2020東京オリンピック、日本は過去最多となる27個の金メダルを獲得し、今年の漢字にも「金」が選ばれるなどフィーバーを巻き起こしました。
その中でも印象的な金メダルの一つが、世界最強のアメリカを決勝で激闘の末破って獲得した女子ソフトボールの金メダルでしょう。
それから時は流れ2022年3月、いよいよ新時代の幕開けとなる日本女子ソフトボール新リーグが開幕します!その名はJDリーグ!
今回はそんなJDリーグをご紹介します。
1.JDリーグについて
今春新しく開幕するJDリーグは、ジャパンダイヤモンドリーグの略。
フィールドのダイヤモンド、そして宝石のダイヤモンドのように輝く、という意味が込められているようです。
開幕戦は3月28日、ZOZOマリンスタジアムで行われます。
対戦カードは東京オリンピック決勝で快投を見せた日本の大エース上野由岐子選手が所属する名門ビックカメラ高崎と、東京オリンピックの胴上げ投手となった後藤希友選手が所属するトヨタ自動車の一戦。
参加チームは東西8チームずつの計16チーム。現行リーグでは1チームあたり22試合だったのが29試合に増え、より試合を楽しめる機会が増えるとのことです。
ポストシーズンでは各地区の3位までと4位チームの東西で成績の良い方が出場することができ、11月には年間チャンピオンが決定します。
7月8月の暑い時期には中断期間が設けられているものの、基本的にはプロ野球と同じようなスケジュールで進行していくわけですね。
またレギュラーシーズンはマンデーソフトボールと名付けて基本的には月曜日に試合を行うようです。開幕戦の3月28日も月曜日ですね。
かつてはマンデーパリーグといって月曜日にパリーグの試合が行われていたこともありますが、そこにソフトボールが入って野球ファンを取り込んでいこうという取り組みの一環のようです。
野球ファンは当然オリンピックでもソフトボールの試合を見ていることが多かったでしょうし、日本一多くのファンを抱えるプロ野球からファンを引っ張ってくることは大事な一歩でしょう。
2.JDリーグ参加チーム
それでは、JDリーグ初年度に参入する16チームを紹介します。
・東地区
Honda Reverta(栃木県真岡市)
ビックカメラ高崎BEE QUEEN(群馬県高崎市)
太陽誘電ソルフィーユ(群馬県高崎市)
戸田中央総合病院Medics(埼玉県戸田市)
日立サンディーバ(神奈川県横浜市)
大垣ミナモ(岐阜県大垣市)
NECプラットフォームズRed Falcons(静岡県掛川市)
デンソーブライトペガサス(愛知県安城市)
・西地区
トヨタ自動車レッドテリアーズ(愛知県豊田市)
豊田自動織機シャイニングベガ(愛知県刈谷市)
東海理化チェリーブロッサムズ(愛知県丹羽郡大口町)
日本精工BraveBearies(滋賀県湖南市)
SGホールディングスグループギャラクシースターズ(京都府京都市)
シオノギ製薬ポポンギャルズ(兵庫県尼崎市)
伊予銀行ヴェールズ(愛媛県松山市)
takagi北九州Water Wave(福岡県北九州市)
パッと見た感じでは、全国に分散しているというよりは北関東や愛知など産業が盛んな地域に集中している、というイメージでしょうか。
基本は企業スポーツなのでそうなるのも当然でしょう。まあ、岐阜が東で愛知が西っていうのはちょっと違和感がありますが😅
なんといっても優勝候補筆頭は前身のリーグで18勝4敗の成績を残し優勝したビックカメラ高崎でしょう。過去の獲得タイトル数はなんと51を誇り、名実ともに最強チームと言って間違いありません。
3.で、結局何が新しくなるのか
で、結局のところ何が変わるのか、というところは最も興味の湧くところでしょう。
私が見る限り、結論としては「ほとんど変わらない」と言っていいのではないでしょうか😅
チェアマンである島田さん(日本ハムファイターズの球団代表経験あり)曰く、チームはそのままにリーグの方をビジネスができるように変えていく、とのことでした。
かつてJリーグやBリーグでは、企業スポーツだったサッカーやバスケを根底からひっくり返していきました。
具体的に言えば、完全プロ化する、チーム名を地域名+愛称に統一する、ホームスタジアムを設定するといった改革を突き進め「儲かるリーグ」を作り上げていきました。
ただそれを行うにはチーム側にとっても大変な労力が必要となるため、一気に引っ張っていける人がいないと成し遂げるのは非常に難しいのです。
そこで今回はチームの運営にはなるべく負担がないようにしたうえで、それこそマンデーソフトボールのように現状でできるやり方で観客を増やしていこう、という取り組みを行っていくようです。
もちろん、リーグとしてそれで十分なのであれば変える必要は全くないのだと思います。無理にプロ化などを進めて解散してしまうようなことは絶対に避けなければなりません(女子プロ野球など…)。
とはいえ、お客さんを増やしていくことを考えるのなら、やはりプロ野球との連携は必要不可欠なことだと思います。
マンデーソフトボールと言いますが、正直な話月曜日にわざわざソフトボールの試合を見に行こうという人は限られてくるでしょう。
それであれば、例えばプロ野球の試合が行われる前、あるいは後にJDリーグの試合を同じ球場で行い、プロ野球のチケットを持っている人は無料か割引チケットが買えるといったようにプロ野球ファンがソフトボールを気軽に見られる機会作りが重要かと思います。
もしその試合で上野投手が投げるとなれば、プロ野球ファンだって見てみたくなりますからね。
あとは、地域密着を進めることの重要性は島田さんも感じているようですので、やはりせめてチーム名に地域の名前を入れることは大事なんじゃないかなと思います。
どこにあるチームなのかがわからなければ応援するきっかけも出来ないですからね。
4.まとめ
というわけで女子ソフトボール新リーグであるJDリーグをご紹介しました。
ここ最近ではラグビーのリーグワンが開幕しましたが、それも含めてJリーグ、Bリーグ、WEリーグのようにプロ化を目指し「儲かるリーグ」を作り上げていくのが最近のトレンドのように思います。
ただ今回のJDリーグではそこまでの大きな変革ではなく、オリンピックもひと段落したし名前を変えて心機一転頑張りましょう、という感じなのかな、という風に思えます。
もちろん現状で問題がないならあえて変える必要もないでしょう。
ただ、せっかくやるならできる範囲でも何かお客さんを呼び寄せる取り組みをやってみてほしいですね。ただ試合数を増やしました、というだけでは、わざわざリーグの名称まで変えた甲斐がありません。
オリンピックでソフトボール復活へ向けて、あるいはそうでなくても、世界一のソフトボールリーグをぜひ盛り上げていってほしいと思います!
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