注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】
町田市立総合体育館は、1990年竣工、東京都町田市にあるASVペスカドーラ町田のホームアリーナ。
町田市の市政30周年を記念して、Jリーグの町田ゼルビアのホームとなっている陸上競技場や、プールとともに作られた体育館である。
バレーボールでは全国私立高等学校男女バレーボール選手権大会の会場となっているらしい。私立だけの大会とかあるんだ…。
↓ともに作られた町田市立陸上競技場。
そんな町田市立総合体育館をホームとするASVペスカドーラ町田は、1999年に誕生したフットサルクラブ。
当時はCASCAVEL TOKYO(カスカヴェウ・トウキョウ)という名前だったらしい。読めん…。
ASVペスカドーラという名前は、町田市の花であるサルビア、町田市の鳥であるカワセミなどのポルトガル語に由来するものとのこと。オシャンティーすぎる。
2007年にはその年発足したフットサルリーグ、Fリーグに参入し戦いを続けている。
これまで3度準優勝に輝いているが、14シーズンで13度の優勝を誇る絶対王者・名古屋オーシャンズには手が届いていない。というか名古屋が強すぎる…。
2016‐17シーズンには初めて名古屋を準決勝で破り、決勝で大阪vs町田のマッチメイクとなったが、残念ながら大阪に敗れFリーグ2チーム目の優勝とはならなかった。せっかく名古屋を倒したのに…。
果たしてFリーグ3チーム目の優勝を手にすることはできるか…?
Fリーグについての解説記事はこちら。
【アクセス】
最寄まで★★★★☆
最寄はJR成瀬駅。町田駅の隣で、アクセスは良好。
ちなみにここを通る横浜線は、赤字路線が多発していた国鉄時代から黒字を上げ続ける数少ない地味なドル箱路線である。へぇ~へぇ~
最寄から★★★★☆
成瀬駅からは徒歩10分弱。写真のように道中には案内が細かくされており、たどっていけば着けるようになっている。
町田市がいかにペスカドーラに力を入れているかが伝わってくる。
【観戦環境】★★★★☆
入り口から見た全景はこんな感じ。大きすぎず小さすぎず、Fリーグをやるにはちょうどいいくらいのサイズかな、と思う。
同じアリーナスポーツのBリーグだったらもうちょっと大きい方がいいかな。
右側のコート横に見えるのが選手が座るベンチ、左側1階がお客さんの座る席。
理由は不明だが、右側の2階席はお客さんに解放されていたのに対し、左側の2階席は客が入れないようになっていた。スポンサーさんとかが座る席ということだろうか。
いずれにせよ、片方側だけで足りてしまうというのはちょっと寂しさがある…。
若干前の人の頭が気にならないでもないが、基本的にはそれなりに見やすい。
フットサルはサッカーと違い選手までの距離が近く、ボールを蹴りだす音、キュッキュッと靴と床がすれる音、選手同士の掛け声などがダイレクトに聞こえる楽しさがある。
そして一瞬の間にボールが反対側に行って、チャンスやピンチの場面を迎える。それだけスピーディーに試合が展開していくのだ。
目を離すスキがないのがフットサルの面白さであり、忙しさでもある。
アリーナ横には食堂や売店、サブアリーナなど各種施設が集約されている。
市民の憩いの場としても活用されているようだ。
チケットを通ったところのコンコース。ちょっとした軽食を調達できたりブースなどが設けられている。
【雰囲気】★★★☆☆
アリーナの両側には写真のようにビジョンが設置されていて、試合を盛り上げるための演出映像が流される。
2枚もビジョンがあるのはなかなかに贅沢だ。
そして試合前にはチアのお姉さんたちが盛り上げ、試合中には「ペースカドーラ!(ドドンドドンドン)」と観客の拍手を煽る。
ゴール時にはどっと歓声が上がり盛り上がる。
しかしなぜだか、会場が一体となって盛り上がる、という雰囲気をあまり感じられなかった。
