注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】

静岡市清水庵原球場(ちゅ〜るスタジアム清水)は、2005年開場、静岡県静岡市にあるくふうハヤテベンチャーズ静岡の本拠地。
清水と言えばなんといってもサッカーで有名だが、その一方で野球場がないという問題も抱えていた。
静岡市内には草薙球場があるものの市営ではなく県営であったこともあり、静岡市で唯一球場のなかった清水区に作られたのがこの球場である。
当初は3万席規模で検討も行われたが、プロ野球開催は草薙球場に譲りこちらは1万人規模に落ち着いた。
しかし結局こっちの方がプロ野球の本拠地になるんだから分からないものである。
清水のサッカー場と言えばこちら。
静岡の球場と言えばこちら。
そんな折、2023年に誕生したのがくふうハヤテベンチャーズ静岡であった。
2005年の東北楽天ゴールデンイーグルス以来、18年ぶりのプロ野球新規参入球団である。
くふうハヤテとはなかなか不思議な球団名であるが、「くふう」はくふうカンパニーによるネーミングライツ、「ハヤテ」は球団を運営するハヤテグループに由来する。
そしてくふうハヤテの大きな特徴が、「2軍しかない」という特異な体制にある。
そもそも、なぜいきなり新球団が参入することになったのか?
そのきっかけも実は、2005年に誕生した楽天イーグルスなのである。
楽天の参入以前、プロ野球の2軍は東西でキレイに6球団ずつに分かれていた。
しかし西日本の近鉄が消滅し東日本に楽天が誕生したことで、東に7球団、西に5球団といびつな形になってしまったのだ。
そのためNPBは2軍に限った球団を募集し、新規参入球団としてくふうハヤテベンチャーズ静岡とオイシックス新潟アルビレックス・ベースボール・クラブが選ばれた。
これに合わせて球場も改修が行われたほか、命名権を地元清水の企業いなばが取得し「ちゅ~るスタジアム清水」というなかなかかわいい感じの名前になった。
くふうハヤテベンチャーズ静岡はその名の通りベンチャー球団であり0からのスタートとなったが、まずは最初の2024年シーズンを走り切ることができた。
成績は28勝84敗8引き分けで最下位に終わりドラフト会議での指名も残念ながらなかったが、増田選手がウエスタンリーグ打率2位の.297、そしてリーグ盗塁王に輝く活躍を見せた。
運命の2シーズン目、くふうハヤテがいよいよ正真正銘の「プロ野球選手」を輩出することができるか、ここが正念場だ。
【アクセス】
最寄まで★★★★☆

最寄はJR清水駅。シャトルバスの発着は海側のみなと口から。
清水エスパルスのシャトルバスもこっちなので、試合日が被ったらどうするのか気になる。
最寄から★★☆☆☆

清水駅からは無料シャトルバスで20分ほど。
エスパルスとちびまる子ちゃんの中にひっそりある案内板に沿ってみなと口へ。

大きくはないが高速バスタイプなのでらくちん。

球場の目の前にバスを停めてくれる。
おかげで徒歩自体はほとんどないが、バスが大きくないのと本数が限られているので、自由な時間があまりとれないのが大きな課題である。
【観戦環境】★★★☆☆

プロ野球球場とは言うものの、自然豊かなよくある地方球場の趣。
二軍だからねえ…。


屋根もあるし、座席も背もたれがついていて間隔も広いし、最低限の環境の良さは確保されている。
二軍球場であれば十分な設備だろう。

ちゅ~るスタジアム清水の文字がまぶしい。
ちなみにスタジアムでちゅ~るは売っていない。

スコアボードは今や懐かしの時期反転式。
球速表示は下部に白く表示。150キロを超えると球場内でどよめきが起きる。

コンコースは昔ながらの球場感満載。
グッズはこちらで販売されている。相手チームのファンも興味津々。

他にもショップが置けそうなスペースがいくつか用意されている。
今後活用できるようになればいいな。

外野にも一応スタンドがあるが、開放はされていない模様。
ここまで満席になる日を夢見て…。

ここからスタンドを見る。
自然豊かな環境だが、富士山は残念ながら見えなかった。

坂を下れば道路があるが、周囲にはコンビニもなく山奥ではある。
清水エスパルスのホームがある日本平とは全く方向が真逆だが、似たような環境である。

みかんの丘、と書かれた山もある。静岡と言えばみかんとお茶だ。

続いて球場の外。
右側の小さな小屋がチケット販売ブース。往年の球場の風格。

上部は改修された跡があるが、下部は元の姿を残しているようだ。
試合開催時にはコーンが置かれ中に入ることはできない。
自販機に行くためのスペースだけ確保されている。

