注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】
岐阜メモリアルセンター長良川競技場は、1991年開場、岐阜県岐阜市にあるFC岐阜のホームスタジアム。
こちらも例にもれず国体スタジアムではあるが、1991年に開場して2009年に改修、国体が実際に行われたのは2012年のこと。
つまり国体で使われたが、国体のために作られたわけではない、という点でなかなか稀有なスタジアムだ。
そんな長良川競技場をホームとするのが、2001年に誕生したFC岐阜である。
こちらは国体に向けて岐阜のサッカーを強化するために生まれたという、これまた珍しい経緯を持つ。
J2リーグに参入したのは2008年のこと。
ただし同時に債務超過問題も噴出し、成績も15チーム中13位に終わる。
以降2009年の12位が最高位で、あとは20位付近をうろうろするシーズンが続く。
2012年から始まったJFL、J3への降格はなぜかギリギリ回避していたが(それでもほとんどブービー)、2019年にとうとう力尽き最下位でJ3に降格。
J3では安定して中位くらいにはつけているが、優勝争いに絡むところまでは行けていない。
そろそろ一つくらい成功体験が欲しいところだが…。
【アクセス】
最寄まで★★★★☆
最寄りはJR岐阜駅、
または名鉄岐阜駅。両駅は徒歩で数分の距離。
駅のある岐阜市は岐阜県の県庁所在地であり、名古屋から20分という抜群のアクセスを誇る。
人口は東海地方で名古屋、浜松、静岡、豊田に次ぐ5番目。
ただしいろいろあって東海道新幹線は通っていない。一応岐阜羽島駅はあるが、岐阜駅へは名古屋から行く方がよっぽど早く…。
ちなみに運賃、時間の両面で名鉄よりJRの方が優る。特に事情がなければJR一択だ。
最寄から★★☆☆☆
岐阜駅からはバスで25分ほど。遠いね…。
JR岐阜駅の11番乗り場から市内ループ線(左右どちら周りでも可)に乗り、岐阜メモリアルセンター北で下車する。
岐阜バスの路線はかなり複雑だが、この方法が一番間違いないだろう。
岐阜バスはayucaと呼ばれる専用のICカードか現金しか使えないので、案内所で一日乗車券を購入するのがオススメ。岐阜登城きっぷを買えばついでに観光もできる。
しかし券が妙にデカいのでいろいろと不便。ポケットに入るくらいのサイズにしてもろて…。
正門はマラソンゲートとなっている。
岐阜はQちゃんこと高橋尚子さんの出身地で、高校時代には長良川の河川敷で練習していた。
かつて全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝)は、ここ岐阜で開催されていた。
しかし2011年から場所を宮城に移されてしまったため、優勝記念プレートは途切れてしまった。悲しいねえ…😭
スタジアム前にはゴールテープを切る高橋尚子像が設置されている。
クイーンズ駅伝が行われなくなった今となってはなんだか切ない…。
スロープを上がっていくと競技場へ。スポンサーののぼりが立ち並んでいる。
【観戦環境】★★★☆☆
試合は見えにくいというほどではないが、陸上競技場だけあってトラックの分ピッチからの距離はそれなりに感じる。
また反対側のバックスタンドには屋根があるが、ほぼ後ろの通路部分しか守れていないようだ。果たして意味はあるのか…?
引きで見たところ。なんだかピッチが浮いているような感じがする。
座席は一応セパレートタイプだが、背もたれがある席とない席とで区別されている。
メインスタンド側の屋根はそれなりに大きい。それでも前の方の席は雨風日差しをしのげないかも…。
天気が心配なときは後ろの方一択。
ホームFC岐阜側のゴール裏スタンド。
アウェイ側のゴール裏スタンド。
違いはビジョンの有無くらいか。ホーム側の方にビジョンがあるのはちと珍しい(見えにくいから)。
そして前方にベンチシートがあり、後方が芝生になっているのも地味に珍しい。大抵は逆だ。
ゴール裏へ向かう通路。
基本的にはどこもメインスタンドから入って方々へ向かう仕組みらしい。
スタジアム後方に見えるのは岐阜のシンボル岐阜城。
織田信長が本拠地としていたことで知られ、「岐阜」という地名もいくつかの候補の中から信長が選んだと言われている。
本能寺の変で夢破れた今も、金華山の山頂から天下統一を目指すFC岐阜の戦いを見守っている。
照明塔は少し錆びてる感じ。海は無くてもさすがに鉄は錆びるらしい。
岐阜メモリアルセンターは競技場の他、プロ野球や高校野球が行われる長良川球場や長良川国際会議場がある。
しかしなんでこんな葬儀場みたいな名前に…
人を休ませる気のないベンチを発見。何のためにあるんだ…。
周りを会議場や住宅に囲まれているため、メインスタンド以外の外周は結構狭い。
そのためスタジアムの回遊性は若干悪い。
【雰囲気】★★★★☆
試合前にはクラブの歴史を刻んだ横断幕を出して士気を高める。
しかしこれまで昇格した経験がないというのはちと寂しいな…。
客入りはJ3としては上位に入るほど。
…あれ、なんかハーフタイムの方がゴール裏のお客さん多くない?
