私が本当に好きなものシリーズ第3弾です。勝手にシリーズ化してますけども。
今回もスポーツとは全く関係ございません。完全に私の趣味に走っている記事です。
って思ったけど、このブログ全部が私の趣味なので特に問題はありません。
今回語りたいのは、「コンパイル」です。世間的な知名度はかなり低いんでしょうか?
それでも、「ぷよぷよ」ならばみんな知っているでしょう。コンパイルはぷよぷよを作った会社です。
しかし、現在ぷよぷよを作っているのは誰もが知る世界的企業のセガ。
今やコンパイルはもう跡形もなく消え去ってしまったのです。そう、まるで4つ集まったぷよぷよのようにね。
子供の頃コンパイルのゲームで育ってきた私が、その思い出をちょっとでも遺しておきたい。そんな記事です。
1.小学生の私をとりこにしたコンパイルとかいうゲーム会社
私とコンパイルの出会いは小学生の時。3,4年生くらいだったでしょうか。
当時、家にはその頃まだ珍しかったパソコンが導入されました。Windows98というやつですね。
そこでせっかくだから、ということでゲームを買ってもらえることになりました。
電気屋に行ってとりあえず名前の知っているゲームを2本選んだのですが、それが「電車でGO」と「ぷよぷよ」でした(電GOの話はまたいずれ)。
もちろんぷよぷよ自体は楽しかったのですが、興味を引いたのはそこにある「の~みそこねこねコンパイル」の文字と、コンパイルホームページのURL。
当時検索という文化がまだ発達しておらず、URLを直接打ち込んでホームページに飛ぶのが主流でした。今考えるとめんどくさいですけどね。
まだインターネットももの珍しい時代でしたから(繋ごうとするとピーヒョロローとかいってやたら時間がかかるような時代)、URL自体も珍しいものでしたね。
話がそれてしまいましたが、ともかく面白がってコンパイルのホームページに飛ぶことにしたのです。
そこには、「ディスクステーション」というゲーム雑誌の情報が書いてありました。これがとんでもないシロモノだったのです。
どういう雑誌か説明いたしますと、ディスクステーション(通称DS)はゲーム雑誌です。
ゲーム雑誌というと、ファミ通みたいにゲームの情報が載っている雑誌を思い浮かべるかもしれません。が、そうではないのです。
DSは、なんとゲームが入ったゲーム雑誌なのです。1枚CD-ROMがついていて、それをパソコンに挿入することで毎号5本前後のゲームを遊ぶことができたのです。
雑誌ですから、3カ月に1号くらいのペースで発刊されるし、値段も1000円前後と小学生でも十分に手の届く設定でした。
もちろん、読者の投稿コーナー、イラストコーナーもあって読み物としても十分楽しめるものでした。
子供にとってはこれ以上のおもちゃはありません。私は3カ月ごとに書店に行き、ディスクステーションをむさぼるように遊んでいました。
2.どこかで見たことあるゲームばかり。だがそれがいい
当時はあまり意識していませんでしたが、コンパイルのゲームはどこかで見たようなシステムのゲームばかりだったんですよね。
〇ただきストリートっぽいなとか、〇のカービィっぽいなとか、〇ケモンっぽいなとか、今考えると大丈夫だったんかなって思うゲームばっかりでした。
でも、そこにコンパイルのキャラクター、そして独特のノリの軽さがのっかるとあら不思議、コンパイルのゲームになっちゃうんですよね。
それが如実に表れているのが、やっぱり今も大人気の「ぷよぷよ」なんじゃないかなって思います。
ぷよぷよって、どう見ても〇トリスっぽいじゃないですか。実際当時は落ちモノパズルゲームが流行っていて、それに乗っかってつくったみたいです。
でもそこにコンパイルのキャラクター、そしてコンパイルらしい世界観が合わさって、あのような爆発的ヒットにつながったんじゃないかなって思います。
もちろん、ゲームとしても非常に完成度が高かったのもあるでしょうけどね。
あの完成度の高さから見ても、決してコンパイルはおふざけでゲーム作ってる会社じゃなかったのが分かります(実際会社がつぶれてからも各方面で元社員さんが活躍しています)。
そして改めてコンパイルのキャラクターは非常に魅力的です。アルル、シェゾ、ウィッチなどなど、今のぷよぷよでも非常に人気が高いですしね。
コンパイルのキャラクターたちはみんなかわいい見た目してるのに、どこかにコンプレックスを抱えていたりして、それでもなんやかんや楽しく暮らしていて。キャラクターがみんなすごく人間味があるんです。
