦で日本が戦った国々を周り、沖縄から46都道府県を回って東京へとリレーされていきました。もちろん世界平和の達成をアピールするためです。
最終ランナーは、1945年8月6日に広島で生まれた当時早稲田大学の競走部だった坂井義則さん。見事大役を果たし、原爆投下からの日本の復興を象徴する出来事になりました。
ちなみに坂井さんはこの時の経験からフジテレビに入社し、ミュンヘンオリンピックやアトランタオリンピックの報道に携わっています。
この大会で日本はアメリカ、ソ連に次ぐ16個の金メダルを獲得し、日本の戦後復興を世界に向けて高らかに宣言したのでした。
1964年の東京オリンピックが後世に残した影響は大きく、東海道新幹線や地下鉄、モノレールなどのインフラの整備、セイコーによる世界初のノートラブルの計時、およびコンピュータによる記録管理など、国内外に向けて日本の技術力の高さを発信することになりました。
とりわけテレビにもたらした影響は大きく、衛星中継やスローモーションなど現在も用いられている技術が取り入れられました。日本にテレビを普及させた役割も大きいと言います。
一方で首都高を作ったはいいものの、日本橋の上を貫く形で作ってしまい景観を壊してしまうと言った負の影響もありました。今は何とか元に戻すよう努力はしているようですが…。
とはいえ、全体的には1964年の東京オリンピックは大成功に終わったと言っていいでしょう。現在もなお様々な施設が残り、使われています。
代々木体育館もその一つ。
3.2020東京オリンピック
というわけで2020東京オリンピックにつながっていきます。
前回は戦争からの復興をテーマにしていましたが、今回は震災からの復興をテーマの一つにしています。
例えば聖火リレーのスタート地点を原発事故の被害を受けた福島県のJヴィレッジにしたり、会場として宮城スタジアムや福島県営あづま球場が使われるなど、東北の復興をアピールする形になっています。
しかしどちらかというと東北の復興はまだまだ始まったばかりであり、こんな形で復興をアピールしちゃっていいのか?とか、復興の方にお金を回すべきでは?などなど、このタイミングでのオリンピック開催がベストだったのかについては疑問の声も出ています。
更にタイミングの悪いことに、新型コロナウイルスの蔓延により延期を余儀なくされる形になりました。1年たった今も収まることはなく、二転三転したのち無観客での開催が決定してしまいました。
1年遅れでの開催となった今年、果たしてオリンピックは無事に終わるのでしょうか…?
4.まとめ
というわけで、今回で3回目を迎える東京オリンピックの歴史でした。
明らかに1940年は負の歴史、1964年は正の歴史となったわけですが、果たして2020は正の歴史として名を残すことができるでしょうか。
開催前からあまりにも懸念が多すぎる今オリンピック、終わってから黒歴史にならないことを祈るばかりですが…。
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