スタ辞苑〜全国スタジアム観戦記〜

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Jリーグの陸上競技場と球技専用スタジアムの数を数えてみた~2022ver.~【コラムその59】

Jリーグにおけるスタジアムには、大きく分けて陸上競技場球技専用スタジアムの2種類があります。

 

その名の通り陸上競技場は陸上トラックがついており陸上競技が可能で、球技専用スタジアムはピッチのみという違いがあります。

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陸上競技場である国立競技場。

 

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球技専用スタジアムであるカシマスタジアム。

 

一般的には球技専用スタジアムの方が見やすく評判がいいというのが通例で、Jリーグ全体として陸上競技場から球技専用スタジアムに移行する傾向にあります。

 

そこで今回は、2022年開幕時点での陸上競技場と球技専用スタジアムの数を地方別に数えてみることにしました。現状の把握、そして将来の展望などいろいろ考えていきたいと思います。

(一部どちらとも言いにくいスタジアムもありますが、とりあえず今回は陸上トラックの有無で判別することとしました)

 

↓スタジアム事情に大きな影響を及ぼす国体とスタジアムの関係について調べました。

sportskansen.hatenablog.jp

1.北海道・東北地方

球技専用スタジアム5 陸上競技場3(球技専用スタジアム率63%)

北海道・東北では球技専用スタジアム率が63%とやや専用スタジアムの方が優勢。ちなみに、北海道コンサドーレ札幌のホーム札幌ドームは専用スタジアムとしてカウントしております。

ファイターズは札幌ドームを離れることになりましたが、コンサドーレはとりあえず札幌ドームのままのようですね。

 

現在陸上競技場をホームとしている3クラブのうち、ブラウブリッツ秋田は新スタジアムとして専用スタジアムの建設を計画中で、実現性もなかなか高そうです。

モンテディオ山形は一応話は出たみたいですが、ちょっと今は無理そうかな…。福島ユナイテッドFCはひとまず今のスタジアムを改修する方向のようです。

 

2.関東地方

球技専用スタジアム7 陸上競技場8(球技専用スタジアム率47%)

関東では球技専用スタジアムへの移行はまだまだかなーという感じですね。とはいえカシマスタジアムや柏スタジアムなど特色あるスタジアムが多いのもまた事実です。

 

水戸ホーリーホックは2024年完成を目指して新スタジアムの話が進行中です。とはいえまだ具体的な話は見えてこないのですが、一応資金の調達先はあるそうなので期待したいところ。

FC東京東京ヴェルディは味の素スタジアムをホームとしていますが、23区内に新スタジアム建設を目指して競争が激化しているようです。

とはいえ東京にはもう土地もそれほどないでしょうし現実的に考えてどちらか一方が実現できればいい方でしょう。いっそのこと味の素スタジアムを球技専用スタジアムにしてはどうでしょうか。

 

FC町田ゼルビアは現状のスタジアムを改修してJ1ライセンスを獲得したので、しばらくは動くことはなさそう。アクセスはひどく悪いですが、立派なスタジアムになったのでその分の費用が回収できるまでは今のスタジアムで頑張ると思います。

横浜F・マリノスも現状日産スタジアムという日本最大のスタジアムを抱えており、ここからホームを移すことは現実的ではなさそう。

 

川崎フロンターレは、なんと現状の等々力陸上競技場を球技専用スタジアムに改修するということで話がまとまっています。

現状、少なくとも私が知る限りでは日本で陸上競技場を専用スタジアムにした例は聞いたことがありませんし、かなり画期的なことと言えるでしょう(海外ではそれなりにあるようです)。

今のJリーグでは新しく専用スタジアムを作るのがトレンドですが、フロンターレのおかげで新しい道筋が付けられたと言えます。これが成功すれば、全国で陸上競技場が球技専用スタジアムに生まれ変わる例がいくつか出てくるかもしれません。

 

SC相模原は球技専用スタジアムの建設を目指して署名活動中です。まだまだ道は長そう…。

湘南ベルマーレも新スタジアム構想はあるようですが、実現までは遠そうです。

 

一方、球技専用スタジアムから陸上競技場へと逆回帰の流れがあるのが栃木SC。現在のグリーンスタジアムではJ1規格を満たせないので、それならJ1ライセンスを満たせる陸上競技場であるカンセキスタジアムに移転してしまおうというわけです。

世間的な流れからは逆行していますが、栃木SCの問題なので外野がとやかく言うことではありません。もったいないな、とは思いますけどね。

 

3.中部地方

球技専用スタジアム6 陸上競技場6(球技専用スタジアム率50%)

中部地方はちょうど半分ずつです。静岡長野に球技専用スタジアムが集中しているようですね。

 

ヴァンフォーレ甲府は新スタジアム建設を目指して場所が決定するなど計画が進行中ではありますが、財政的にも厳しくまだまだ道半ばといったところ。収益が確保できれば進められそうです。

 

アルビレックス新潟はFIFAワールドカップのために建設されたビッグスワンスタジアムがあるので球技専用スタジアムは現実的ではなさそうです。とはいえ新潟の規模の大きさゆえもし話が持ち上がったら一気に進みそうではあります。

 

