注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】

南長野運動公園総合球技場(長野Uスタジアム)は、2002年開場、長野県長野市にあるAC長野パルセイロのホームスタジアム。
1998年に行われた、長野オリンピック。
その主会場として作られた長野オリンピックスタジアムを中心に、南長野運動公園が整備された。
長野Uスタジアムは南長野運動公園の一施設として、2002年に作られたものである。
元々は6000人規模の球技場であったが、2015年AC長野パルセイロのJ1参入を目標として15000人規模へと大改修が行われた。
新スタンドは古代オリンピックが行われたコロシアムをイメージしたUの字になっており、公募によって「長野Uスタジアム」という名称が付けられた(命名権の応募がなかったという悲しい事情もあり…)。
そんな本スタジアムをホームとするAC長野パルセイロは、1990年に創設された長野エルザサッカークラブを前身とするクラブ。
ACはAthletic Clubの略、パルセイロはポルトガル語で「パートナー」を意味する。
2013年にはJFL優勝を果たしたが、この時点ではスタジアム改修ができていなかった。
そのためJ2ライセンス申請を見送り、J2・JFL入れ替え戦への出場がかなわなかった。ここが運命の分かれ道だったかも…。
2014年にはJ3リーグが開幕したが、パルセイロは初代12クラブの一つとして参入することになった。
J3リーグ初年度は優勝の本命ではあったものの、ツエーゲン金沢に及ばず2位。
J2・J3入れ替え戦ではカマタマーレ讃岐と対戦したが、1分1敗の成績で昇格ならず。
2回の昇格チャンスを逃したパルセイロは、その後じりじりと成績を落としてしまい、スタジアムの改修が終わった今もJ1どころかJ2にも昇格できないままとなっている。
幸か不幸か北信越リーグ時代からの永遠のライバル松本山雅FCがJ1からJ3まで転がり落ちてきたことで、Jリーグでの信州ダービーが実現している。
松本山雅を煽り倒して楽しそうだが、どっちもこんなところにいないで早くJ2やJ1での信州ダービーが見たいもんである。
松本とは電車で1時間、一山超えた先にいる永遠のライバル。
【アクセス】
最寄まで★★☆☆☆

最寄はJR・しなの鉄道の篠ノ井駅。
長野駅からは12分ほどだが、本数は1時間に1~2本ほどしかない典型的な田舎駅。
特に帰りは1本乗り過ごすとかなり大変なことになるので、事前に時間をしっかり調べておきたい。
篠ノ井駅自体特に時間をつぶすようなところも無いので…。
最寄から★★☆☆☆

篠ノ井駅からはシャトルバスで10分ほど。
随時発車するので特に時間を合わせる必要はない。
料金は現金のみで片道300円。ファンクラブに入っていると無料になるようだ。
個人的には長野駅から直通のバスも出してほしいのだが、何かいろいろ制約もあるのだろうか…。

到着場所はスタジアムの目の前。とても便利。

帰りも同じ場所から。
バスは随時発車とはいえ、電車に乗り遅れないよう早め早めの行動を。

ちなみにバスは横浜市営バスのおさがりだった。
割と全国各地で使われているらしい。
【観戦環境】★★★★★

専用スタジアムだけあって見やすさはバツグン。
どの席に座っても全く問題なく観戦できる。

臨場感も素晴らしい。選手の声掛けも聞こえるほどの近さ。

ちなみに1階席は2階席よりはみ出している。前の方だと雨に濡れるかも。

スタジアム全景。特徴的なUの字が見るものを惹きつける。
後方に見える山並みもまた長野らしい光景。

座席は個別に分かれておりピカピカでとてもキレイ。屋根も十分な大きさで快適な環境だ。

こちらがバックスタンド。大きなNAGANOの文字が良く目立つ。

一カ所だけ冷遇されているのはアウェイ側スタンド。
とはいえ一応屋根もついているようだし、Jリーグによくある野ざらしの芝生スタンドよりはよっぽどマシ。

ビジョンは色鮮やかで見やすい。

こちらがホーム側のスタンド。その差は歴然。
ここからAC長野パルセイロサポーターの熱気が生み出されていく。

このスタンドの上に簡易的なスコアボードがある。
地味にLEDが使われていて、必要最低限ながらかなり見やすい。

1階席からの眺め。
後ろの方だと若干屋根の圧迫感があるが、選手との距離の近さは間違いない。

ここから選手が入場していく。
スタジアムが満員で埋まったらこの景色を見てより気合も入ることだろう。

スポンサーがホクトだけあって、ボールを置く台がキノコだった。
ホクトは正真正銘長野の企業であり、信州ブレイブウォリアーズのスポンサーも務めている。
応援してくれるホクトのためにも、なんとか昇格をつかみたい。

