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【概要】
中山競馬場は、1907年開場、千葉県船橋市にある中央競馬の競馬場。
歴史で言えば、東京競馬場よりも古い競馬場だ(ただし東京競馬場の前身の目黒競馬場は同じ1907年開場)。
とはいえ開場当初は、日本最大のレースである日本ダービーが行われる東京競馬場に対して、皐月賞があったとはいえ日本ダービーに匹敵する大きなレースが無かった中山競馬場はどうしても影が薄かった。
そこでまず、起伏の激しい地形を生かして開催されたのが中山大障害である。現在でも障害レースとしては最大で、年末の風物詩になっている。
そしてもう一つ、中山競馬場の年末の風物詩と言えば、有馬記念である。
中山大障害は大レースではあったが、日本ダービーなどに比べどうしても華やかさに欠けていた。
そこで当時の中央競馬理事長だった有馬頼寧が日本ダービーに匹敵する大レースを、という事で、当時前例のないファン投票による出走馬を選出するという方法の「中山グランプリ」が開催される。
第1回は大盛況のうちに終わったものの、その直後の1957年1月9日に有馬頼寧が急逝してしまう。その功績を称え、「有馬記念」と名を変え今に至る。しかし偶然とはいえ、馬が有ると書いて有馬記念なのだから、よくできた話である。
世界のG1レース格付けでは第13位、日本国内では第1位のレースであり、1996年には875億円を売り上げギネス記録となった。
年末に行われる事、出走馬の決定方法、そしてこの盛り上がりから、日本競馬の総決算と位置付けられる。中山競馬場の歴史は有馬記念とともにある。
そんな有馬記念は数々の名馬の引退レースともなっている。歴代の優勝馬を見れば、トウカイテイオー、ディープインパクト、ダイワスカーレット、オルフェーヴル、ジェンティルドンナ、キタサンブラックと、日本競馬を彩ってきた競走馬の花道となってきた事がわかる。
特に1990年のオグリキャップの時は、日本中を巻き込んだ社会現象とも言える盛り上がりだった。
今回は2015年、ゴールドシップの引退レースとなった第60回有馬記念を観戦したので、その様子をお伝えしたい。
【アクセス】
最寄まで★★★☆☆
最寄はJR船橋法典駅。武蔵野線で西船橋駅から一駅行ったところであり、少々めんどくさい。
というか武蔵野線自体ぐるっと東京、埼玉、千葉を囲むような路線なので、ターミナル駅から乗るにはちょっと都合が悪い路線だったりする。選べば東京から乗り換えなしでも行けるけど。
最寄から★★★★☆
船橋法典駅からは徒歩15分ほど。基本的には何もない住宅街だ。
また競馬開催時には船橋法典駅から雨にぬれず中山競馬場まで辿り着ける地下通路が解放される。
ただ、有馬記念のような大レースではとんでもない混雑になるため、特に帰りは通らないほうがよいかもしれない。
ちなみに私は西船橋駅から歩いて行った(推奨ルートではありません)。バスもあるのでそちらも活用しよう。
【観戦環境】★★☆☆☆
基本的な構造は東京競馬場と似ているが、気持ち中山競馬場の方が狭いような気がする。
そして有馬記念という事もあって、それはそれはとんでもないお客さんの数であった。
恐らく私が人生でスポーツ観戦した中において、最も多くの人がいたと思う。私の中のギネス記録である(適当)。
そんなわけでまともにスタンドで見ることができず、仕方なく内馬場で立って見ていたのだが、それでもぎゅうぎゅう詰めの状態でまともにレースを追うことはままならなかった。
レースを見るだけならテレビで!が私の持論となった。
【雰囲気】★★★★★
ではなぜ人は競馬場に集うのか?と言えば、やはり雰囲気であろう。
10万人を超える人々が、たったの3分足らずのレースのために集まっている。その熱気の密度はまさしく日本一だ。
たとえレースはよく見えなくても、この雰囲気は味わう価値がある。ゴールドシップが勝ってくれればよりすごかったんだろうけど…。
ちなみにこんなところに入る事もできる。普段使ってないコースなのだろうが、馬場の上を歩けるなんてなかなか出来ない体験だ。
【グルメ】★★★★★
ご多分にもれず、競馬場のグルメは素晴らしい。
今風のオシャレなグルメは少ないけど、昔ながらのB級グルメの宝庫だ。野球でいうなら神宮球場が一番近いかな?
馬券など買わなくても十分楽しめるのだ。
【満足度】★★★★★
正直なところ、まともに競馬を見たいならテレビで見るか、お金を出して席を確保した方が絶対に良い。
ただ群衆に紛れて熱狂の中に埋もれるというのもたまにはいいだろう。そういう経験ができる競馬場は、いや競馬場でなくても数少ない。
今後とも、有馬記念は日本競馬最大のお祭りであって欲しいな、と切に願う。
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