以前、「スポーツ熱が高いのはどこだ?都道府県別プロスポーツチーム数ランキング!」という記事を書きました。
これを書いたのが2020年の11月のこと。
それから時が経ち、適宜追記はしてきたものの取り巻く環境もかなり変わってきました。
そこで今回、2023年バージョンとして改めて書き直すのとともに、できる限りのスポーツチームを数えてみました!
改めて2023年現在、スポーツチームが多いのはどの都道府県か!?
【集計方法】
2023年1月1日現在、
・日本プロ野球
・Jリーグ(J1、J2、J3)
・Bリーグ(B1、B2、B3)
・ジャパンラグビーリーグワン
・Tリーグ(卓球)
・Fリーグ(フットサル)
・Vリーグ男子および女子(バレーボール)
・WEリーグ(女子サッカー)
・野球独立リーグ(四国アイランドリーグplus、ベースボール・チャレンジ・リーグ、関西独立リーグ、北海道ベースボールリーグ、九州アジアリーグ、北海道フロンティアリーグ、日本海オセアンリーグ)
・アイスホッケーアジアリーグ
・Wリーグ(女子バスケ)
・JDリーグ(女子ソフトボール)
・日本ハンドボールリーグ(男子・女子)
に所属する、あるいは参入予定チームを都道府県ごとに数え、順位をつける。
(本当に全部のリーグを入れるとなるとあれはどうなんだこれはどうなんだとかなってしまうのですが、キリがないのでその辺は独断と偏見で決めさせていただきます…)
- 44位タイ(1チーム)
- 38位タイ(2チーム)
- 33位タイ(3チーム)
- 26位タイ(4チーム)
- 18位タイ(5チーム)
- 15位タイ(6チーム)
- 14位(7チーム)
- 13位(8チーム)
- 12位(9チーム)
- 11位(11チーム)
- 7位タイ(12チーム)
- 5位タイ(15チーム)
- 4位(20チーム)
- 3位(24チーム)
- 2位(31チーム)
- 1位(34チーム)
- まとめ
44位タイ(1チーム)
鳥取県、和歌山県、高知県、福井県
1チームは鳥取、和歌山、高知、宮崎の3県。今回カウントの幅を広げたことで、無事0チームの県はなくなりました。よかったよかった。
ただし、福井県では日本海オセアンリーグの福井ネクサスエレファンツが解散してしまうという大きなニュースがありました。
オリックスの主砲吉田選手などを輩出した高校野球の名門敦賀気比高校もあるだけに、こうやって灯が消えていくのはとても残念なことです…。
なんとか復活して欲しいものですが。
また個人的に和歌山は大阪からも程よく近いですし、高校野球も盛んなのでポテンシャルはあると思うのですが、なかなかうまくいかないですね…。
ただワンリーズワカヤマというチームがBリーグ入りを目指す動きも出てきたようなので、今後に期待です。
38位タイ(2チーム)
山梨県、島根県、長崎県、徳島県、山口県、宮崎県
前回多かった2チームの県は、今回は6県。
ボリューム層だったJリーグ、Bリーグにそれぞれ1チームずつだけの県は、山口、長崎の2県。
山口、長崎はそれぞれ新たにBリーグに山口ペイトリオッツ、長崎ヴェルカが誕生するなど、新たな動きも出てきています。
特に長崎県はジャパネットの後ろ盾もあり、非常に力を入れています。実際、B3リーグ参入初年度は45勝3敗という圧倒的な強さでB2リーグ昇格を決めました。
Jリーグのスタジアムと一体型の新アリーナも携え、今後Bリーグの台風の目になりそうな勢いを持っています。
その中で、宮崎は自力でスタジアムを作り上げた執念のクラブテゲバジャーロ宮崎がJ3に昇格したほか、新たに九州アジアリーグに宮崎サンシャインズが参入することになりました。
宮崎と言えばプロ野球キャンプも行われる土地柄ですから、これから存在感を発揮してくるかもしれません。
33位タイ(3チーム)
青森県、秋田県、岩手県、山形県、奈良県
3チームは5県。どの県にもJリーグ、Bリーグに1チームずつあり、それに加えて1チームあるという形になっています。
