オリックスバファローズが2022年シーズン日本一に輝きました!おめでとうございます!
オリックスは最終戦までもつれる球史に残る大激戦となった2022年のパリーグを制覇。
最終的には2位ソフトバンクと勝敗数に至るまで全くの五分という球史に残るシーズンでした。
日本シリーズでは去年敗れた因縁の相手、東京ヤクルトスワローズに引き分けを挟んで連敗するも、そこから持ち前の投手力を生かして接戦を勝利。
吉田のサヨナラホームランなどもあり勢いに乗ったオリックスは、見事4連勝フィニッシュで26年ぶりの悲願の日本一に輝きました。
今回はそんなオリックスバファローズの歴史を振り返ります。
1.悲劇から生まれたヒール球団
2004年6月13日、球界に激震が走りました。
神戸を本拠地とするオリックスブルーウェーブと、大阪を本拠地とする大阪近鉄バファローズの合併が発表されたのです。
この事件では、パリーグを廃止し1リーグ化を押し進めようとする経営陣と、それを阻止せんとする古田敦也会長率いる選手会の対立が浮き彫りになりました。
ファン側も渡辺恒雄オーナーの「たかが選手が」発言に端を発し、パリーグ6球団を中心に合併の中止、そしてパリーグの存続のため心を一つにしました。
7回に歌われたパリーグ連盟歌「白いボールのファンタジー」は今でも忘れることができない人は多いでしょう。
プロ野球史上初のストライキ決行に至るまで社会を巻き込んだ大問題となりましたが、結果的にはパリーグは存続され、新たに「東北楽天ゴールデンイーグルス」「オリックスバファローズ」の2球団が誕生することになりました。
しかしオリックスバファローズに関してはファンの声を無視した強引な合併であったこと、
そして選手分配ドラフトでオリックスが先に25人をプロテクトできるなど新規参入の楽天にはあまりに厳しい条件だったこともあり、当初はヒールのような扱いを受けていました。
オリックスと戦って楽天入団を決めた岩隈久志、磯部公一が、当時はえらくカッコよく見えたものです。
オリックスは近鉄、そしてブルーウェーブで優勝経験のある名将仰木彬を招へいしましたが、投打かみ合わず4位でフィニッシュ。
肺がんで苦しみながらオリックスバファローズの初代監督として戦った仰木氏は、2005年12月15日息を引き取りました。
イチローや清原との食事会を予定していた矢先の死去でした。
一方、無理やり合併することとなったファンも、あるものは引き続きオリックスを応援し、あるものは楽天を応援し、あるものはファンをやめるなど、その心の行き先を失っていました。
今でも京セラドームに「いてまえ魂」「青波魂」の横断幕があるのは、その頃の名残です。
球団の歴史やホームスタジアムについては下記の記事もご参照ください。
楽天の本拠地楽天生命パーク宮城はこちら。
2.2014の躍進と悪夢
その後も苦しいシーズンが続いたオリックス。
2008年には2位に入るもクライマックスシリーズを突破できずチャンスを逃すと、2013年には楽天に日本一を先に奪われてしまいます。
しかし2014年、ついに大きなチャンスが訪れます。糸井やT‐岡田といった強力打撃陣に加え、金子千尋や佐藤達也をはじめとする安定した投手陣を擁するオリックスは序盤から首位に立ちます。
それにぴったりついてきたのが常勝軍団ソフトバンク。
後半戦では抜きつ抜かれつの優勝争いとなり、とうとう10月2日のホークス最終戦、勝った方が優勝という大一番を迎えます。
オリックスはディクソン、ソフトバンクは大隣の先発で始まった優勝決定戦は緊迫の投手戦に。
1‐1のまま延長までもつれますが、最後は比嘉が松田にサヨナラタイムリーを浴び終戦。
10.2決戦とも呼ばれる激闘は、オリックスバファローズとしての初優勝の夢が潰える形で幕を閉じました。
3.最下位からの2連覇、そしてリベンジへ
2020年には最下位に転落するなど苦しみ続けたオリックス。
しかしその個の能力の高さから毎年「大穴」として優勝候補に挙げられるなど、戦力としては充実の兆しを見せていました。
迎えた2021年、下馬評としては芳しくなく5月は5位で終えたものの、交流戦で一気に躍進。そのまま首位に立つと、夏以降はロッテとのし烈な優勝争いを展開。
一時はロッテにマジック9が点灯するも粘り強い戦いを見せ、最終的に逆転での優勝を果たしました。
ヤクルトとともに前年最下位からの下克上での優勝は史上初の出来事です。
日本シリーズではそのライバルヤクルトに挑みますが、接戦をことごとくものにされ敗戦。悔し涙を飲みました。
リベンジに燃える2022年、パリーグはまたも大激戦に。
ソフトバンクにマジックがついたまま、9回2アウトから同点打やセーフティーバントが飛び出すなどギリギリの戦いを続け、優勝争いはまたも最終戦までもつれる展開に。
奇しくも2014年と同じ日付となった10月2日、迎えた最終戦はソフトバンクが負けオリックスが勝つという状況でのみ優勝できるというがけっぷちまで追い込まれます。
しかしここでオリックスは楽天に勝利、ソフトバンクはロッテに敗北。見事2014年のリベンジを果たしまたも逆転での優勝、2連覇を果たします。
日本シリーズでは前年敗れたヤクルトとの対戦。
神宮で先勝されまたも流れはヤクルトに傾くかと思われましたが、第4戦で1‐0で勝利すると持ち前の投手力を発揮。
以降ヤクルト打線をほぼ完ぺきに抑え、オリックスバファローズとしては初の日本一に輝きました。
天国の「誇り高きマジシャン」も、この日本一を喜んでいることでしょう。
4.まとめ
以上、オリックスバファローズの歩みをご紹介しました。
元々は悲劇の中で生まれ、ある意味ではヒールの役割を担っていたことは事実ですが、この17年の間に躍進の歴史あり、マスコットの人気も高まりで悪いイメージは払しょくされたと思います。
この日本一がオリックスバファローズという球団の新たな一歩となることでしょう。
今後も大阪と神戸の野球界をつなぐ架け橋として、強いオリックスを見せてほしいものです。
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