試合中にお客さんが増えるなんてことあるんだなあ…。
J3で上位の客入りとはいえ、やはりピッチとゴール裏、そしてスタンドまでが遠いのはマイナスポイント。
スタジアムの一体感を生み出すのは至難の業。
やはり欲を言えば専用スタジアムが欲しいところではある。
とはいえ、今のFC岐阜の状態では厳しいだろうな…。現状長良川競技場でサイズ的にもちょうどいいし。
↓専用スタジアムを作る難しさはこちらを参照。
ピッチレベルにサポーターが集まって選手待ちをするのは初めて見た。
選手との距離が近いJ3ならではという感じもする。
試合が終わるころにはスタジアム周辺はさっさと撤収されていた。
この22時間後には名古屋グランパスの試合を控えていたためだ。
【グルメ】★★★★★
Jリーグ屈指とも謳われるスタグルはまだまだ健在。
チームがJリーグに参入してきたころからずっと力を入れているとのこと。
まずは飛騨牛のわさビーフ丼。
懸念していたわさびはそれほど辛くなく、いい感じに牛の深みを引き出してくれる。うまい!
味付けはどて煮風味になっているのでついでに名古屋感も味わえる。
長良川名物鮎を使った鮎めし、それにお出汁をかけてお茶漬け風に。
長良川では1300年前より鵜飼と呼ばれる漁法が伝わっていて、日本で唯一皇室御用達のお墨付きがついている。
鵜飼で獲れた鮎は皇室に献上されるのでさすがにこれは別物だと思うが、そういった雰囲気も含めて楽しめる逸品。
こちらは飛騨牛すじカレーうどん。ゴロゴロと牛すじが入っていて、カレーもコクがあり質、量ともに抜群の一品。
個人的にイチオシ。マツコも絶賛…らしい。
飛騨牛の牛串。やっぱり肉を食らうにはこれが最適解だ。
ちょうどいい塩梅の味付けも肉汁もたまらん。ここに来たらとりあえず食べるべき。
5本くらい買って食らいつきてえ。
ウインナーも購入。わざわざ手作りしてるという魂の一本。
このスタジアムのグルメは隅から隅まで全部質が高い。
ひだコロッケも購入。100円プラスで飛騨牛マシのプレミアムバージョンに。
そんじょそこらのなんちゃって牛肉コロッケと違い、ガッツリ肉が入っている。FC岐阜定番中の定番グルメ。
岐阜グランドホテルのあんぱんも購入。1日200個限定のはずのあんぱんがなぜかこんなところで売っている。
このお店はカレーが有名だが、パンなどのスイーツも有名でバラエティーが非常に充実している。
全種類一つずつ買いたい。
最後は中部地方名物五平餅。長野や愛知、そして岐阜の中部地方どこでも売っている。
今まで各地で食べた五平餅の中でも、これはトップレベルだ。焦げた醤油がたまらなく、食べれば食べるほど食欲が増す。
Jリーグのスタグルは今やどこも充実していてFC岐阜のスタグルは相対的に埋もれている感はあるものの、この「飛騨牛全振りスタイル」の支配的なプレスは未だ破壊力バツグン。
サッカーもこれくらい攻撃的にいこう。
岐阜に攻め入った旅の記録はこちら。
【街との一体感】★★★★☆
岐阜の繁華街柳ケ瀬にはこじんまりとFC岐阜神社がある。
この周辺にも岐阜には有名な神社がいくつもある。
高島屋の近くにFC岐阜自販機を発見。
高島屋ではちょっとしたグッズ販売も行っている。
ただ、この高島屋は2024年をもって閉店とのこと。特に百貨店事業なんかは全部名古屋に吸われてるんだろうねえ…。
地方は寂しい。
岐阜駅前にはほかの幕に交じってFC岐阜の幕も垂れている。
それだけ岐阜が推したいものが多いんだからいいことだ。
ふらっと寄った長良川うかいミュージアムにものぼりが。
岐阜城のある金華山のふもと、岐阜公園にものぼりがある。
バス車内でもFC岐阜情報を垂れ流し。
岐阜市役所の展望台には選手パネルが設置してあった。
…と、公共施設や観光地など目につくところにはFC岐阜の緑が目立つものの、街になじんでいるとまでは言えないかも。
何か目に見える結果が出てくると街全体が盛り上がるんだけどねえ…。
【満足度】★★★★☆
FC岐阜の誇るスタグルの突破力は今なお最強クラスで、心をわしづかみにされた。
こりゃアウェイサポーターも飛騨牛のとりこになるわけだわ。
一方、それ以外の部分についてはまだまだこれからの部分も大きい。
特にサッカーの結果については、あまりうかうかしているとJ3からの降格もちらついてしまう。
ここらで一息ムチを入れてまずはJ2復帰をつかみたい。岐阜の街が盛り上がれば、あとの問題は勝手に解決するだろう。
織田信長がなしえなかった天下統一の夢を、ぜひFC岐阜が果たしてほしい。
目指せ天下布武!
索引を作りました!
他のスタジアム・アリーナは↓からどうぞ