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プロ野球・Jリーグ・Bリーグ歴代最強チームを紐解いてみる【コラムその77】

スポーツチームの最大の目標…それは、勝つことです。

もちろん、勝つことがすべてではありません。しかし、とりわけプロスポーツチームにおいては勝つことを放棄するわけにはいきません。

 

ということは、これまでのリーグの歴史で最もいい成績を残したチームこそ、すべてのチームが目標とすべきチームなのではないでしょうか。

 

そこで今回は、プロ野球、Jリーグ、Bリーグでシーズン歴代最高成績を収めたチームを調べてみました。目指せ歴代最強チーム!

プロ野球歴代最高勝率→.750(1951南海ホークス)

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プロ野球が二リーグ制になって最高勝率を記録したのは1951年南海ホークス、その記録はなんと72勝24敗8分、勝率.750です。

 

監督は、プロ野球史上最多勝監督として知られる鶴岡一人。最多勝と最高勝率の二つを保持する、プロ野球界きっての名将ですね。

そして驚きなのが、監督自ら4番バッターを務め、さらにMVPを獲得していたということです。今では選手兼任監督自体珍しいことですが、チームのバリバリの主力が監督を務めることはないでしょう。

プロ野球黎明期は今では考えられないこともいろいろあったようです…。

 

4月の時点で首位に立った南海はもちろんそのままパリーグの首位を独走、最終的に2位に18.5ゲーム差をつけて優勝しました。

チーム打率はリーグ1位の.276、盗塁数もリーグ1位の191個。江藤が24勝を挙げるなど二けた勝利が4人おり、チーム全体がまさにリーグトップだったと言えます。

 

しかし面白いのが、日本シリーズで巨人を相手に1勝4敗で敗退してしまったことです。これまでのプロ野球の歴史上もっとも強いはずのチームが、日本シリーズでは勝てなかったのです。

短期決戦の難しさというのを改めて感じます…(とはいえ相手の巨人も歴代3位の.731という勝率だったのですが…)。

 

とはいえ、これは70年以上も前の記録。現代からすればいろいろと事情も違ったでしょう。ということで、2000年以降に絞って最高勝率チームを調べてみました。

やっぱり一番勝率が高かったのは、2000年以降最多の日本一を誇るホークス?それとも2003年、2005年に強烈なインパクトを残したタイガース?

 

実は2000年以降で最も勝率が高かったのは、2012年の巨人なのです。この年の巨人は86勝43敗15分、勝率.667の成績を上げました。監督は原辰徳で、通算9年目のシーズン。

当初巨人は、低反発の統一球に苦しみ4月は2度の5連敗を喫するなど5位に終わりました。

ただ5月に入ると適応し、首位の中日に近づくと7月には首位に。そのまま逃げ切り最終的には2位と10.5ゲーム差をつけて優勝しました。

 

この年の打線には坂本、阿部、長野、村田など往年の巨人を代表する選手が並び、投手陣も内海、澤村、杉内、ホールトンが二けた勝利、中継ぎにはいわゆるスコット鉄太郎がいて盤石。

 

クライマックスシリーズでは中日にいきなり3連敗を喫し危うく敗退しかけますが、そこから巻き返し3連勝で日本シリーズ進出。

そのまま日本ハムを4勝2敗で破り日本一、さらにアジアシリーズも制しました。やっぱり巨人は強いんだなあ…。

ちなみに2000年以降では2005年のホークスが次いで勝率が高く、2009年の巨人2017年のホークスと続きます。やっぱりホークスも強いですね。

 

Jリーグ歴代最高勝率→.933(2021川崎フロンターレ)

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Jリーグでは基本的に勝ち点で順位をつけていますが、シーズンによっては試合数が異なるため単純な比較はできません。

そこで、プロ野球と同じように勝率で考えてみると、2021年の川崎フロンターレが28勝2敗8分、勝率.933と唯一の9割台を記録し圧倒的な強さであることが分かります。

 

もちろんこれはJリーグ歴代最多勝ち点であるのと同時に、4試合を残しての優勝は2020年のフロンターレと並んで最短記録です。

MVPに輝いたレアンドロダミアンや旗手、三笘や田中碧など、全くスキのない布陣で流れるような美しいサッカーを展開しました。見ているだけでも楽しいサッカーでしたね。

 

これに続くのが2001年、2002年のジュビロ磐田。ともに26勝3敗1分で勝率.897、1シーズンの試合数当たりの勝利数という意味ではフロンターレをも上回る成績です(ただし当時は延長戦があったので今とは事情が異なる)。

当時のジュビロのメンバーには中山雅史、名波、田中誠、高原、福西など日本代表クラスがずらっと並び、ネームバリューではフロンターレをも上回るのではないかと思えるほどです。

 

しかしこれまた面白いのが、2001年のジュビロはこれだけの成績を上げたのにもかかわらず、チャンピオンシップで鹿島アントラーズに敗れ年間王者にはなれなかったことです(2002年は前期後期ともにジュビロが1位のため優勝)。

あまりに強すぎるチームは短期決戦、一発勝負に勝ちきれない、という側面があるのかもしれません…。

 

実際、どちらのチームもJリーグカップと天皇杯と合わせたいわゆる三冠を達成することはできていません。

一方で三冠を達成した2000年の鹿島、そして2014年のガンバ大阪は、ともに2位と勝ち点差1という僅差で優勝しています。接戦でもまれた方がかえって勝負強くなったりするのでしょうか…?

 

Bリーグ歴代最高勝率→.875(2021‐22琉球ゴールデンキングス)

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Bリーグは開幕してまだ歴史が浅いですが、現在の歴代最高勝率は2021‐22シーズンの琉球ゴールデンキングスです。その成績はなんと49勝7敗、勝率.875!

 

ところが、これだけの成績を残した琉球ゴールデンキングスもファイナルで宇都宮ブレックスに敗れ、準優勝に終わっています。

それどころか、2016年のBリーグ開幕以来コロナで中止となった2019‐20シーズンを除き、現在までにシーズン成績1位のチームは優勝したことがありません

 

あまりにいい成績を残しすぎるとマークされてしまい最後は勝てなくなる…ということでしょうか?

どのスポーツにおいても、短期決戦を勝ち切るというのはそれだけ難しいことなんですね。

 

まとめ

以上、各リーグの歴代最強チームを調べてみました。

もちろんどのチームもネームバリューがすごい選手が多く、まさに最強チームだな、と感じるのですが、面白いことにどのスポーツに限らず短期決戦ではことごとく敗れ去っていることが分かってしまいました。

 

いい成績を残したチームは短期決戦では徹底的に研究されるでしょうし、シーズンで結果を残したことによるプレッシャーなど要因は様々に考えられます。

間違いなく言えるのは、最後まで勝ち切って優勝を決め切るということはそれだけ難しい、ということですね…。

 

ということなので、シーズンで結果を出したチームも油断することなく、下位チームも諦めることなく、最後まで戦いきることが必要ですね。

そしてそういう逆転が起きるからこそ、スポーツは面白い、というわけです。

 

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