注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】

日鉄鋼板SGLスタジアム尼崎は、2025年開場、兵庫県尼崎市にある阪神タイガースファームの本拠地。
阪神タイガースファームは1995年より阪神鳴尾浜球場を使用していたが、手狭になったり老朽化したりと様々な課題が顕在化していた。
一方尼崎市には国内初の防災公園である小田南公園があったが、こちらも老朽化が進み整備が急務となっていた。
そこで両者の思惑が一致し、小田南公園を改修したうえで阪神タイガースファーム本拠地を置く方針が決定した。
併せて環境にも配慮した設備とするため、運動施設群を「ゼロカーボンベースボールパーク」と名付けソーラーパネルを設置するなどの対応を行うことになった。
もちろん従来より担っていた防災拠点としての機能も併せ持ち、津波に備え地盤のかさ上げや電気設備を2階に集約するなどの対策も行っている。
こうして2025年、ゼロカーボンベースボールパークとその中核施設である日鉄鋼板SGLスタジアム尼崎が誕生した。
ということで今回は若虎の新たな拠点、日鉄鋼板SGLスタジアム尼崎を訪れた。
【アクセス】
最寄まで★★★★☆

最寄は阪神電鉄大物駅。
大物と書いて「だいもつ」と読む地味な難読駅だが、平家物語にまで出てくる由緒正しい地名である。
普通しか止まらないものの梅田、なんば、尼崎や甲子園と言った阪神線の主要駅に乗り換えなしで行ける利便性の良さは魅力的。
阪神の二軍施設としては理想的な立地だ。
最寄から★★★★★

駅からは歩道橋を渡って徒歩5分。
通路は屋根もついてるし、環境に優しい行動が絶え間なく書かれている。

歩道橋を降りてもびっしり環境に優しいメッセージが書かれている。
球場から帰るころにはすっかり意識がゼロカーボンに染まっていることだろう。

残念さんの墓というとても気になる場所があったが、暑くて歩く気にならなかったので断念。
なんでも、願い事を一つ叶えてくれる場所らしい。
そんなドラゴンボールみたいな場所だったら叶えてもらえばよかったか。「この暑さどうにかして」とか。

そしてここが生まれ変わった公園入口。
以前の姿は分からないが、きっと見違えるほどに変わったのだろう。
【観戦環境】★★★★☆

入った最初の感想は「うわっ、甲子園みたい」!
緑の芝生、特徴的なフェンスの形状や色、座席の色にいたるまで「ミニ甲子園」なのだ。
おそらく甲子園の一部を切り取ったらそっくりこれになる、それくらい似ている。
この球場には甲子園への愛がたっぷり詰まっている。

バックネット裏からの景色はこちら。
甲子園を意識したゆえか、ファウルゾーンも甲子園仕様でちょっと広い気がする。

屋根と背もたれを欲するならバックネット裏一択。
何より日差しが強い日は快適さが段違いになる(そんな日に行くな、という向きもある)。

このアルプススタンドの感じとかまんま甲子園だ。ブラバンが来ればそのまま高校野球もできるだろう。
ちなみに座席は全て指定席なので席取りは不要。

ビジョンも立派で2軍ながら演出もできる。
最近はファームでも演出に手を抜かない球場も多い。出場選手は1軍とそん色ないから、ちゃんとやれば十分お客さんは入るはずなのだ。

選手は向こうに見える室内練習場から階段を通ってベンチに向かうらしい。
つまりファンとすれ違うことなく移動できるのだ。ちょっと寂しくもあるが、これが一番トラブルの少ないやり方なのだろう。

ビジター側のブルペンはここらしい。
つまり阪神側のブルペンもおそらくこの反対側にあるはず。もしくは室内練習場でやってるのかも。

入場ゲートから入ったところ。
広いし新しくてキレイだしお店もある。鳴尾浜時代とはあまりに見違える光景に頭がクラクラ。

今まででは考えられなかったグルメのお店も建ち並ぶ。
二軍でもマネタイズできるモデルケースを作れれば、後に続く球団もどんどん出てくるだろう。
(かつて夢破れていった球団は数知れないが…)

奥にもお店がありこっちの方が空いている。
屋根もあって環境もいい。

平田監督の「お疲れ生です」を未だにこすり続けているのは全国でここだけ。
もう2年経ってるぞ。

ペットボトルのキャップを分別してもらうため、キャップで好きなマスコットに投票できる仕組みになっている。
ほんのちょっとした遊び心は関西の得意分野だ。

入場ゲートはこちら。意外とシンプル。

球場前は広場になっており、キッチンカーも出店している。
しかしいくらテントがあるとはいえ、真夏の芝生は遊ぶのも大変だろう。

1階部分にはグッズショップも。2軍の施設で常設のグッズショップがある球場はなかなかない。
その名も「タイガースショップネクスト」。次代を担う選手や限定グッズなどがある。ただしすごい混雑。