なんだか東北地方が多いですね。
バスケが盛んな秋田においては、Wリーグにアランマーレ秋田が加わっています。
アランマーレは山形にもVリーグの女子チーム、そして富山にハンドボールチームがあり、チーム名を共有しています。
新潟がアルビレックスというチーム名を共有しているという例はありますが、地域も競技もバラバラでチーム名を共有しているのは珍しいですね。
またラグビーリーグワンが開幕したことで岩手に釜石シーウェイブスのカウントが増えています。
岩手もJリーグのいわてグルージャ盛岡がJ2に昇格したりと、じりじりとスポーツ熱が高まっている感じがしますね。
Jリーグ空白地帯だった関西のうち、奈良クラブがJリーグに昇格したことで一つ空白が埋まりました。
他の関西地域にも期待したいです。
26位タイ(4チーム)
京都府、福島県、滋賀県、大分県、香川県、佐賀県、鹿児島県
4チームを抱えるのは7府県。
大分にはこの中で唯一Bリーグのチームがありませんが、それでもなお26位に入ってくるあたりかなりスポーツ熱が高い地域、という印象を受けます。
実際このランキングに入っていませんがJFLにヴェルスパ大分もいますし、Fリーグのパサジィ大分はかなりの強豪です。
もちろんJリーグタイトル獲得経験もある大分トリニータも存在感を発揮しています。
福島はいわきFCがJリーグに昇格したことでJリーグに2クラブあるという状況になりました。
いくら福島県が大きいとはいえ、なかなかに贅沢なことになっています。
この中では飛びぬけて大都市の京都ですが、Tリーグにチームが誕生してギリギリ26位に入りました。
高校野球も強い場所柄、野球チームがないのが少し寂しい気がします…。
18位タイ(5チーム)
新潟県、栃木県、愛媛県、岐阜県、三重県、岡山県、熊本県、沖縄県
5チームが属するのが8県。
上記滋賀と三重にはJリーグクラブがありませんが、どちらも工業地帯ゆえかVリーグやJDリーグの実業団系のチームが属しています。
こう考えると、プロチームは人口的にどうしても都会に集中しがちなので、実業団のチームが地方のスポーツ活性化に一役買っているという考え方もできますね。
それでも三重には新しくBリーグのヴィアティン三重が誕生しましたので、Bリーグの存在意義も大きそうです。
アルビレックス新潟がある新潟、宇都宮ブレックスがある栃木は納得の順位。むしろ、もっと上でもおかしくないくらいです。
愛媛はこの順位帯では福島と並びJリーグに2クラブあり贅沢ですね。面積や人口を考えるととても恵まれています。
沖縄にTリーグの琉球アスティーダのカウントが増えたほか、ハンドボールに男女それぞれチームがあります。
バスケも非常に盛んですし、アメリカの影響を受けた独特のスポーツ文化がある感じがしますね。
15位タイ(6チーム)
群馬県、石川県、富山県
6チームを抱えるのは群馬と石川、富山。
石川はJリーグ、Bリーグの他、Vリーグ、Fリーグ、独立リーグとバラエティ豊かでイメージの割にスポーツチームが豊富です。
でも石川というとコマツのイメージが強いんですが、コマツ関連のチームがないのが少し意外ですね。女子柔道部もあるしスポーツに興味がない企業ではなさそうなのですが。
群馬はあまりスポーツの印象はないかもしれませんが、ソフトボールが盛んでJDリーグに2チーム在籍しています。
特にビックカメラ高崎はリーグ屈指の強豪で、上野由紀子をはじめオリンピック金メダリストが数多く在籍。日本リーグ開幕以来リーグ最多の14度の優勝を飾っています。
Bリーグの群馬クレインサンダーズも新アリーナ開業を控えており、実はスポーツがアツい県なのです。
また富山も実はスポーツチームが多く、ハンドボール、野球、Vリーグなどがあります。
なんせ八村塁の出身県ですから、案外スポーツ熱が高いのかもしれません。
14位(7チーム)
宮城県
7チームを抱えるのが宮城。いよいよプロ野球チームがある県が出てきました。
