注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】
北海道総合体育センター(北海きたえーる)は、1999年竣工、北海道札幌市にあるレバンガ北海道のホームアリーナ。
レバンガ北海道の試合のほか、Fリーグのエスポラーダ北海道、新日本プロレス、バレーボールワールドカップの試合などが行われた実績がある。北海道を代表する大規模アリーナである。
愛称の「北海きたえーる」は、ネーミングライツを取得した「北海学園」のほか、北海道の「きた」、声援の「えーる」、心身を鍛えるの「きたえる」を合体して付けられた名前である。少々強引な気がしないでもない
きたえーるは「森と一体となった周辺環境にやさしいスポーツの殿堂」をコンセプトにしたアリーナである。
隣接する豊平公園は、北海道の森の中に迷い込んだかのような気持ちよさ。こんなシラカバの森なんてよそではなかなか見られませんて。
この日はたまたま、折茂氏の引退セレモニーと重なった。折茂氏はレバンガ北海道のレジェンド兼創設者であり、また日本バスケを支え続けた大功労者でもあるので、軽くご紹介させていただきたい。
折茂氏は1970年埼玉生まれ。中学でバスケをはじめ、埼玉栄高校、日本大学を経て1993年トヨタ自動車(現アルバルク東京)に入社。タイトル獲得にも大きく貢献した。
日本代表にもなり、1998年、2006年の世界選手権にも出場、国際大会でも活躍してきた。
ただ当時はプロバスケとは無縁で、バスケさえうまければあとは何もしなくていいと思っていたそうである。この辺が実業団のデメリットだ。
2007年、転機が訪れる。トヨタから新たに設立された「レラカムイ北海道」へ移籍したのだ。
そこで折茂氏はホーム開幕戦での勝利に貢献。その時の熱狂、歓迎ぶりに「バスケを長年やってきて、ホームでの勝利がこんなにいいものだと初めて知った」と、北海道に骨をうずめる覚悟を決める。
しかし2011年、レラカムイ運営会社が除名処分、さらに東日本大震災の影響で新規運営会社が撤退、存続の危機に瀕する。
ここで立ち上がったのが他でもない、折茂武彦である。自ら一般社団法人を立ち上げ、新チーム「レバンガ北海道」を立ち上げる。理事長に就任し、異例中の異例とも言える選手兼代表となった。
代表の仕事をこなす傍ら選手としても活躍を続け、日本人選手初の10000得点、オールスターでもギネス記録となる49歳249日でのMVPを獲得。まさに生けるレジェンドである。
そして2020年に選手を引退、今に至る。レバンガ北海道は折茂氏の、折茂氏による、北海道民のためのチームなのである。
【アクセス】
最寄まで★★★★★
最寄は札幌市営地下鉄東豊線豊平公園駅。札幌駅からすぐ着く。
新千歳空港から行く場合、札幌まで行って引き返すより新さっぽろ駅で乗り換えて東西線で東札幌駅から歩いたほうが早いかも。天気が良ければ。
最寄から★★★★★
豊平公園駅ときたえーるは直結。手前が駅の扉で、すぐ外に見えるのがきたえーる。
地下道でもつながっているので、雪の多い冬の北海道でも安心。うまくやれば、新千歳空港から一切外に出ずに観戦することも可能だ。
駅からきたえーるまではレバンガとエスポラーダに染まっている。街とチームが一体になっているのが分かり、テンションが上がる。
北海きたえーるの「北海」はすぐ近くにあるこの北海学園から来ている。
構内に何があるというわけではないが、ミスターどうでしょう鈴井貴之、北海道が生んだスーパースター大泉洋、そしてチームナックスの面々の出身大学である。
水曜どうでしょうファンの方はぜひ。
これらをまとめた北海道旅行記はこちら。札幌から出てませんが。
【観戦環境】★★★★★
3階席からの観戦となったが、確かにちょっと遠い感じはあるものの野球やサッカーと比べるとやっぱりとても見やすい。
