注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】
神戸総合運動公園野球場(ほっともっとフィールド神戸)は、1988年開場、兵庫県神戸市にあるオリックスバファローズの準本拠地。
球場や球団の歴史は以前の記事をどうぞ。
オリックスバファローズ日本一記念の記事も書きました!
今回訪れたのは、以前食べそびれてしまったスタジアムグルメを楽しむこと、そしてコロナによってますます減ってしまった貴重な神戸開催試合を今のうちにもう一度観戦したいと思ったことが理由である。
開場当時は「日本最大級の球場」と言われ(実際グラウンド面積では日本最大だった)、
メジャーリーグを参考に日本で初めてスタジアムDJや選手のすぐそばで観戦できるフィールドシートを導入し、
さらにスタジアムグルメを充実させるなど日本における「ボールパーク」のはしりとなって常に日本の球場文化をけん引してきたほっともっとフィールド神戸。
そんな日本を代表するはずの名スタジアム、ほっともっとフィールド神戸の今を改めて見てきた。
【アクセス】
最寄まで★★★☆☆
最寄は神戸市営地下鉄西神・山手線の総合運動公園駅。神戸の中心地、三宮駅からは20分くらい。
神戸の山奥にある球場だ。
もうこの場所で試合を行う機会は年数試合に限られているが、それでも駅はバファローズに染まっている。
ボールパークであることを全面に押し出しているようだ。
今回の神戸・明石観光記はこちら。
最寄から★★★★★
駅を出るとすぐ右側がこの光景。
駅からの近さでいえば12球団でもトップクラスと言えるだろう。
【観戦環境】★★★★★
相変わらず素晴らしく見やすい球場だ。
角度も前の人の頭が邪魔にならず、かといって階段もきつすぎない絶妙な塩梅。日本のスタジアムはこの球場を参考にするべきではないだろうか。
カップホルダーもついている。
ブルペンも観客席から見ることができる。日本ではブルペンが見えない球場が多いが、この辺りもメジャーリーグの球場を意識したものだろう。
その隣には日本初のフィールドシート。今では当たり前の文化をこの球場が作り上げてきたことがよくわかる。
ビジョンも大きくて見やすくなっている。
球場外のコンコースは屋台などもあり広々としている。
一方球場内のコンコースは結構狭い。基本的には外のコンコースを歩く方がいいだろう。
バックネット裏にもちょっとしたスコアボードがある。この辺が何となくメジャーリーグの球場っぽいような気がする。
【雰囲気】★★★★★
プレイボール直後(18時ごろ)の球場。
少し暮れてきたころ。
もう少し暮れてきたころ。
真っ暗になった球場。
いつどこを切り取っても見栄えのする素晴らしい球場だ。
日本で初めてボールパークを標榜した球場であり、歴史のある落ち着いた雰囲気の球場となっている。
行ったことはないが、なんとなく同じくイチローのいたセーフコフィールドを思い浮かべる。なんか色合いが似ている気がする。
球場の後方には山が広がっている。おかげで空気がとてもキレイだ。
コロナ禍ではあるが、クラップを取り入れながらうまく球場の一体感を作り上げている。
また基本的に試合中は応援歌が流れないのだが、この球場においてはかえってメジャーリーグの球場を想起させる一つの「演出」のようにも思え、「野球の音」を存分に楽しむことができるようになっている。
この球場では応援がない事が良い方向に働いているようだ。
またこの球場においてはナイター試合で花火が打ちあがる。
この花火がちょっと打ち上げてみましたというレベルでなく、とにかく大迫力なのだ。
これはドームである京セラドームや周りに住宅街のある甲子園ではできないこの球場ならではの演出だ。大きな名物の一つである。
コンコース内には、2015年に行われた「がんばろう神戸」イベント時の寄せ書きが残されている。阪神淡路大震災の被災者の想いを背負って戦った1995年は、この球場が最も輝いた1年でもある。
…それだけに、この球場での開催試合数が減っているのが残念でならない。
また95年時の監督である仰木彬氏をたたえたレリーフも残されている。
病状が悪化する中合併直後の2005年にもバファローズの監督を務めたが、最期にバファローズへの激励の言葉を残し、この世を去っていった。
イチローの隣には、「NEXT LEGEND」と書かれている。
いやその前にここで試合をしないことにはレジェンドは生まれないよ…。
子供が遊べる遊具も置いてある。今では日本各地の球場で子供が遊べる仕掛けがあるが、当時は物珍しかっただろうと思う。
しかしやっぱりちゃんと手入れがされていないのか、座席の塗料が剥がれ落ちている?ような状態になっている。
かつて使っていただろう残骸が球場内の至る所に残されている。
トイレもだいぶ汚かったり、球場全体がだいぶ老朽化してしまっている印象である。こればっかりはオリックスか神戸市がお金を出さないと解決しない問題だろう。
【グルメ】★★★★☆
球場内には屋台と球場に常設しているお店がある。
しかし今ではこのグルメを楽しめるのも年に数回ほどしかないと思うと寂しい…。
たこ焼き4種盛り(ちょっと寄ってしまった…)。
やっぱり関西に来たらタコ焼きっしょ!4種類の味を一つで楽しむことができ、とてもオトク。
レフトスタンド後方で売っていた神戸のから揚げ専門店のから揚げ。
残念ながら揚げたてではなく、それなりのお味。
個人的に一番おいしいと思ったのは焼きそば専門店の焼きそば。
牛肉が甘辛く味付けてあって麺とグッドマッチ。神戸名物のぼっかけを意識したものだと思われる。
【街との一体感】★★★★☆
今なお三宮駅前の一等地にバファローズのグッズショップが残っている。
試合がない日でもちゃんと売れているのかな…?
三宮駅前の大通りには大量のバファローズの旗がたなびいており、「夢と希望の街、神戸」と書いてある。
ぜひとも夢と希望を絶やさないようにしていただきたいものだ。
またその大通りをまっすぐ行くと「1.17希望の灯り」がある。
2021年パリーグ優勝を飾ったオリックスバファローズは、オリンピックの関係で偶然にも神戸で日本シリーズを戦った。
しかし偶然などでなく、オリックスは神戸でともったプロ野球の灯りを絶やさないよう、次代につないでいく責務を背負った球団であることを忘れてはならない。
【満足度】★★★★★
改めて感じたが、ほっともっとフィールド神戸は本当に素晴らしい球場である。
雰囲気、見やすさ、市街地からちょっと遠いことを除けばどれをとっても日本一に挙げる人がいるのもうなずける球場だ。
それだけに開催試合数が減っている現状が悲しい。出来れば主催試合の半分、せめて月に1~2カードはこの球場で試合を開催して欲しいと切に願う。
とにもかくにも、この神戸の地でプロ野球の灯を絶やしてはならない。
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