Jリーグ、Bリーグともに1部を経験しており、WEリーグのマイナビ仙台レディースも強豪です。
他にもFリーグ、Vリーグ、ハンドボールなどバラエティも豊富。さすが東北の雄ですね。
13位(8チーム)
茨城県
13位は茨城県。北関東3県でトップです。
なんといってもJリーグ最多タイトルを誇る鹿島アントラーズの存在が光ります。それに加えJ2の番人水戸ホーリーホックもおり、サッカーが盛んなようです。
Fリーグ、Vリーグ、独立リーグのチームもあり、種類も多岐にわたっています。
12位(9チーム)
長野県
9チームは長野県。
長野と言えば、やはりAC長野パルセイロと松本山雅FCのJリーグ2クラブが目を引きます。
信州ダービーとして大変な盛り上がりを見せる2クラブですが、どちらもなかなか苦しいシーズンが続いています。
いつの日か、J2、あるいはJ1の舞台で熱いダービーマッチを見たいですね。
信州ダービーについてはこちら。
11位(11チーム)
広島県
11チームは広島県。
広島はなんといっても広島東洋カープの存在感が図抜けています。
戦後復興を支えたカープはいちスポーツチームにとどまらず、広島の象徴そのものと言える存在です。
それに加えてJリーグ連覇も果たした強豪サンフレッチェ広島もおり、スポーツの熱気は全国でも上位に入るでしょう。
そんな広島は、工業都市としての側面も持っています。
それゆえラグビーリーグワンに2チーム、そしてVリーグには強豪JTサンダーズ広島がいるなど実業団系のチームも多く、それがこの順位につながっています。
7位タイ(12チーム)
千葉県、静岡県、兵庫県、福岡県
7位タイは千葉、静岡、兵庫、福岡の3県。
千葉には、これ以下の順位では初めてBリーグに2チームが属しています。
そのうちの一つはBリーグトップクラスの人気を誇る千葉ジェッツ、もう一つは新進気鋭のアルティーリ千葉で、バスケが非常に盛り上がっています。
野球、サッカーについても千葉ロッテマリーンズ、ジェフユナイテッド市原・千葉、柏レイソルなど歴史あるチームがそろっています。
スポーツ熱が高いというより、地域にすっかり定着している印象です。
静岡と言えば言わずと知れたサッカー王国で、Jリーグに全国2位の4クラブを送り込んでいます。
またラグビーにはヤマハ発動機ジュビロ改め静岡ブルーレヴズがおり、またラグビーワールドカップで日本がアイルランドを破る快挙の舞台となったエコパスタジアムがあるなど、ラグビーも盛り上がってきそうな予感です。
その一方、野球には独立リーグを含め1チームもなく、フットボールに振り切れている印象です。
浜松に独立リーグのチームを作る話があった気がしたけど、どうなったのかな…?
兵庫には日本一の熱狂球団阪神タイガースがありますが、今回数えた中ではTリーグ、アイスホッケー、ハンドボール以外のすべてのリーグにチームがあり、かなりバランスよくそろっています。
阪神タイガースやヴィッセル神戸以外のスポーツのイメージはあまりなかったのですが、実はそれ以外でもスポーツが盛んな地域なんですね。
福岡は現代プロ野球最強の福岡ソフトバンクホークスの他、Jリーグが2クラブいるなどスポーツの盛んな地域ですが、ラグビーのコカ・コーラレッドスパークス、宗像サニックスブルースが相次いで廃部するなど寂しいニュースもあります。
その一方でレッドスパークスの選手を中心に、ルリーロ福岡というリーグワンを目指すラグビーチームが誕生しました。
ラグビー王国福岡を作り上げていってほしいですね。
5位タイ(15チーム)
北海道、埼玉県
いよいよトップファイブに入ってきたのは北海道と埼玉県。
北海道はとにかく独立リーグの存在が大きく、北海道ベースボールリーグ、北海道フロンティアリーグで計6チームを抱えています。
これだけ多くのチームを作れるのは広大な面積を持つ北海道ならではという感じがしますが、人口が札幌に集中する中で独立リーグが北海道全体を活性化できるか注目です。
