スタ辞苑〜全国スタジアム観戦記〜

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母のおもいで【コラム特別編】

先日、母が亡くなりました。

まいっちゃうよなあ…。何の兆候もなかったのに、突然倒れてそのままだなんて…。

でもほとんど苦しむこともなかったし、残される家族の心配もできなかったでしょうから、その点ではよかったのかもしれません。

 

そしてあんまり悲しいことを書いたら母に怒られそうなので、楽しいことを思い出したいと思います。

 

きっとこういうタイミングで私がブログをやっていて、およそ開設から半年で多くの人に読んでいただけるようになったということは、きっと母の生きた証をここに残しておけということだと思いますので、ささやかながら世界中の誰でも読めるこの場所に残しておくことにします。ここならとりあえず半永久的に残るでしょう。

ブログをやっていなかったら悶々とした日々を送っていただろうなあ…。

 

別に親子ともども世界に残るような偉業を残したわけではない、ただの普通の親子ですが、せめてもの母への弔いだと思って聞いてやってください。

 

 

母は東京の貧乏な家庭の長女として生まれました。妹さんから聞いたら学生時代は結構オタク気質だったと聞いてビックリしたんですけど(よくもバラシたなって母に怒られそう)、そろばんとかで段を持ってたり頭は良かったようです。

教授とかいうあだ名も付いていたことはついさっき知りました。

 

ただいかんせん貧乏だったので塾にもろくに行かせてもらえず、第一志望の高校に落ちてしまいました。滑り止めの高校では学年一位の成績を収めていたようですが、お金の問題もあって高卒で就職しました。やっぱり学歴コンプレックスのようなものはあったんじゃないかなと思います。

 

でも母がすごいのは、それを私に押し付けなかったことですね。私なんて小学校六年間進研ゼミを取ってもらっていたのに、商品欲しさに赤ペン先生を解いただけであとはほとんどやらずじまいでした。

学歴コンプレックスを持っている両親がそれを子供に押し付けてしまって精神的につぶれてしまい、引きこもったりトラブルを起こしたりというのはよく聞く話ですが、両親とも小学生の私をほっといてくれました(ちなみに父も高卒)。

 

中学校に上がると塾に行かせてもらっていたのですが、相変わらず勉強は適当で苦手な社会では定期テストで30点ぐらい取ってた時もありました。

でも塾に行くとババンと自分の成績が貼り出され、自分の順位がはっきりわかるんですよね。そうなるとやる気も出てきて、少しずつ勉強するようになりました。

きっと母に勉強しろと口うるさく言われてたりしたら私はますますやる気を失ってろくに勉強しなかったでしょう。

こうなることを狙っていたのかどうかは分からないですけど、その点では本当に誇りの母です。

 

結局、高校も大学もちゃんと第一志望の学校に入学することができました。ただ母には言った事ないんですけど、どっちも合格最低点+2,3点の超ギリギリ合格だったんですよね。

母は入試のたびに近くの神社に行ってお参りしてくれていたので、きっと神様が2,3点おまけでくれたんでしょう。

ほっといてはくれたけど、見放しはしない、私にとって最高の母でした。母も私のことを自慢していたそうなので、ちょっとだけ親孝行できたのかもしれないですね。

 

せっかくなのでスポーツの話もしましょう。母は元々高校野球を見るのが好きで、テレビで甲子園をずっと見ていたそうです。

そして東京出身なのにあまのじゃくな母は阪神タイガースを応援していました。2003年の優勝の時には記念グッズを買っていました。さっき探したらなかったので、もう捨てちゃったかもしれないですけど。

まあ、ベイスターズファンの私にとっては2003年は特に阪神にボコられた記憶しかないのであんまり思い出したくないんですけどね(笑)。

 

だけど、阪神がある程度強くなってくると逆に興味を失っていったらしく、いつの間にかベイスターズに鞍替えしていました。今ではファンクラブにも入っているし、グッズもいくつも持っています。三浦大輔監督楽しみにしてたなあ…。

 

ただキーボードをたたいてるだけなのに、ちょっと画面がにじんできました。いけませんね…。

でも母が私をほっといて好きなようにさせてくれたおかげで、好きなスポーツ観戦にはまって全国を旅するようになり、こうしてブログにとどめておくことができるようになりました。

このブログを通じてスポーツ好きの様々な方と繋がれるようになったし、このご縁は母がくれたものと言ってもいいでしょう。このブログこそ、まさに母が生きた証なのです。

 

私事ですが、本日で30歳になります。人生で母がいない時間の方が長くなりますが、まだまだ楽しいことがあるこの世の中を生き抜いていってやろうと思っています。

 

 

お母さん。東京オリンピックのチケットはちゃんと確保しておくからね。忘れないで見に来てね。

まだまだこれから楽しい土産話をしこたま作ってそっちに行くから、ちょっと長いけど待っててね。

また会おう!