球場外はぐるっと一周できる。

隣にはもう一つ軟式球場と、

タイガース選手が使える練習場がある。

選手を一目見ようと、そしてサインをもらおうと多くのファンが集まっている。
この暑い中よくやりますな。

ビジョンは結構薄めの作り。
この球場で使用される電力の8割は太陽光発電でまかなわれているとのこと。

こちらはおそらく室内練習場。
工場並みの大きさがある。雨でも十分な練習ができるだろう。

こっちはおそらく選手寮の虎風荘。
この場所を通れるのは18時までとはいえ普通にベランダが見えてしまうので、うっかりパンツなどを干したりはできない。

その隣にあるのが日鉄鋼板の工場。
球場名にも入っているSGLは日鉄鋼板が開発した新素材とのこと。

こちらは阪神の線路。
下に廃線跡があるが、高架化した名残だろうか?

更にもう少し歩くとユニチカ記念館がある。
ユニチカの前身である尼崎紡績の本館事務所として建てられ、120年以上の歴史がある。
工業都市尼崎を象徴する遺産として近代化産業遺産にもなっている。
ただ残念ながら中に入ることはできない。

立派な門も当時のまま残されているようだ。

説明書きは表のパネルで読むことができる。
【雰囲気】★★★★☆

試合前には当然のように六甲おろしが流れる。
六甲おろしを流しておけばそれでみんな満足なのだ。

新球場開場を機に誕生した新マスコットのコラッキーも登場。
トラッキーの弟だが、海外をぶらぶらしていたところを呼び戻されたらしい。ずいぶん遊び人のようだ。

ファームのアイドル?平田監督は今なお根強い人気を誇る。
阪神タイガース日本一の隠れた立役者だ。

久保田投手コーチも登場。
ガタイのデカさは相変わらず。選手と比べても二回りくらいデカい。

ラッキーセブンの演出もあり。

スタンドは真夏のデイゲームにもかかわらずほぼ満員。
臨時の外野席を開放することもたびたびあるんだとか。
なおこの球場では鳴り物を使った応援行為は禁止なのだが、子供が一人でメガホンを使って応援の音頭を取っていた。
応援歌も完璧に覚えていたし、チャンステーマのタイミングもドンピシャ。いくらなんでも将来有望すぎる。
お客さんも関西特有のノリの良さもあってか、子供の応援にどんどん球場全体が沸き立っていった。
こら阪神が天下を取るわけや。

最後にピッチャー根尾も見られて大満足。
野手に投手に散々振り回されてとてもかわいそうな野球人生だが、なんとか一花咲かせてほしい。

暑いので7回終わった時点で撤収。
日焼け止めを塗りたくっていたがそれでも腕が黒く焼けてしまった。

アクセスがいいのでまた関西に来るときに訪れたい。
今度はナイターがいいな。
【グルメ】★★★★☆

この球場は結構グルメも充実しているが、なんと甲子園名物甲子園カレーとSGLスタジアム限定の虎風荘カレーが並んでいる。
他にも地名にちなんだ大物ドッグなどの名物もあり、もはや甲子園より充実しているほどだ。

今回は選手も食べている虎風荘カレーを注文。もうちょっと具があった方が嬉しくはある。
しかしこの炎天下でカレーを掻きこんでいると、孤独のグルメの神宮球場回を思い出すな。
今度来た時はぜひ両カレーの食べ比べをしてみよう。
【街との一体感】★★★★★

駅を降りるとゼロカーボンベースボールパークのさわやかなイラスト。

尼崎にこのイラストのような素敵なイメージはないが、市としてもダーティなイメージを払しょくしていきたい狙いもあるんだろう。

その下にいるのはでっかいトラ。

これらのエコ活動を1人3つ取り組みましょう、と奨励している。

改札にもトラ&トラ&トラ。

もうオープンしているが移転のお知らせがまだ出ていた。
特に大きなアイデンティティのなかった尼崎にとっても大きな朗報なのだろう。
【満足度】★★★★☆
鳴尾浜球場も決して悪い球場ではなかったが、こうして改めて新球場に来てみるとあまりの進化でもう元には戻れないのを感じる。
二軍施設としては最高峰の環境がそろっていると言っていいだろう。
あと個人的には鳴尾浜での「奇跡のバックホーム」の記憶が消えてしまうのはあまりに惜しいので、このスタジアムに横田慎太郎の証を残しておいてほしいな、と思っている。
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