注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】

藤沢市八部野球場は、1970年開場、神奈川県藤沢市にある野球場。
1977年横浜スタジアムの建設に合わせて横浜平和公園野球場が解体された際、スコアボードがこの八部野球場に移設された。
その後幾度となく改装されているようだが、どこかに当時の痕跡は残っているのだろうか。ぜひ探してみたいところ。
2023年には外野防護マットの改修工事費用をクラウドファンディングで募ったことがあり、目標の5倍近い金額が集まった。
寄付に参加した中には藤沢市出身で高校とプロで活躍した小笠原慎之介の名前もあったという。
八部野球場は地味ではあるが神奈川のアマチュア野球文化を陰で支えてきており、これだけ集まった寄付金は市民の愛情の証である。
【アクセス】
最寄まで★★★☆☆

最寄は小田急江ノ島線本鵠沼駅。
厳密に言えば隣の鵠沼海岸駅の方が近いが、藤沢駅から行く場合はどちらでも大差ない。
藤沢駅から一駅、片瀬江ノ島駅までもほど近い、まさに湘南ど真ん中の駅。
日本におけるサーフィン発祥の地である鵠沼海岸も近く、サーフボード片手に海へ向かっていく人も多い。
球場へのアクセスは他にも藤沢駅、辻堂駅からのバスもあり、どうしても徒歩の距離を短くしたい人はそちらも便利。
最寄から★★★☆☆

本鵠沼駅からは徒歩20分弱。
右側にひまわり畑が見えてくる。8月にはひまわりが咲き乱れるのだろう。

ピンクのバレエスタジオを右に曲がる。
手前のパン屋さんにこの日の対戦カードが書かれた黒板が置いてあった。実質スタグルみたいなものだ。

点字ブロックが公園に向けて伸びている。
絶対に公園へ誘導したいらしい。
【観戦環境】★★★☆☆

着いた頃には試合が始まり席も埋まっていたので、空いていた三塁側の席へ適当に座ってみる。
これだけ近くで見られれば上出来だ。ベンチに戻る選手に声をかけている人もいた。

バックネット裏から見るとこんな感じ。
市民が使うと考えれば十分すぎる球場だ。
外野フェンスはクラウドファンディングによってクッション性の高い素材に改修されており、衝突してもきっとケガを軽減できるだろう。
そして広告もびっしり、この球場の愛され具合がよく分かる。

一塁側のスタンドと、

三塁側のスタンド。
バックネット裏には屋根こそないものの個別席になっており、その奥の内野席はベンチシートとなっている。
何本か建っている柱にはボールカウントの表示や広告が貼り付けられている。

そしてよく見ると、各企業の広告に混じって「小笠原慎之介」の文字。
別に名前を書かなくてもいいような気はするが、間違いなく「小笠原慎之介」の広告が球場で一番目立っている。
このままいけば球場の名前が「小笠原慎之介スタジアム」になる日も近いだろう。
そして小笠原にはそれくらいの選手になって欲しい。

そしてこちらが横浜スタジアムから移設したというスコアボード。
…なんかバックスクリーンとスコアボード別々だけど、どっちだ…?
なんとなく形状的には左のバックスクリーンの方がハマスタっぽい。
右のスコアボードはだいぶ横に長く、全部の情報が横一列に並ぶなかなか珍しいスタイル。表示もはっきりしていて見やすい。