敷地の外から見ても目立つちゅ~るの文字。

ランニングコースなどもある。ここに来るまでが一苦労だが。
【雰囲気】★★★★☆

プロ野球とはいえ選手自らもグラウンド整備を行う。
選手たちも野球に打ち込めるありがたみを感じられるよい経験になるだろう。

お客さんは1000人をちょっと超える程度。
二軍ということを考えれば妥当な人数だろう。
とはいえ、この客入りで採算が取れているかどうかは不明。
これまでいくつもの二軍球団が独立採算を目指し散っていったことを考えると、現実的に考えて道のりは厳しい。
球場全体を見ても相手チーム(中日)の方がファンが多いように見えた。
それでもベンチャーズのグッズを身に付けている人もそれなりにいたし、独自の応援をしている人(チャンステーマまで作っているようだ)もいた。
また元ベイスターズの倉本選手や田中選手が所属している影響か、ベイスターズのグッズを身に付けている人も散見された。
清水出身でベイスターズの監督を務めた山下大輔氏がGMを務めていた時期もあり、ベイスターズとはかなり縁が深い球団でもある。
そんなこんなで人数は多くないが、打球への反応を見ても野球玄人が集まっているのは感じる。
もっとファン層を広げて、どうにか二軍でも生き延びていける方策が見つかればいいが…。

試合後は普段なら選手のお見送りがあるようだが、この日は翌日に向けたバス移動が控えているため中止となった。
二軍の移動はバス移動が基本なので選手の負担も大きい。
だからこそ一軍を目指して頑張れるという面もある。
そしてプロ野球を戦力外になっても、この環境で野球を続けている選手たちにはただただ感服する。
よっぽど野球愛が無ければ続けられないだろう。
【グルメ】★★★★☆

球場外に何台かキッチンカーが出ている。
試合数が多いためか毎試合顔触れが変わるようだ。

マグロのメンチカツをゲット。思ったよりちゃんとマグロの風味があっておいしい。
こういった形で清水のマグロを感じられるのはうれしい。

初出店のお店で焼きそばをゲット。
オペレーションは不慣れに見えたが、焼きそばはちゃんと美味しかった。
焼きそばはスタジアムに欠かせない存在なので頑張って欲しい。

クロッフルと呼ばれる、クロワッサンとワッフルの合わせ技?みたいなスイーツもゲット。
甘いものって一つあると嬉しいよねえ。
グルメは小規模ではあるが、なかなかにバランスのいい構成だった。
このままどんどん進化していってくれたら、スタジアムの大きな売りになるかもしれない。
【街との一体感】★★☆☆☆

球場のすぐ横にあるJAは頑張れくふうハヤテと応援している。
これ以外に建物すらあまりない立地だが…。

清水区役所にはエスパルスと並んでポスターが貼ってあった。
共存共栄で頑張って欲しい。

静岡県庁にも多くのチームと並んでロゴがある。
静岡県にこれだけチームがあっても、プロ野球チームはくふうハヤテのみだ。

放火を完封、という結構物騒なポスターもあった。
火事ではなく放火、というところに強い事件性を感じる。

エスパルスとちびまる子ちゃんだらけの清水駅だが、一応くふうハヤテものぼりを出している。
サッカー王国に生まれた初めてのプロ野球球団、挑戦はまだ始まったばかり。
【満足度】★★★★☆
いろいろ頑張っているのはよく分かったし、実際面白かったのは間違いない。
とはいえ静岡と言えばサッカーだし、実際サッカースタジアムの熱気に比べるとまだまだ到底及ばない。
となれば、やはり狙うはエスパルスやちびまる子ちゃんとのコラボ。
清水で人気を集めるには、ここを抑えていくのが一番手っ取り早い。
エスパルスの試合でくふうハヤテの選手がイベントを行い、球場にはまるちゃんが来場する。
これが実現するだけでも一気に清水の人の心を惹きつけられるだろう。
223の街のプロ野球チームの歴史は、続くったら続く。
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