カターレ富山はまちなかスタジアムと題した計画があるようですが、まだ具体的ではありません。

そのお隣ツエーゲン金沢は金沢市民サッカー場建て替え計画があり、実現すれば本拠地の移転もありそうです。かなり実現性が高そうで期待できます。

さらにJ1昇格となればそれに合わせて増築計画があるようなので、頑張って結果を出したいところ。

 

アスルクラロ沼津は現在進行形で新スタジアム建設に向けて議論の真っ最中です。サッカー王国静岡において他の3クラブはサッカースタジアムを持っていますから、後れを取るわけにはいきません。

 

FC岐阜は今の長良川競技場を改修してJ1仕様としたのでしばらくはなさそう。というか、まずはJ2に戻らねば…。

 

4.関西地方

球技専用スタジアム4 陸上競技場0(球技専用スタジアム率100%)

関西は全国屈指のサッカースタジアム先進地域で、なんとすべてのクラブがサッカースタジアムを使用中。

ガンバ大阪のパナソニックスタジアムを皮切りに、京都サンガ、セレッソ大阪と相次いでサッカースタジアムが生まれました。

全国的にもいいモデルケースとなりそうですね。というかなってほしい。

 

5.中国地方

球技専用スタジアム1 陸上競技場3(球技専用スタジアム率25%)

中国地方ではまだまだ陸上競技場の方が優勢。ファジアーノ岡山レノファ山口は移転の話はしばらくなさそうです。

 

そんな中中国地方最大の都市広島のサンフレッチェ広島は長年新スタジアムが熱望されていましたが、この度やっと計画が決まり2024年の開場を目指して進行中です。

中国地方をリードするような立派なスタジアムを作ってほしいですね。

 

6.四国地方

球技専用スタジアム1 陸上競技場3(球技専用スタジアム率25%)

四国でも陸上競技場がまだまだ優勢です。ただ現時点で球技専用スタジアムを使っているFC今治は、里山プロジェクトと題し具体的な新スタジアム建設計画があります。

Jリーグの中でもかなり先進的な計画のようなので、なかなか面白そうです。

 

四国で唯一J1経験のある徳島ヴォルティスは、一度計画は持ち上がったようですがその後音沙汰なし。四国の中では一番可能性はありそうですが…。

カマタマーレ讃岐は新スタジアム、どころか練習場の確保で大変な状況のようです。そちらの方は一応めどは立ったようですが、スタジアムはまだまだ…。

愛媛FCも目立った動きはないようです。というかFC今治に先を越された感が…。

 

7.九州地方

球技専用スタジアム4 陸上競技場5(球技専用スタジアム率44%)

九州はそもそものクラブの数が多いため率は低いですが、各地に球技専用スタジアムがあります。

ギラヴァンツ北九州なんかは全国でも屈指の素晴らしいスタジアム(ミクニワールドスタジアム)を作り上げましたね。ちょっと成績がふるわないですが…

 

V・ファーレン長崎はジャパネットの後ろ盾もあってぐいぐい計画が進み、2024年の開業を目指しています。

Bリーグの長崎ヴェルカのアリーナも含めた総合複合施設で、日本で最も先進的なスタジアム計画の一つでしょう。

サッカーだけでなくバスケやラグビーも巻き込んで、多様な使い方ができる複合施設が今後求められていくと思います。サッカーだけだとどうしても稼働率が低くなってしまいますからね…。

 

ロアッソ熊本は、知事が自ら回答していました。

www.pref.kumamoto.jp

端的に言うと、「お金がかかるから無理」ということでした。

しかしやっぱり知事は言い回しがうまいな。ロアッソが頑張って結果出したら考えますよ、みたいな雰囲気ですね。

それにしても右下のくまモンがかわいい。

 

タイトル経験もある九州の名門大分トリニータは、現段階でワールドカップで使われた昭和電工ドームを使っているので移転はなさそうですかね。

 

鹿児島ユナイテッドFCは、新スタジアム建設へ向け調査を進行中。ここからどこまで新スタジアムのメリットを訴え具体性のある話に持っていけるかがカギとなりそうです。

 

最南端のFC琉球は具体的な話はありませんが、沖縄はBリーグの琉球ゴールデンキングスがBリーグでは日本最大となる沖縄アリーナを建設するなどスポーツ熱が非常に高い地域です。

もしFC琉球がビッグウェーブに乗ることができれば、県民の支持を得て一気に建設計画が持ち上がるのではないでしょうか。まずは県民に応援されるクラブに成長することですね。

 

まとめ

最後に、カテゴリ別にまとめてみました。

J1:球技専用スタジアム13 陸上競技場5(球技専用スタジアム率72%)

J2:球技専用スタジアム6 陸上競技場16(球技専用スタジアム率27%)

J3:球技専用スタジアム10 陸上競技場8(球技専用スタジアム率56%)

Jリーグ全体:球技専用スタジアム28 陸上競技場28(球技専用スタジアム率50%)

 

専用スタジアムへの移行が着々と進むお金持ちのJ1、そして小規模でも開催が可能なJ3の率が高く、間のJ2が一番低いというのは面白い現象です。

今後はお金持ちのJ1はどんどん球技専用スタジアムに移行し、J3に参戦するクラブは小さい球技専用スタジアムを作ってそれを拡大していくといった形が主流になってくると思うのですが、実は一番難しいのはJ2のように中途半端に大きいクラブなのかもしれません…。

ここが変わってくれば日本のスタジアム事情も激変していくような気がしますね。それまではJリーグを育てていかねば…。

 

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