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なぜドーピングをしてはいけないのか【コラムその152】

スポーツの目的とは何でしょうか?

人それぞれ違いますが、トップを目指すアスリートの目的はトレーニングによって心技体ともに高め、本番で最高のパフォーマンスを発揮することです。

 

であれば、ドーピングでも何でもして精神や肉体を最高の状態に仕上げれば、人類は未だかつてない高みに到達できるはずです。

これまでの記録は次々塗り替えられていき、本当の意味で肉体の限界を知ることが出来るはず。

 

ところが、スポーツにおいてドーピングは禁忌となっています。

バレたら大体即追放、永久にスポーツとは関われなくなってしまいます。

 

なぜドーピングは禁止されているのか?その理由を改めて考えてみたいと思います。

1.ドーピングのメカニズムとは?

そもそも、ドーピングはアスリートにどのような影響を及ぼすのでしょうか?

筆者は医者でも何でもないので詳しいところはわかりませんが、以下のようなサイトがあったのでそちらで勉強してみることにします。

logmi.jp

 

この記事においては、成長ホルモンとステロイドを同時に使用することで筋力を増大させることができること。

そして血液ドーピングと呼ばれる、赤血球を増やすことで持久力を大幅に増加させることができる方法について触れられています。

中身については結局よく分かりませんが、いずれにせよパフォーマンスを増大させられることは確かなようです。

 

一方でそのリスクについても述べられていて、場合によってはがんになったり、性交できなくなったりする可能性もあるとのことです。

昔のアスリートには奇妙に短命な選手もいますし、体の負担も尋常ではないことは間違いなさそうです。

 

2.ドーピングはなぜ禁止されているのか

それでは本題のドーピングが禁止されている理由について。

Googleで調べてみるといろいろ出てきますが、原則として以下の4つが挙げられています。

 

・スポーツの価値を損なうため
ドーピングは、競技の楽しみや厳しさを奪い、結果としてスポーツの価値を損なうことになる。


・フェアプレイの精神に反するため
ドーピングは経済的な理由などで使える人が限られるため公平かつ公正では無い。スポーツは統一したルールのもと、公平公正に競い合うことが前提である。


・健康を害するため
ドーピングは、使用者の心身に悪影響を与える副作用が確認されており、競技者等の安全や健康を守るためにもドーピングは禁止されている。


・反社会的行為であるため、社会や青少年に悪影響を及ぼすため
選手がドーピングに手を染めていれば、ドーピングをよしとする風潮が蔓延してしまう。

 

これらはどこのサイトにも載っているものですので、広く一般に認知されていると言ってよいでしょう。

なるほど、常識的に考えればこれらの理由は納得できるものです。

 

しかし、ここではあえてちょっと意地悪な見方をしてみましょう。

・スポーツの価値を損なうため

 →ドーピングでパフォーマンスを向上することによって、むしろスポーツをより魅力的に発展していくことができるのではないか?

 

・フェアプレイの精神に反するため

 →経済的な理由でドーピングを禁止するなら、費用の掛かる最新のトレーニングを行ったり、最新の道具を用いることも禁止すべきではないか?

 

・健康を害するため

 →競技によっては極めることでかえって健康に悪影響を及ぼす場合もある(生理が来ない、パンチドランカーになるなど)、それらも厳しく規制するべきではないか?

 

・反社会的行為であるため、社会や青少年に悪影響を及ぼすため

 →ドーピングによって犯罪率が増えるなどのデータはあるのか?客観的な判断ができない以上ただの主観ではないのか?

 

などなど、詭弁ではありますが反論しようと思えばいくらでもできそうです。

結局ドーピングを禁止する理由というのはどれも極めてあいまいで、これといったはっきりしたものがありません。

 

大麻が合法である国、非合法である国に別れているように、ドーピングに関しても立場によっていくらでも見方が変えられるのではないでしょうか。

 

実際のところ、日本でも相撲やボクシングなどはアンチドーピング機構に加盟しておらず、内情は不明となっています。

それらの競技でドーピングが蔓延していても、止める術がないわけです。

 

現状では、「世界的に何となく禁止しているから禁止する」のがドーピングを禁止するもっとも現実的な理由になっています。

 

3.ツールドフランスが示す腐敗したスポーツ界の行く末

突然ですが、ここでツールドフランスの事例を見てみましょう。

自転車競技はドーピングがまん延した、荒廃したスポーツ界の行く末を示しています。

 

ツールドフランスと言えば1903年に始まった世界三大自転車レースの一つで、FIFAワールドカップやオリンピックと並び称されることもある伝統の大会です。

 

そんなツールドフランスですが、1990年代から選手のドーピング疑惑が持ち上がりはじめます。

その中でもっともセンセーショナルだったのが、前人未到の七連覇を達成した絶対的王者ランス・アームストロングのドーピング発覚です。

これによって彼の栄冠はすべて剥奪され、自転車競技から永久追放されるという大事件に至りました。

 

もちろんこれは非常にショッキングなニュースでしたが、一方でドーピングが発覚したのはアームストロングだけではありませんでした。

この頃には次から次へとドーピングが発覚し、一説には9割がドーピングしていたと言われるほど。

ファンには「ツールドドーピング」と揶揄されるほど、ツールドフランスはドーピングにまみれてしまいました。

 

自転車競技でドーピングがまん延してしまった理由としては、持久力をのばすドーピングが競技の性質上非常に効果的だったこと、そしてその手法が検査に引っかかりにくかったことが挙げられます。

 

このように腐敗してしまったツールドフランスですが、一度でもこのような状況になってしまうと

「今一生懸命ペダルをこいでいるこの選手たちもドーピングしているのかな…」

と嫌でも頭にちらつきますし、競技そのものの魅力を揺るがす大問題であることは容易に想像がつきます。

 

結局感情論でしか語れないところはありますが、実際の状況を目の当たりにするとドーピングを禁止する理由もわかりやすくなります。

ドーピング、ダメ。絶対。

 

4.まとめ

以上、ドーピングはなぜ禁止されているのかを考えてきました。

 

正直なところ、万人が納得できる理由を挙げるのは少し難しいところがあります。

だからこそ、どのソースを調べてもイマイチはっきりとした理由が出てこないのでしょう。

 

ただツールドフランスの事例を見れば、ドーピングまみれになったスポーツ界がどうなってしまうかが見えてきます。

やっぱり、禁止されている行為にはそれなりの理由があるということです。たとえ言語化できない理由であっても…。

 

ルールを守って楽しくスポーツをしましょう。

 

 

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