注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】
小山運動公園野球場は、1973年開場、栃木県小山市にある野球場。
高校時代の江川卓や広澤克己がプレーしたこともある球場で、現在はBCリーグ栃木ゴールデンブレーブスの実質的な本拠地として機能している。
栃木ゴールデンブレーブスは2017年シーズンからBCリーグに加盟した比較的新しい球団。
小山市をホームタウンとしており、宇都宮市をホームとする栃木県内の他のプロスポーツチームとは一線を画している。
独立リーグの解説はこちら。
そんなゴールデンブレーブスの最大のウリは、入団してくる選手やコーチがとにかくビッグネームであること。
ナックル姫こと吉田えりを皮切りに、元ヤクルトの飯原、元巨人の村田、元ロッテの岡田、元阪神の西岡、元ロッテの成瀬、元ソフトバンクの川崎などなど。
挙句の果てには、芸人のティモンディ高岸まで入団してしまった。
チームとして強いかどうかはともかく、「一度は見たい」と思えるチーム作りをしている。
プロ野球チームは興行として行われるわけで、ひとチームくらいはこういう道もありなのかもしれない(さすがにNPBではダメだろうけど…)。
それでも、ただ客寄せがうまいだけでなく、2019年にはリーグ優勝をしているし、3人のプロ野球選手を輩出している。
いろいろな意味で常に独立リーグの渦中にいる、そんな栃木の一戦を観戦した。リーグ最終戦とあってか、有名選手も勢揃いした。
【アクセス】
最寄まで★★★★☆
最寄はJR小山駅。新幹線も停車する、栃木県における交通の要衝。
宇都宮よりも東京や大宮に近いほか、水戸や高崎方面にも行くことができ北関東3県をつなぎとめる役割も果たしている。
宇都宮より栄えててもおかしくないくらい便利なんだけどなあ。
最寄から★★☆☆☆
小山駅からはコミュニティバスで25分。
かなり遠いうえ、終点からさらに20分弱歩かされる。車社会ゆえ、公共交通機関で移動するのはかなり不便。
1時間に1本あり、コミュニティバスにしては本数が多いのがせめてもの救い。
最寄の高専入口バス停からはなかなか自然が豊かな道を歩く。
交通量は多いとはいえ、夜に歩くのはちょっと怖いかも。
一応、小山駅の隣の小田林駅にも30分ほど歩けば行くことができる。
なかなか田舎の風景を楽しめるので、行きか帰りのどちらかは試してみるのもいいかも。
【観戦環境】★★★☆☆
いわゆる標準的な地方球場、という感じ。
万人の持つ地方球場のイメージそのまま、映画のロケとかでも使えそうだ。
バックネット裏はベンチで席が硬くお尻が痛くなる。
ただ屋根がかなり大きいのはうれしいポイント。ちょっとの雨や日差しならへっちゃらだ。
各球団の応援団はアルプススタンドの両サイドに陣取っている。
屋根もないなど筆者の座った場所よりは少し不便そうだが、その分グラウンドに近く臨場感はありそうだ。
バックスクリーンも地方球場としては過不足なく十分。THE 地方球場だなあ。
【雰囲気】★★★★★
チアリーディングチームがいて随時試合を盛り上げるほか、鳴り物の応援団もいてまさにプロ野球球団。
コロナもあって鳴り物の応援はかなり久々だったが、やっぱり球場には鳴り物がよく合う。
また、栃木で最も人気のプロスポーツチームと言えば宇都宮ブレックスであるが、ブレックスで使われている選手入場曲がそのまま使われていたり、あるいは宇都宮ブレックス、栃木SCの試合でも使われる栃木県民歌が得点時などに使われている。
栃木のプロスポーツチームとしては後発のゴールデンブレーブスだが、先駆者にならって栃木スポーツの文化を取り入れているのは素晴らしい。
それにミックスしてゾンビネイションなどスポーツ定番曲も使用している。選曲センスはバツグンだ。
宇都宮ブレックスのホームブレックスアリーナはこちら。
また試合前にはホームラン競争も行われるなど、客を楽しませるイベントも各種取り揃えている。
この規模感のプロ野球チームとしてはやれることをちゃんとできているな、という印象。ゴールデンブレーブス、がんばってます。
そして試合には、メジャーリーグでも活躍したムネリンこと川崎宗則、
千葉ロッテマリーンズのエースとして16勝1敗の成績を上げたこともある成瀬善久、
最後には芸人として活躍するティモンディ高岸が登板。
客寄せだなんだと言われようが、グラウンドで行うプレーには経歴など関係ない。プロ野球は結果がすべてだ。
残酷なようでもあるし、極めて平等な競争でもある。
そして何より、見ている方は単純に楽しい。
シーズン最終戦ともあってセレモニーも行われた。大満足の一日であった。
【グルメ】★★★★☆
グルメに関しては球場外に10店舗ほどキッチンカーが並んでいる。この規模のプロ野球チームとしてはかなり充実している。
ホルモン焼きそば目玉焼き付き500円。味も普通、値段も普通。
こちらは高級バタークレープ650円。バターたっぷりで非常にカロリーは高そうだが、サクサクの生地が新しい食感。
このように普通のグルメと少しお高めの凝ったグルメが入り混じっている、という感じ。
いわゆる栃木の名物だとか、球場名物グルメだとかそういう類のグルメはないけど、縁日の延長といった感じで、地元の人が地元の人に向けたグルメがそろっている。
近所にこういうお店のそろった商店街があったら毎日気分で色々食べられて楽しそう。
【街との一体感】★★★☆☆
駅前にはゴールデンブレーブスののぼりが並んでいる。
球場前には、優勝を記念したレリーフが飾られている。なかなか気合入ってるなあ。
小山駅の駅ビルの一角では、ゴールデンブレーブスの展示が行われていた。さりげなくアピールしている。
街の隅々まで浸透しているというわけではないが、今は小山市で居場所を作りつつある、という感じ。
人気選手を数多く獲得しているおかげで集客力はあるので、あとは選手に頼らずともチームそのものを応援してくれるファンを増やしたい。
まだまだ歴史も浅いし、焦ることはないだろう。
【満足度】★★★★☆
実力よりも集客力のある選手が多いことで客寄せパンダだのなんだの言われてはしまうが、プロ野球において集客力は生き残るために必至の要素であるし、何よりリーグ優勝もして結果もちゃんと残している。
そして実際に球場を訪れてみて、金はなくとも客を楽しませようという熱意を随所に感じ取ることができた。
是非とも、このまま集客と実力を兼ね備えた栃木屈指の球団となるまで成長して欲しい。独立リーグの未来を背負った球団の一つと言えるだろう。
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