注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】
三重県営鈴鹿スポーツガーデンサッカー・ラグビー場(三重交通G スポーツの杜 鈴鹿サッカー・ラグビー場)は、1992年開業、三重県鈴鹿市にある三重ホンダヒートの本拠地。
スポーツガーデンというだけあって他にもプール、テニスコート、体育館を備えている。
その中でサッカー・ラグビー場は計5面あるほど充実しているが、試合が行われるのはメイングラウンド。
現在はラグビーリーグワンの三重ホンダヒートの他、なでしこリーグの伊賀FCくノ一三重、JFLの鈴鹿ポイントゲッターズが使用している。変な名前が多いなあ
かつては同じくJFLのヴィアティン三重の他、Jリーグの名古屋グランパスが試合を行ったこともある(Jリーグ開幕年のみ)。
このように各方面で活用されている一方、ラグビーリーグワン、そしてJリーグの規定を満たしていないことから、三重ホンダヒートと鈴鹿ポイントゲッターズが合同でスタジアム改修に向けた動きを進めている。
とはいえ、鈴鹿ポイントゲッターズの方がいろいろとそれどころじゃない状況に陥っているなど、今後は不透明。
なんとか足並みをそろえていきたいところだが…。
【アクセス】
最寄まで★★★☆☆
最寄は近鉄名古屋線白子駅。しらこではなく「しろこ」。
鈴鹿市で最も利用客が多い駅だが、鈴鹿市役所が近くに無いため鈴鹿駅の名は譲る形となっている。
基本的には近鉄名古屋線の全列車が停車するので、近鉄名古屋駅で来た電車にとりあえず飛び乗っておけば到着することができる。
とはいえやっぱり時間はそこそこかかる。
鈴鹿市最大、と言っても駅前はシャッター商店街である。
地方都市の悲しい現実…。
ただし、年に一度F1の時期だけは街を挙げてのお祭りとなる。
そんな鈴鹿を散歩した旅の記録はこちら。
最寄から★☆☆☆☆
白子駅からはバスで25~30分ほど。2番乗り場から数本臨時の直通バスが運行される。
車社会の鈴鹿においては渋滞に巻き込まれやすいため、より時間がかかる可能性がある。
余裕を持ったスケジュールを。
なお臨時バスがない場合は小さいコミュニティバスに乗ることになるが、多くの停留所に止まるためより遅くなる。
なにせスタジアムが山奥にある施設なので、とにかく行くのが大変なのだ…。
そんなわけで周辺に駐車場も充実しているので、場合によっては車の利用を視野に入れてもいいだろう。
【観戦環境】★★★★☆
このスタジアムのウリはなんといってもその臨場感。やはり陸上トラックがないというのはそれだけで大きなアドバンテージ。
周りを山々に囲まれた雰囲気も旅情を掻き立てる。地元民にとっては旅情はいらないかもしれないが…。
ただし手前側のメインスタンド以外はご覧の通りすべて芝生席だ。
ピクニック用のシートを持ってこないと大変なことになる。
ラグビーの迫力、スピード、テクニックを思う存分味わうことができる。
やっぱり餅は餅屋、ラグビーはラグビー場だね。
メインスタンドはほぼベンチシートだけ、屋根も恩恵を受けられるのは中央の一部だけ。
鈴鹿おろしも吹き付けるし、観戦環境としては結構過酷である。
それでもこのスタジアムの中ではだいぶマシな部類だが…。
メインスタンドから見て右側。ゴールラインからサイドスタンドまで妙に距離があり、ここで見るメリットはあまりないだろう。
ちなみにこの奥に白子駅行きの臨時バス発着場がある。
こちらには簡易的なスコアボードがある。
45分計もついていてもちろんサッカーも可能。
メインスタンドから見て左側。こちらの方がより緑が濃い。
こちらもゴールとの距離が離れている。
こちらにはトラックで運んできたらしい仮設の大きなビジョンがある。どうやって持ってきてるんだろう…?