セガが当時のキャラクターを大事にしてくれているのは本当にうれしいです。デザインはだいぶ今風になっちゃいましたけどね。
そういや当時は、アルルやウィッチが水着着てたりだいぶキワドイイラストもありました。社員だったイラストレーターさんはその後エロゲに関わってたりするようですし。
余談ですが、ぷよぷよのキャラクターたちはもともと魔導物語っていうRPGから持ってこられているキャラクターです。それこそ、ぷよぷよは〇ラクエでいうスライムみたいなザコ敵だったのですよ。
そんな完成度の高いゲームを作っていた一方で、ただバケツリレーをして地球を救ったり、ただマッチョマンの筋肉を触ったり、社員の北出くん(実在)を人造人間にして悪の組織を倒したり、やたら前衛的なゲームもありました。コンパイルのセンスほんとすき。
そんなコンパイルのホームページのアーカイブが残っていました。私の知っているホームページよりも少し古そうですが、それでも懐かしくて涙が出ます。
https://web.archive.org/web/19961101053740/http://www.compile.co.jp/
3.仁井谷社長とかいう一人でコンパイルを作り一人でつぶした人
さて、そんなコンパイルを作った人がこれまた面白い人なのです。
その名を仁井谷正充さんと言います。広島県出身、広島大学出身(卒業はしてないらしい)、広島電鉄の車掌などを経た生粋の広島人です。
そんなわけで、1982年にコンパイルを立ち上げたのも広島でした。
そのため小学生だった私にとって広島はコンパイルの聖地というイメージが強く、広島にはぷよまん本舗というグッズショップがあり私の憧れでした。
ぷよまんというのは広島名物もみじ饅頭のぷよぷよバージョンみたいなもので、通販で買っておいしく食べた記憶があります。まさか二度と食べられなくなるとはね…。
1991年にはぷよぷよを世に送り出すと、コンパイル、そして仁井谷社長は一躍有名になりました。
この頃にはメディアにもコスプレをして出演するなど名物社長だったようです(私自身はあんまり覚えていない)。
ぷよぷよに出てくるサタンというキャラクターには社長自ら声を当てていたり、かなりお調子乗りの人でした。実際、会社も絶好調でしたしね。
…ただ、ちょっと調子に乗りすぎたようです。
まずは、パワーアクティというソフトの大失敗。これはゲーム開発のノウハウをビジネスに生かすというコンセプトで開発されたソフトなのですが、冷静に考えてゲーム好きな人とビジネスの需要は全く関係ないですよね。
その割に巨額の投資をしてしまったため、会社の財政を圧迫することとなりました。
またぷよぷよランドを建設しようとしたり、どんぶり勘定で社員を採用したり、一方でぷよぷよに次ぐヒット作が出なかったり、一気に拡大したコンパイルは急激にしぼんでいきました。
新人社員には丁稚システムと称して1年間雑務をさせ、さらに丁稚と書かれたジャージで通勤させたりなど今でいう立派なパワハラみたいなこともやっていたみたいです。
ワンマン社長の悪いとこを詰め込んだような会社だったんでしょうね…。
そんなわけで1998年にコンパイルは倒産。その頃社長は「傷心〜きずごころ」という歌でCDデビューしました。どこまで面白いんだこの人は…。
ま、そんなのが長続きするわけもなく2000年には私の大好きだったディスクステーションは廃刊。2002年に2度目の倒産、破産しコンパイルは解散となりました。
現在の仁井谷社長はというと、未だに細々とゲームを作っていたかと思えばなぜかアイドルとM-1グランプリに出ていたりします。YouTubeもやってます。面白くはないけど…
なんというか実に生命力のたくましい人だ。
4.そんなコンパイルが今も大好きです
そんなめちゃくちゃなゲーム会社コンパイルですが、今も決して多くはないもののファンは確実に残っています。
それだけ心に残る魅力的な会社だったんですよね…。私もコンパイルとの関わりはたかだか数年でしたが、一生忘れられません。
もう一度復活して欲しい!…とまでは思いませんが、ぷよぷよの名前とともにコンパイルの名前も残っていってほしいな、というひそかな願望があります。
せめて、アルルやウィッチなどの魔導キャラは消えないでほしいな。コンパイルのように…。