メインスタンドを見たところ。
中央がVIP等のスペースとなっているところにバックスタンドとの違いがある。

より近くからゴール裏スタンドを眺める。
斜めの部分にはスペースがあるようだが、ここはなにか活用されているのだろうか?
構造的に似ているサンガスタジアムやパナソニックスタジアムは座席が配置されているが…。

1階のコンコースを歩く。グラウンドがチラ見えする感じがエモくて良い。

VIPエリアがある関係で若干回遊性が悪い。
せめて一人分でも通れる通路があるといいんだけど…。

こちらがVIPエリア。ここに有名人が来たら騒ぎになるだろう。
その前の席は指定席になっているので、ここの席を取ればVIPとほぼ同じ角度で試合を見ることができる。

こちらがゴール裏のコンコース。
選手の顔が貼られていたり大旗があったりして気合は十分。

一方、2階のコンコースはシンプルな感じ。
トイレが1階にしかないのが若干不便。

外にはバスやタクシーの待機所、駐車場があり、その奥には山並みが広がる。

アウェイ側には2階席が無いので、その手前で階段を降りることになる。

ここから奥に行くとアウェイ側に行くことができる。
構造的には分離しておらずぐるっと一周できるようだ。

外にも通路があり、Uの字にスタジアム周りを歩くことができる。
ここはチケットが無くても来ることが可能。

スタジアムを外から見ると、かなりコンパクトなつくりになっていることが分かる。
だからこそあの臨場感が出せるのだろう。

なお、外には何にもない。山と畑が広がるばかりだ。

チケット売り場はスタジアムのすぐ下。
その周辺は幕やらなんやらでオレンジ一色だ。

他にも選手の幕や、

地元の応援メッセージがある。
よそ者からするとピンとこないが、きっと東福寺地区と言えば地元の人はこの辺のことだと分かるのだろう。

スタジアムの入り口にも大きなメッセージボードが掲げられている。

信濃グランセローズと並んで応援自販機も設置されている。

またスタジアム周辺は南長野運動公園となっており、市民の憩いの場でもある。

その奥には長野オリンピックの開会式・閉会式会場となった長野オリンピックスタジアムがある。
その迫力は今でも健在だ。

その手前には聖火台もある。
ここで競技を行ったわけではないが、長野オリンピックの一端を感じられるスポットだ。

オリンピックシンボルはむやみに使えないという制約があるが、この案内板の下の5本線はオリンピックを表現した苦肉の策だろうか?

おまけ:謎のモニュメント。
怒らないから、何に見えたか正直に告白すること。
【雰囲気】★★★★☆

試合前には選手のバス待ちが行われていた。
2階でバス待ちをするのはちょっと珍しいかも。

ゴール裏の迫力はなかなかで、J3の中でも上位に入るほど。
チャントもいくつか特徴的なものがあり、個人的には「千尋の谷」がお気に入り。
とはいえ、スタジアムの立派さに比べるとお客さんの数はまだまだ寂しい。
これがJ2、J1となったらこのスタジアムの魅力がもっと知れ渡るだろうし、なんとかサッカーの成績面でも頑張って欲しいところ。

選手入場。オレンジのユニフォームが緑の芝生によく映える。


移り変わり行く長野の空。吹き抜ける風が気持ちいい。

ゴール裏も暗くなるとより映える。
横断幕の「走れ!闘え!力の限り!」というフレーズはチャントにも使われていて、シンプルながら力強いメッセージだ。

パルセイロカラーの空は漆黒の闇へと。

後半はゴール裏の声援を正面に受けて得点を目指す。

結局試合は0-0の引き分けに終わった。

J2昇格への道のりは長く厳しい…。

帰りもシャトルバスがあるので安心。
ろくにバスがないスタジアムは帰るのも大変なので…。
【グルメ】★★★★☆

メインスタンドの目の前にキッチンカーが並ぶ。これは便利。
しかも公園だからピクニック的にその辺の芝生の上で食べることも可能。

こちらではやきとり番長さんの焼き鳥を購入。
タレにこだわっているとのことで、確かにタレが非常においしい。とりあえず買っておきたい安定の味。

更にバックスタンドコンコースのお店も充実している。

長野と言えばやっぱりそば。
そしてスポンサーホクトの代名詞、生産量断トツ日本一を誇るきのこ。
間違いのない安定のおいしさのそばに、それを覆い隠さんとする食べ応え満点のきのこまみれ。
もはやそばときのこのどっちが主役なのか分からない。
もちろん七味は善行寺名物の八幡屋礒五郎。長野でそばを食べる時にこの七味を避けては通れない。
長野の魅力がたっぷり詰まった、名実ともに長野Uスタジアム最強のグルメだ。
そんな長野で体がそばになりそうなほど食べた記録。