さすがに世界に名だたる大企業ホンダがやる気を出すと使えるお金が増えて、一気にスタジアムも華やかになる。
コンコースは地方のスタジアムによくある感じ。トイレも公衆便所に毛が生えたくらいだ。
とにかくストイックにスポーツを見るためのスタジアムである。
【雰囲気】★★★★☆
相手チーム入場ではマスコットやチア、ファンやチーム関係者?が出迎える。
試合演出には全体的にモータースポーツっぽさが取り入れられており、F1カーが走り去る「ファアアアアアアン」という音が流れたり、チェッカーフラッグが振られたりする。
そしてホンダヒート入場時には煙が吹き上がり、見えにくいが向こう側には火も吹き上がる。ヒートだからね。
さすがホンダはお金持ち。
一方でファンの方も、自発的に「ヒートホンダ!(ダダンダダンダン)」の掛け声が上がるなどチーム愛は強い様子。
おそらくここら辺に住んでいるような人はホンダ関連の仕事をしている人が多いのだろう。
ヒートだからというより、ホンダだから応援しているという印象が強い。
鈴鹿市とホンダがほとんど一体化していると考えたら、ある意味最強の地域密着チームでと言えよう。
(ちなみに鈴鹿市の方から「本田市」への改名を打診した、という話があるほどである)
試合終了後には選手とのハイタッチができる。
このあたりの選手とファンの距離の近さは実業団系のチームならではだ。
【グルメ】★★★★★
スタジアム前の広場では数多くの出店が行われた。
グルメもグッズもイベントも大集結。
まずは見た目からして惹きつけられるメンチカツ。どうやって作っているんだ…?
見た目全振りかと思いきや衣もサクサク肉もしっかりしていて、味もちゃんとしている。
見た目はシンプルな伊賀豚のフランク。
肉汁たっぷりで、これまで食べたフランクの中でもかなり上位に入るおいしさ。
三重は牛だけでなく豚もうまいのか…。
鉄板で焼いていた四日市焼きそばがおいしそうだったので購入。
普通の焼きそばとの違いは…よく分からない。イカが数本入っているくらいか?
四日市焼きそばで調べても情報は出てこなかった。
でもソースのコクがあって味はいいしボリュームも十分。
何より、400円というコスパの良さが光る。今どき焼きそば600円くらいでも安いと思っちゃうからねえ…。
このスタジアムの横綱がこちらのちゃんこ。
事前のグルメ情報には出ていなかったが、明らかにラグビーをやっていたようなゴツイおじさんが作っていて興味をひかれた。
具材がとても豊富なのだが、三重の名物でもある牡蠣やムール貝、挙句の果てに松阪牛まで入っている。
しかもこの大ボリュームでたったの500円!三重県の物価は一体どうなっているんだ!?
しかも700円でさらに大盛にもできるらしい。もうどんぶりで出てきちゃうんじゃないか…?
冬のラグビーで冷えた体に三重の魅力が詰まったちゃんこが染みわたる一日であった。
ちなみに、このほかにもマグロの解体ショーをやっていてマグロのふるまいまであったようだ。
三重県民の食生活は一体どうなっているんだ…。
【街との一体感】★★★★☆
白子駅とスタジアムを結ぶ臨時バスは、三重ホンダヒートのラッピングが施されている。
ホンダからしたらこれくらいはお茶の子さいさいだろう。
白子駅前も三重ホンダヒート一色になっている。
「鈴鹿市は三重ホンダヒートを応援しています」というが、鈴鹿市はホンダがやることならなんでも応援してくれそうだ。
チーム名三重でなく鈴鹿ホンダヒートでもいけそう。
【満足度】★★★★☆
駅からが遠すぎる、スタジアムが貧弱、といったマイナス要素も大きいが、ホンダと鈴鹿市の一体ぶりを肌で感じられる体験は大変貴重で面白かった。
そして何よりメシがうまい。
ちょろっとホンダと鈴鹿市が本気さえ出せばスタジアムの改修なんぞ簡単にできそうなのだが、さすがにお客さんがもっと増えないと難しいだろう。
このスタジアムの改修可否が日本のラグビー人気をはかるいいバロメーターになりそうだ。
索引を作りました!
他のスタジアム・アリーナは↓からどうぞ