注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】
さいたま市浦和駒場体育館は、1974年開館、埼玉県さいたま市にあるさいたまブロンコスのホームアリーナ。
元々は浦和市民体育館として建設されたが、さいたま市の誕生に伴い今の名前に改称。
さいたま市の体育館としてはこことサイデン化学アリーナで役割を分担している。
そんな本アリーナをホームとするさいたまブロンコスは、1982年に結成されたマツダオート東京バスケ部を前身とするプロバスケチーム。
過去には対野村證券戦で261‐34というスコアを残し、これはギネスブックに乗っている。手加減しないところが日本らしいなあ…。
平成不況のあおりを受けて一時は廃部してしまうが、市民クラブとして再出発。所沢市、さいたま市をホームとする「埼玉ブロンコス」が誕生する。
転機が訪れるのは2004年。企業重視の運営に疑問を持った新潟アルビレックスBBとともに、日本初のプロバスケリーグであるbjリーグを立ち上げたのだ。
すなわち、この2チームが今のBリーグにつながる日本初のプロバスケチームなのである。
もう一つの日本初のプロバスケチーム新潟アルビレックスBBについてはこちら。
Bリーグが生まれた経緯についてはこちら。
そんな日本でも屈指の歴史を持つチームなのだが、残念ながらここに至るまでの成績は凄惨たるものである…。
何せbjリーグ時代勝率5割を超えたことは一度もなく、最終年などはなんと勝率が1割にも満たないという悲惨な状況に。
歴史は十分ながら、この成績ではもちろん2016年のBリーグ開幕時にも上のリーグに入れるわけもなく、B3リーグに振り分けられる。
2シーズン目には初めて勝率6割を超えるなど少しは成績もよくなっているが、昇格にはまだ届いていない。
そんな中で近年のトピックスとしては、横浜DeNAベイスターズの初代オーナー、ベイスターズを人気球団に育てた池田純氏がオーナーになったことである。
埼玉ブロンコスをさいたまブロンコスに改名、チームカラーをグリーンからレッドに変更するなどの改革を行った。
…と思いきや、運営が健全化したことを理由に2021年にオーナーを退任。
そんなたった1年くらいで良くなったのか?は不明だが、ともかく池田氏の影響で変革の時期に突入したことは間違いないだろう。
【アクセス】
最寄まで★★★★☆
最寄はJR北浦和駅。浦和のターミナル浦和駅から一駅、アクセスは良好だ。
最寄から★★★☆☆
北浦和駅からは住宅街を通って徒歩20分。バスも運行されているので活用したい。
また浦和駅からも歩いて行くことができる。
【観戦環境】★★★☆☆
中はいわゆる普通の体育館である。
昨今はBリーグでもカッコいいアリーナが増えてきたが、最古のプロバスケチームが明らかに後れを取ってしまっている現状はなんとも寂しい…。
二階右側の緑の壁の奥が入り口。パッと見中から入り口が見えない構造になっているのは面白い。
入り口側から見た全景。舞台上には大きな幕があるほか、二階座席の前には選手の背番号と名前があって選手を覚えやすいようになっている。
注意すべきは、この体育館は土足禁止であること。
靴を入れる袋、そしてスリッパがあると便利だ。案内に書いてあったっけなあ…。
【雰囲気】★★★☆☆
チアもおらず、光の演出もないこの体育館で孤軍奮闘していたのはMCであった。
試合前には、拍手の効果を実感してみましょう!ということで指一本を叩く、二本を叩く…と続け、最後は指五本で拍手!と会場の勢いを煽っていったのは見事であった。
とはいえ、全体的にエンタメとしては少し寂しい印象を受けたかな…。
どんどん無駄を省いて経営健全化を図ったというブロンコスだが、もしやお客さんを楽しませるという大事なものまで省いてないかな…?と少し不安になった。
エンタメにおいては、ある意味「無駄」こそが最高のスパイスにもなりうるからね…。大変難しいところですが。
そして、MCの方が未だにバスケのルールを説明しているのも少し寂しかった…。
もちろん新規客にルールを説明するのは大事なことだが、他の会場ではルールも定着してそういうフェーズはとっくに過ぎたところもある。
日本最古のチームがまだそこから抜け出せていないのはいかにも寂しい…。
【グルメ】
何かしらおやつぐらいはあるかと思ったが、特に食べられそうなものは売っていなかった。
コロナの影響なのか何なのかはよく分からないが。
北浦和駅前には、埼玉のソウルフードスタミナラーメンのお店がある。ピリ辛でおいしかった。
他にも埼玉ローカルの餃子の満州、ジャンクガレッジもあり、埼玉気分を味わえる。
【街との一体感】★☆☆☆☆
駅前は浦和レッズ一色に染まっており、さいたまブロンコスの入る隙間はない。
サッカーのまち浦和というのをまざまざと見せつけられる。
というのも、北浦和駅は浦和レッズの聖地浦和駒場競技場の最寄り駅でもあるのだ。
現在のホームは埼玉スタジアム2002だが、かつてのホームであったこちらもサポーターには大変人気があり、ここで行われる試合はチケットが即日完売になってしまう。
ということで、浦和にはなかなかバスケが入り込めないというのが現状だ。どうにか生き残る道を探したいが…。
そんな浦和レッズのホーム埼玉スタジアムはこちら。
【満足度】★★★☆☆
歴史で言えば日本屈指のものを持つさいたまブロンコスであるが、現状はトップクラスのチームに比べると周回遅れになってしまっているようだ。
そもそも埼玉はサッカーや野球の存在感が強く、確かにバスケが割って入るのは難しい土地ではある。
とはいえ周りの千葉や神奈川はBリーグもしっかり存在感を発揮しているし、やりようはいくらでもあるはずだ。
オリンピックのバスケ会場にもなったさいたまスーパーアリーナもあるこの街で、なんとかバスケチームが生き抜いていく術を見つけ出してほしい。
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