注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】
長野市真島総合スポーツアリーナ(ホワイトリング)は、1996年竣工、長野県長野市にある信州ブレイブウォリアーズのホームアリーナ。
アリーナ、と書いたが、実はアリーナではなかった。
どういうことかというと、下の動画に答えがある。
長野オリンピック_ショートトラックスピードスケート男子500m決勝
西谷岳文が金メダルを獲得した長野オリンピックショートトラック男子500m。この会場こそ、今回紹介するホワイトリングなのである。
ホワイトリングは元々1998年の長野オリンピックに合わせて建設されたスケートリンク。スピードスケートのショートトラック、そしてフィギュアスケートの会場として使用された。
しかし翌年の1999年にはすでに体育館として改装された。
このスピード感を見ると、どうやら最初から体育館として再利用するつもりだったのだろう。多分。
ただ、その後はバレーボールのワールドカップの一会場として使用された程度で目立った実績はなかった。
そこで目をつけたのがBリーグの信州ブレイブウォリアーズである。
信州ブレイブウォリアーズは2011年からbjリーグに参戦したプロバスケチーム。そもそも参入までも結構時間がかかって苦労していたらしい。
転機が訪れたのは2018-19シーズンのこと。勝久マイケルヘッドコーチが就任すると、それまでの2年で勝率2割、4割だったのがウソのように成績が跳ね上がり、いきなりB2リーグ優勝を果たす。
が、ここで問題となったのがアリーナである。それまでホームとしていたことぶきアリーナ千曲ではB1に必要な観客席数を確保できなかったのである。
そこで白羽の矢が立ったのがこのホワイトリングだった。B1に上がれるとなれば長野市も放っておくわけにもいかない。
というわけで、ホームアリーナをこのホワイトリングに、ホームタウンとして長野市を加えることになった。
まあ、債務超過してたから2018‐19シーズンでは昇格できなかったケド…。
翌2019‐20シーズンも好成績を収め、アリーナとお金の問題もクリアし晴れてB1リーグ昇格を果たした。
オリンピックの遺産がB1昇格のキーになるなんて、ホワイトリングを作ったときは誰もが思わなかっただろう。
ちなみに、ホワイトリングの他にもアイスホッケーの会場として使われたアクアウィングはプールに改装されている。
これらはオリンピックレガシーの活用例として見習うところも多い施設なのだ。
【アクセス】
最寄まで★★★★☆
最寄はJR、しなの鉄道、長野電鉄の長野駅。
北陸新幹線の全種別が止まり、速いものだと東京から90分かからないくらい。とても便利。
長野駅の栄えてる方、善行寺口。立派な駅舎でござんすなあ。
今回の長野観光記はこちら。
最寄から★★★☆☆
長野駅からはバスで20分ほど。
無料シャトルバスがあるのが本当にありがたい。この辺Bリーグの各チームは本当に努力しているなあと感じる。あんまり無理はしないでほしい。
【観戦環境】★★★★☆
2階席と言ってもそれほど高さ、遠さを感じず、とても見やすい。
というか、ショートトラックやフィギュアスケートってこの広さでできるんですねえ。見に行ったことがないからスペースの感覚がよく分からないのです。
右上に輝く五輪マーク、左上に輝く長野オリンピックのエンブレムがなんともまぶしい。
ただ、元スケートリンクだったせいなのか分からないけど、やたら寒かった…。行ったのが秋だったので、冬になったらちゃんと暖房入れるのかな?
右。ここから選手が入場してくる。
入場しやすいようにカーペットくらい敷いてもいいかもね。殺風景だし。
左。ホクトは信州ブレイブウォリアーズの胸スポンサーを務めていて、長野を代表する企業の一つである。
ホクトは結構スポーツに力を入れていて、AC長野パルセイロや信濃グランセローズのスポンサーも務めている。ありがたいことです。
観客席。の隣の階段が問題で、よく見ていただくと三段ごとに微妙に長さが違うのが分かると思う。
気付くまでは何度か転びそうになった。上り下りのリズムが狂うんですよこれ…。行く人は気を付けてください。
ビジョン。控えめサイズ。
得点表示。控えめサイズ。
天井。立派なスピーカーがあるが試合中は使ってなかった。
真ん中の四面ビジョンの残骸はたぶんオリンピックの時は使っていたのだろう。
是非とも復活してBリーグを盛り上げてほしいものである。
【雰囲気】★★★★☆
光と音をふんだんに使用した演出で、とってもかっこいい。
やっぱBリーグはこれっすよこれ。
ただ、会場内で喋ってるのがMCさんだけでグッズ紹介とかもちょっと寂しかったので、個人的には話し相手になる女性の人とか、芸人さんとか入れるともうちょっと盛り上がるかなって思う。
そんなもん要らんって思う人もいるかもしれないので、好みでしょうけどね。
ちなみにこの時はコロナの影響でなかったが、いつもならハーフタイムに「信濃の国」を歌うらしい。いいなー。楽しそうだなー。
「信濃の国」は長野県の県歌で、特に仲の悪かった長野と松本を結びつける重要な役割を果たしてきた歌である。
今でも長野県民はみんな歌えるらしいし、実際松本を散歩していた時に信濃の国の合唱が聞こえてきたときは感動したものである。
個人的にはチーム名が「長野」でなく「信州」なのも、長野でも松本でもない名前にした方が反感が少なくなると判断してのことだとにらんでいる。
そんなことなかなか大っぴらに言えないだろうけど。
いざ、B1。秋田が昇格した直後に行った時も同じ文言を見たけど、やっぱりワクワクするね。
この内側がアリーナで、この写真の左側が入り口。というわけで入るとすぐこの幕がお出迎えしてくれる。
ちなみに外はなーんにもない。あるのは山だけ。長野感満載。
【グルメ】★★★☆☆
屋台が多く出ていて、とても雰囲気は良い。
が、信州名物みたいなものがほとんどないのがちょっと寂しい…。
大阪名物たこ焼きとか、沖縄名物タコライスとか、正直ここではなかなか手が伸びないんですよ…。
そんな中、行列ができていたフライドポテトはとてもおいしかった(途中で傾いちゃって見た目がぐちゃぐちゃになっちゃったけど…)。
カナダ発祥のプーティンっていう料理で、肉汁から作ったソースとチーズをフライドポテトにかけているものらしい。
長野県上田市を中心に移動販売しているお店らしいので、とりあえず長野に来た甲斐があったと思えた。
それからクラムチャウダー。冷えた体に染み渡る。
【街との一体感】★★★☆☆
探せばウォリアーズのポスターを見ることはできるが、まだまだAC長野パルセイロの方が存在感が大きい。
もっと言えば、長野オリンピックの方が存在感が大きい。せっかくだから長野オリンピックを塗り替えるような盛り上がりを見せてほしいですな。
長野のシンボル善光寺。真っ暗な中を進むお戒壇巡りは是非とも一度は経験しておきたい。
【満足度】★★★★☆
長野と言えば善光寺、そして長野オリンピック。
そんなイメージが強いが、信州ブレイブウォリアーズがB1に昇格し新たな長野のシンボルとして輝き始めるときが来たのではないかと思う。
まだまだ歴史も浅いし街になじむには時間がかかると思うけど、地道に実績を積み上げ、ひとりひとりファンを増やしていけばきっとホワイトリングも満員になるはず。
長野オリンピックから20年以上が経った。ホワイトリングに熱狂が戻る日は近い。
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