こちらがその裏側。
やっぱり右側のバックスクリーン側の方が歴史を感じる。これが元ハマスタなんだったらなかなか貴重な遺産だ。

神奈川大会の横断幕。これを見ると夏の到来を感じる。
球場前は駐車場になっている。

球場前の広場。奥には市民プールもある。
試合後負けたチームはここで最後の言葉を交わしたり写真を撮ったりする。一生の思い出になる場所だ。

宙に浮いた恐ろしいドアがある。
だいぶ老朽化の跡が見え、球場の積み重ねてきた時間の流れを感じる。次のクラウドファンディングは建物の補修か。

球場横にはひっそりSLが置かれている。

駅風になっていてなんだか楽しい。中には入れない。

線路の先にある球場からは歓声が聞こえる。
青春は人生の途中駅…ということか。
【雰囲気】★★★★☆

本日の対戦カードは綾瀬高校vs湘南高校。
湘南高校と言えば地元も地元、全国屈指の進学校ながら甲子園優勝経験もあり、東大からプロ野球に挑戦した宮台康平の母校でもある。
一方の綾瀬高校も小田急江ノ島線沿いにあり、江ノ島線ダービーとも言える地元同士の対戦カードとなった。
そんな地理的な好条件もあってか球場はほぼ満員。私立優勢の神奈川県において公立高校同士の対戦では異例の盛り上がりとなった。
そして湘南高校は流れを変えたいタイミングで湘南乃風の「SHOW TIME」を使う。
この曲には「戦闘開始」「湘南のSHOW TIME」「場外ホームラン」「打て」などのフレーズが使われ、まさに湘南高校野球部のために作ったんじゃないかと思える楽曲である(湘南ベルマーレの試合前にも使われている)。
湘南高校とは全く関係ない私でも、この応援が始まるとどことなく心がざわつき、たぎるような感覚になった。
これ甲子園で聞いたらめちゃくちゃ盛り上がるだろうなあ…無理だろうけどなあ…。

試合の方は綾瀬高校が勝利。綾瀬高校の方が投手も、守備も、打撃も一枚上手に感じた。
とはいえ両校エラーもほとんどなく、とても見ごたえのある好ゲームだった。
そして湘南高校ナインは、これから大学受験に向けて「戦闘開始」だ。
バットをシャーペンに持ち替え、夏から冬へ戦いの舞台を移していく…。
【グルメ】

もちろん球場にスタグルなどというものはない。
しかし今回の隠れメイン、いやむしろ野球より楽しみだったのがこちらの「うずとかみなり」。
日本で初めてラーメンでミシュランガイドの星を獲得したJapanese Soba Noodles 蔦の店主のお兄さんが開いたお店だ。
球場の最寄り本鵠沼駅から徒歩2,3分の場所にあるのだが、朝9時に記帳台が置かれ名前を書いて予約しないと入店できないのだ。
というわけで今回は9時に訪れて名前を書き、ちょうどいい時間で引き揚げてラーメンを食べる作戦である。

出てきたラーメンはこちら。うわっ、なんと神々しい…。
芸術作品のような美しさである。
そしてなんといっても、うまい。
素人の私にはうまく表現できないが、とにかくうまい。ただ気どっただけではなく庶民でもおいしさが良く分かる一杯だ。
個人的には一緒に頼んだ胡椒めしが最高で超オススメ。
そのままでももちろん抜群のおいしさだが、スープと一緒に食べるとおいしさがかけ算で増していく。
しかし、ラーメン屋で2000円以上を使ったのは初めてだ。
でも最高級の食品を最高に手間暇かけて一杯を作っているようなので、むしろ安いくらいである。
食べに行く手間も値段もとんでもないが、人生の一ページとして「地球最高峰ラーメン」の一角を食べるのは良い経験になるだろう。
今後どのラーメンを食べてもこのラーメンと比較することができるからね。
【満足度】★★★★☆
なんか野球よりラーメンの方が熱く語ってしまったような気がするが、もちろん野球の方も高校野球の魅力がたっぷり詰まった素晴らしい試合だった。
1年に1回たまった毒を浄化するためのデトックスとして、高校野球観戦は大変有効である。
なんの汚れもない学生たちの全力プレーは何よりの心の栄養だ。
そして最後、老婆心ながら学生諸君に伝えたい。
「いいかい学生さん、うずとかみなりのラーメンをな、うずとかみなりのラーメンをいつでも食えるくらいになりなよ。 それが、人間えら過ぎもしない貧乏過ぎもしない、ちょうどいいくらいってとこなんだ。」
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