このコンパクトさがBリーグの魅力だ。
意外と古いアリーナなのだが、とくに古さは感じない。とても快適。
ただ3階席だとちょっと暗くて手元が見づらいのはある。
両側はこんな感じ。Bリーグのアリーナでも現状ではかなり大きい部類に入る。ただこれでもBリーグの目標とする1万人には届いていないんだよな。
これは4面ビジョンっていうのかな?スコアやファウル数、タイムアウト数が一目でわかるのはありがたい。
その上にあるリボンビジョンも楽しく見入ってしまう。
入り口はこんな感じ。コロナ対策もバッチリ。
この日はなんと元ファイターズの稲葉氏からもお花が届いていた。ファイターズの稲葉、レバンガの折茂は北海道のスポーツ界を開拓し、ともに大記録を達成した英雄である。
【雰囲気】★★★★☆
チアリーダー、 光、音を使ったBリーグならではの演出はバツグンにかっこいい。また声が出せないながらもスタジアムDJなどがうまく会場を盛り上げていた。
ちょっと気になったのが、リプレイ検証時に流れる「探偵事務所」のCM。とてもキャッチーな曲で非常に耳に残るのだが、いかんせん探偵事務所なので内容が浮気調査だのなんだのっていう…。
一応家族で来ている人も多いんだし、スポンサーさんとはいえ内容は精査した方がいいのでは…?3回目くらいになると会場からも失笑が漏れていた。
まあ、名物っちゃ名物なのだが…。
【グルメ】★★★★☆
グルメには力が入っていて、北海道名物やきたえーるならではのグルメを堪能できる。北海道らしいグルメがまともにない札幌ドームと比べるとこちらの方がテンションは上がる。
一応貼っておきます。
こちらは折茂武彦プロデュースのスポーツバーが出しているオリモドッグ(チーズ)。ボリュームたっぷりでお腹にたまる。きたえーるに来たらぜひ押さえておきたい。
ちょっと偏っちゃったけど同じ店で買ったジンギスカンカレー。ご飯が固めに炊かれていてわりと私好みなのだが、オリモドッグに比べるとボリュームは控えめ。値段同じなのにな…。
端的に言うと、もっとジンギスカン食べたい。
こちらはザンギ。甘辛いタレに漬かっていて、ちょっと中華風でおいしい。
しかしザンギの定義を調べてみたけど、から揚げよりも醤油風味が強いのがザンギという説も…となるとこれはなんだろう…?
とはいえザンギの定義はかなりあいまいだし、ほとんどから揚げと同じ意味みたいだからいろいろ言うだけヤボってもんだ。ウマきゃええのよ。
ちなみに徒歩圏内にSAMURAIっていうスープカレーチェーンの本店がある。全国展開してるみたいなのでここで食べなくてもいいんだろうけど、やっぱり北海道に来たらスープカレー食べたいよね。
ジャガイモが甘すぎて衝撃的でした。
【街との一体感】★★★★☆
地下鉄内にはレバンガとコンサドーレのポスターが掲げられており、また大通り駅のエスカレーターにもレバンガのシールが貼られていた。
地道に北海道に根付いていき、気付けば観客動員はBリーグでも上位クラスだ。折茂代表の努力のたまものであり、執念の結晶でもある。
関係ないけどファイターズのポスターが地下鉄内にないのが気になる。まあ、札幌市とはケンカ別れしちゃったからな…。
新千歳空港でもグッズ売ってます。
【満足度】★★★★★
とにかくアリーナ内が快適で、見やすい、過ごしやすい。おまけに駅から近い。
また演出やグルメなどもかなりレベルが高く、非常に満足感は高い。札幌を訪れる際スキマ時間があればぜひオススメしたいアリーナだ。
そして折茂選手の背番号9も晴れて永久欠番となり、名実ともに北海道に名を刻むことになった。もう十分刻んでるけど…。
今後も折茂社長、そしてレバンガ北海道の挑戦は続いていく。
索引を作りました!
他のスタジアム・アリーナは↓からどうぞ