更にパルセイロビールなるビアカクテルも購入。
個人的にビールの苦みが苦手なのだが、これはカクテルによって苦みがかなり軽減されていて美味。
めちゃくちゃ飲みやすくてオススメできるので、飲む機会があればぜひとも試していただきたい一杯。
一応市内の飲食店でも出されているらしい。

長野のご当地パン牛乳パンも購入。
おいしいけど、個人的にはもっとクリーム多めがいいな。

更にスポンサーホクトの力も借りて、「菌活で勝つ!パルカレー」も販売されている。
半分ホクトの宣伝も兼ねているのだろうが(スポンサーってそういうもん)、食品会社がバックにいるのは非常に心強い。
もう一つ「ライオーのう〇ち」とかいう絶対に食べ物に付けてはいけないネーミングのお菓子も売っていた。
地元の動物園で「ヤクシカのフン」という名物?があり、それにあやかったものらしい。
でもレジに持っていくのはちょっと躊躇…。
【街との一体感】★★★★☆

長野駅の特徴的な駅舎にはパルセイロの横断幕がかかっている。

長野市役所には4チームの柱が建っている。
パルセイロとパルセイロレディースが別個に扱われているあたりに配慮の深さを感じる。

建物の中もなかなかスゴイことになっていた。
どうやら長野市のスポーツにかける気合は相当なようだ。
善光寺という日本屈指の観光地がありながらこれだけ力を入れてもらえるチームは、非常に珍しいしありがたいだろう。
全国には観光地に存在感をかき消されているスポーツチームも数多く…。

駐車場にしれっとパルセイロの自販機が設置されている。

すっごい見えにくいが、選手のプレーしている写真が飾られている。

パルセイロのポスター地帯。どちらかというと2-1でレディースの方が多い。

シャッターの後ろ側だが、後援会ののぼりがある。

こちらの工事現場のポスターはだいぶ日に焼けている模様。
時の流れを感じる…と言えばそれっぽく聞こえるか。

こちらのお店はパルセイロだらけ。おそらくファンには聖地として愛されているのだろう。多分。

実は長野駅前にも額に収められたポスターがある。

こちらは長野と篠ノ井と結ぶしなの鉄道の車内。
パルセイロとのコラボキャンペーンをやっていて、電車とバスと試合のチケットがセット販売されているらしい。
しなの鉄道にとってもパルセイロの観客動員は死活問題だから、なんとかコラボで少しでも観客が増やしたいのだろう…。
(ちなみにしなの鉄道は扉がまさかの手動式で戸惑う人続出であった)

こちらはスタジアム最寄の篠ノ井駅。
「AC長野パルセイロの街」と大きく掲げられている。

こちらには長野オリンピックのロゴの下に「AC長野パルセイロの街」と書いてある。
なんて贅沢な組み合わせ…。

いかにも地元感満載のお店ではユニフォームが半ば無理やり着せられていた。

こちらはポスターが渋滞している。とりあえず言いたいことがいっぱいあるのはよく分かる。

駅からの通りにはずーっとパルセイロのフラッグが並んでいる。
2~3㎞くらいこんな感じだった。

こちらのお菓子店ではスコアの他「守備の修正を!」などと技術的なメッセージにまで踏み込んでいた。
ここの店主さんは相当熱がこもっているのだろう…。

こちらの昔ながらの文具店にも大きなフラッグ。
篠ノ井の店は全体的に古いが味があり、何よりパルセイロにより一体感が生まれている。

こちらにはユニフォームの他順位表も置かれているが、なぜか「AC長野パルセイロ」がマジックで書かれている。
他にもクラブ名が「福島」「宮崎」としか書いてなかったり、いろいろツッコミどころ満載である。

ちなみにこの通りは「篠ノ井オレンジロード」と名付けられている。
由来は不明だが、きっとパルセイロ。

地元の都市ガス企業も応援しているようだ。
と思ったらすぐ目の前に会社の建物があった。なるほど宣伝も兼ねてね…。
【満足度】★★★★☆
基本的に観光地にあるスポーツチームは苦戦しがち、影が薄くなりがちなのだが、AC長野パルセイロは松本山雅FCとの因縁も影響しているのかかなり存在感がある。
とはいえ一方で、観客増に今のところ直接結びついている感じもない。
J3の中では多いというレベルでは、せっかくのJリーグ屈指のスタジアムも泣いている。
個人的には松本山雅FCに匹敵するポテンシャルを秘めているチームだと思うので、その爆発力がいつ発揮されるか期待したいし、絶対にJ1で一度は戦うべきチームでもある。
いつ信州ダービーがJ1で実現するのか、それは両者の気合にかかっている。
獅子よ超えろよ千尋の谷を!
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