もちろん、大都市札幌圏にも多くのチームがありますが、その中でなんといっても注目なのはファイターズの新球場エスコンフィールド北海道でしょう。
日本はおろか世界にも類を見ない新世代のボールパークで、どれだけ盛り上がるのかとても楽しみです。
一方、埼玉はJリーグ屈指の人気を誇る浦和レッズとそのライバル大宮アルディージャがいますが、目を引くのは全国最多の3クラブがあるWEリーグでしょう。
浦和と大宮のそれぞれのレディースチームの他、少女サッカーが盛んな狭山市を源流とするちふれASエルフェン埼玉がいて、男子だけでなく女子サッカーも盛んです。
ぜひ埼玉からなでしこジャパン復活のきっかけを作ってほしいですね。
4位(20チーム)
大阪府
第4位は、日本第二の大都市大阪。
新しく昇格を果たしたFC大阪などJリーグの3クラブの他、リーグワンに2チーム、Tリーグに2チームなどがありますが、その中でも特徴的なのがVリーグに全国最多の6チームも所属していること。
全国最多54ものタイトルを獲得している堺ブレイザーズ、Vリーグ2連覇中のサントリーサンバーズなど強さも兼ね備えています。
大阪はバレーボール王国と言っても過言ではないでしょう。
3位(24チーム)
神奈川県
前回2位だった神奈川、一つランクダウン!といっても数え方が変わっただけですが…。
といっても決してその勢いが衰えたわけではなく、新たにBリーグに参入チームが増えるなどむしろ加速してきています。
その中でも特筆すべきはJリーグクラブの多さ。毎年優勝を争う横浜F・マリノスや川崎フロンターレの他、湘南や相模原にもあり全国最多の6クラブがあります。
政令指定都市が3つあるのは日本で神奈川だけですが、そういった大きな都市の多さも影響しているかもしれません。
新たなサッカー王国として名乗りを上げたと言っていいでしょう。
2位(31チーム)
愛知県
今回2位にランクアップしたのは愛知県!
残念ながら1チーム解散してしまったものの、Bリーグは5チームとその多さは相変わらず。
それ以上に目を引くのが、Vリーグ5チーム、Wリーグ5チーム、JDリーグ4チームとそれぞれ全国トップクラスの数の多さ!
愛知という日本一の工業都市ゆえ、非常に企業スポーツが盛んな事情がうかがえます。Bリーグの5チームも実業団出身のチームなので、これらで19チームを荒稼ぎしているというわけです。
しかし実業団のチームは状況次第で廃部してしまうこともあるため(アイシンアレイオンズなど)、今後の動向には注意が必要です。
1位(34チーム)
東京都
というわけで、相変わらず1位は日本の首都東京でした。
プロ野球やJリーグはもちろんのこと、Bリーグは前回の5チームから7チームに増え全国最多に!
盛り上がるBリーグの中心にいるのが東京と言っていいでしょう。
更に新たに開幕したラグビーリーグワンにおいても、全国最多の7チーム!
これについてはリーグの構造上の問題もある気がしますが、とにかく秩父宮ラグビー場を中心としてラグビーが盛んであることは間違いないでしょう。
他にもFリーグが5チーム、Vリーグが4チームある一方で、野球独立リーグやJDリーグのチームがないなど少し偏りも見られるようです。
あまりにも大都市すぎて、郊外に作られやすい独立リーグやソフトボールのチームはなかなかできないのかもしれません。
日本でも東京でしか見られない現象と言えるでしょう。
まとめ
以上、全国1位はやっぱり東京でした。
そりゃそうだろ、という感じもしますが、上位4つの東京、愛知、神奈川、大阪は頭一つ抜けていてやっぱり別格に思えますね。
今回幅を広げて改めて数えてみましたが、スポーツチームの数を数えているだけで地域の特色が見えてくるのはとても面白いですね。
今度やるときは人口で割るなど少し工夫してまた何か面白いものが見えてくればと思います。やる気が出たらね。
↓今回の結果です。大都市にすごく集中していることがよくわかります。
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