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ラグビー日本代表はなぜ多国籍なのか?【コラムその189】

ラグビー日本代表の試合を見ていて、皆さん思いませんか?

「なんかやけに多国籍じゃねえ?」と…。

 

なんとなく流していた「ラグビー日本代表やけに多国籍問題」

今回はなぜこんなことになっているのか?しっかりと調べていきたいと思います。

1.ラグビー協会の独特な文化

なぜラグビー代表は多国籍なのか?

それはラグビー協会自体が「国籍を問わない」という独特の文化を持っているからです。

 

実際ワールドラグビー(ラグビーの競技連盟)のレギュレーション8条には

・当該国(日本)で出生している、または、
・両親、祖父母の1人が当該国(日本)で出生している、または、
・プレーする時点の直前の60か月間継続して当該国(日本)の 協会もしくはラグビー団体のみ に登録されていた、または
・プレーする時点までに、通算10年間、当該国(日本)に滞在していた。

という条件が記載されています。

 

ずいぶん条件が多くなっていますが、3つめや4つ目の条件を見ると国籍関係なく日本代表として出場できることが分かるでしょう。

 

もちろん条件は全世界で同じなので、多国籍なのは日本だけの話ではありません。

2015年のラグビーワールドカップでは、日本を含む6チームが外国出身選手を10人以上含んでいました。

 

つまりラグビーにおいては国籍ではなく、「所属協会主義」が用いられています。

他の競技で例えるならば、プロ野球で60本塁打を放ったバレンティン選手、あるいはJリーグにスペインの至宝として入団したイニエスタ選手が日本代表として戦うようなもの、と考えればわかりやすいでしょうか。

 

これらの条件だけを見れば、自分にとって都合のいい国の代表として転々として行くことも可能に思えます。

ただし基本的には一度出場した国を変更することはできないので、相当な覚悟がないと国の代表は背負うことはできません。

 

2.なぜこんな文化が生まれた?

なぜラグビーは他の競技と違う「所属協会主義」文化を持っているのでしょうか?

それにはラグビーがたどってきた歴史が深くかかわっています。

 

ラグビー発祥の地は大英帝国、すなわちイギリスです。

ラグビーが発展途上だったころ、イギリスは世界各地に植民地を持っていました。

 

そのため、選手たちが抱える事情は様々でした。

植民地で生を受け本国で代表を目指す選手もいれば、本国でラグビーを学んだあと出生地に戻って代表を目指す選手もいました。

 

つまり選手それぞれで事情があまりに違ったので、単に国籍だけでの判断が難しくなってしまったのです。

こういった問題を解消するため注目されたのが、「出生」と「居住」の2つの観点です。

 

すなわち「出生」の考え方によって、両親が当該国で生まれていれば本人が植民地で出生していても本国代表として。

そして「居住」の考え方によって、当該国に2年住んでいれば植民地の国代表として。

 

こうしたルールは100年以上受け継がれ状況に合わせて変化しながら、イギリスだけでなく世界中に広まっていきました。

つまりラグビーの今に至る独特の「所属協会主義」は、100年以上前のイギリスに由来があったのです。

 

3.ラグビー日本代表「ブレイブ・ブロッサムズ」

そんな多国籍で構成された日本代表、通称「ブレイブブロッサムズ」

果たして選手たちはただ「日本を利用」しているだけなのでしょうか?

 

ここにラグビー日本代表の試合前、君が代が流れる映像があります。

この映像には、国籍に関係なく全力で君が代を歌っている様子が映っています。

www.youtube.com

 

またエディージョーンズHCはチームを作り上げる際、日本人の「武士道精神」に着目しました。

「信頼」「忠誠心」「努力」の3つのキーワードを抽出し、これをチームの基礎としたのです。

 

さらに母国であるオーストラリアの個人主義的な考え方も組み合わせながら、組織をまとめ上げていきました。

その結果がラグビーワールドカップでの躍進につながったのは周知のとおりです。

 

これはもちろんヘッドコーチだけではありません。

世界各国から集まった選手たちは日本人が持つ「信頼」「忠誠心」「努力」の精神を基調としながら、かつそれぞれが持つ独自の文化や考え方を日本代表にもたらしたのです。

 

例えばトンガ出身の中島イシレリ選手。

中島選手は大学時代日本の先輩後輩に起因する上下関係に違和感を持ち、自身が上級生となった際「学年に関係なく言いたいことを言い合える」関係をチームに築き上げました。

 

またキャプテンのニュージーランド出身、リーチマイケル選手。

彼は日本代表を引き連れ、君が代に登場するさざれ石が祀られている宮崎県日向市にある大御神社に向かいました。

日本代表としての精神をチームで共有するためです。

 

ラグビー日本代表にはニュージーランド、トンガ、南アフリカ、豪州、サモア、韓国など全く異なるルーツを持つ選手たちが集まっています。

そして各自の個性、文化を基調としながら、全員が日本に誇りを持ち、覚悟をもって日本代表として闘っています。

 

ラグビー日本代表の姿は、今後グローバル社会における「新しい日本の在り方」を指し示しているように思えてなりません。

 

4.まとめ

以上、なぜラグビー日本代表は多国籍なのか?を調べてみました。

元々は大英帝国の帝国主義に由来していたわけですが、それがラグビー全体の文化として根付いているのはとても興味深い現象です。

 

特に単民族国家の日本においてラグビー日本代表の在り方は学ぶべき部分も多く、多様性を認めようとする今の社会でも非常に参考になるでしょう。

スポーツを学んで社会に役立てる、そんな共存共栄が出来たら最高ですね。

 

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