パッと見た感じでは、全体的にコアなファンがあまり多くないのかな、と思った。
チアやMCの人は会場を盛り上げようと頑張っているが、その熱と見ているファンとがうまくシナジーを起こしていないというか…。
観客はあくまで傍観者、という雰囲気をヒシヒシと感じてしまった。
原因はわからないが、Fリーグが始まって15年近く経っているので、コアファンが育つには十分すぎる期間があったはずだ。
一度コアファンがついたのにどこかのタイミングで離れてしまったのか、あるいはコアファンが育たなかったのか…。
いずれにせよ、どんどんお客さんを惹きつけていくような工夫は今後必要かもしれない。
Bリーグでよくやっているのは光や音の演出をして観客のテンションを上げたり、全員でグッズを使って一体感を煽ったりといった演出だが、そういった観客を盛り上げる工夫はペスカドーラ、そしてFリーグ全体でも必要なことかな、と思う。
そういう意味では、せっかく同じ町田に町田ゼルビアというJリーグクラブがあるのだから、うまくタッグを組んでゼルビアのサポーターを取り入れていくことも必要だろう。
せっかく町田を愛するコアなファンはゼルビアに集まっているのだから、冬のサッカーがない時期に暖かいアリーナでペスカドーラを応援してもらったらきっと盛り上がるはずだ。
しかも偶然、ゼルビアの親会社ともいえるサイバーエージェントはAbemaTVでFリーグの試合中継も行っている。この関係性を生かさないのは非常にもったいない。
ゼルビアと一緒になって、ぜひ町田を盛り上げていってほしい。
【グルメ】★★★☆☆
サイト上にはグルメ情報がなかったが、行ってみるとカフェのキッチンカーが出ていたりピザやパン屋さんがお店を出していた。
もったいないからサイト上でどんどんアピールしてもよいのでは。
今回は時間も微妙だったので、ペスカドーラの焼き印が押されたクリームパンをおやつとして購入。おいしかったです。
【街との一体感】★★★★★
いざ成瀬駅を降りてみると、ペスカドーラ町田の黄色い看板や横断幕が至る所で目に付く。それだけ町田市が強力に後押ししているということだ。
道中にはペスカドーラ町田の自販機もある。
更に町田の中心町田駅には、ずらっとペスカドーラ町田の横断幕が並んでびっくりした。奥には町田ゼルビアと並んでペスカドーラのエンブレムも見える。
町田の街中にあるGALLERY-2というスポーツショップはペスカドーラ町田のユニフォームスポンサーもしているようで、ペスカドーラ町田コーナーも設けられていた。
またアリーナ内にはペスカドーラ町田展示コーナーが設けられていたり、
時計までペスカドーラ町田に装飾されている。
全体的にFリーグのチームとしては破格の待遇を受けているように思った。
町田市が記念事業で作ったアリーナを有効活用してくれるんだから、ペスカドーラ町田にかかる期待はそれだけ大きいということだ。
その期待にぜひとも応えたい。
【満足度】★★★☆☆
町田市が強力バックアップ体制でPRは十分なので、あとはなんとか中身の方をどんどん盛り上げていきたい。
少なくとも試合内容は面白いしFリーグでも上位に入る強さがあるので、それを盛り上げていけばいいはずだ。
しかしコロナの影響もあってか残念ながら財政状況は厳しいようで、クラウドファンディングによる集金も行っている。
ただ、逆にとらえればここでファンになってもらうきっかけにもなると思うし、これを乗り越えてより面白いものを見せてほしい。
幸い町田にはゼルビアといういかにもペスカドーラと相性がよさそうなJリーグクラブもある。ぜひ協力体制を築いてほしい。
Fリーグ開始から15年。さすがにそろそろ本気を出す頃だろう。
使えるものは何でも使って、泥臭く一人ひとりコアなファンを増やしてほしい。それこそがこのアリーナを盛り上げる一番の近道だ。
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