かつてアメリカと覇権を争った、今でも世界有数の大国ロシア。
近頃何かと問題の多いロシアですが、そのスポーツ事情はどうなっているのか、なかなか見えてきません。
今回はそんなロシアスポーツ界の光と影を追ってみたいと思います。
1.ロシアの人気スポーツは?
まずロシアで人気のスポーツは何でしょう?以下のサイトを参考にするとこのような結果になります。
1位:サッカー・・・38%
2位:ホッケー・・・30%
3位:バイアスロン・・・21%
4位:体操、水泳・・・各20%
6位:バレーボール・・・18%
7位:ボクシング、スキー、陸上・・・各16%
10位:テニス、フィギュアスケート、バスケ・・・各14%
これを見るとやはり一番人気はサッカーのようです。日本でも本田圭佑がCSKAモスクワにいたのでそこそこ知られていますね。
ロシアプレミアリーグは日本のJリーグの前年1992年に開幕しましたが、その裏にはソビエト崩壊という大事件があります。
ある意味でJリーグとは重みが違うリーグですね…。
またアイスホッケーやバイアスロンなど、いかにも雪国ならではというスポーツも盛んのようですね。
アイスホッケーは金メダルを獲得した世界ランク3位の強豪、バイアスロンも世界3位となる10個の金メダルを獲得しています。
きっとロシアならどこにいても冬のスポーツができる環境がそろっているのでしょう。
ところで、調べてみるとロシアには戦車バイアスロンというとんでもない競技があるのを発見しました。
バイアスロンと同じように戦車でコースを回り、その後射撃を行いその結果により罰走がある、というルールです。
一応モータースポーツという位置づけなのですが、日本人は絶対思いつかないし、絶対できないスポーツです。
さすがロシアはおそロシア…
2.ロシアとオリンピック
国単位でスポーツを見る時、外せないのはやっぱりオリンピック。
夏冬のオリンピックを合わせると、ソビエト連邦時代に473個の金メダルを獲得していてぶっちぎりの2番目です。
この頃はガチでオリンピックが政治に使われていたので(今もだけど…)、まあいろいろ裏であったんだろうなってことは察します。
一方でロシアになってからは196個の金メダルを獲得しており、日本よりも少し多いくらいです。
なんだかんだ言ってロシアも十分なスポーツ大国です。
競技別でみてみると、
夏季オリンピック
・陸上競技 金メダル20個
・レスリング(フリースタイル) 金メダル19個
・フェンシング 金メダル13個
・レスリング(グレコローマン) 金メダル12個
・体操、ボクシング、新体操、アーティスティックスイミング 金メダル10個
冬季オリンピック
・フィギュアスケート 金メダル15個
・クロスカントリースキー 金メダル14個
・バイアスロン 金メダル10個
といった感じ。結構競技がバラバラなのが特徴ですね。
ただしオリンピックにおいて近年ロシアは締め出しを食らっており、OAR(Olympic Athlete from Russia)としてロシアとは別枠で出場することが増えています。
なぜか?それはドーピングしてるからです。
3.ロシアとドーピング
やはりロシアのスポーツと言ったら、ドーピング問題は避けては通れません。
ロシア選手のオリンピックのメダルはく奪件数は46件にも及び、もちろん堂々の世界第1位、メダルはく奪の3分の1がロシアという異常事態です。
ロシアのドーピングはソビエト時代から続く国家ぐるみでの伝統と言え、1980年のモスクワオリンピックでは専門家に「メダリストのうちドーピングをしていない選手を探す方が難しい」と言われるほどだったようです。
ソビエトが崩壊しロシアになってもドーピングは収まることはなく、2018年にはとうとうオリンピックから出禁を食らうことになりました。
とはいっても全く出場できないわけではなく、ドーピングの潔白が証明できた選手は個人資格でオリンピックに参加できます。
この件については世界アンチドーピング機構(WADA)が長年放置してきたこと、そして結局ロシア選手が出場できていることについて批判の声があります。
というか、OARの選手からもドーピングの陽性反応が出ています。潔白を証明した選手なのになぜ…?
結局のところ、ロシアが大国なので誰も強く出られないという、平和な祭典とは程遠い裏事情があるようです。
どうやら、ロシアのドーピング問題はまだまだ長引きそうですね。
4.まとめ
以上、ロシアのスポーツ界のご紹介でした。
寒い地域ゆえのスポーツ事情が見えてとても興味深いところなのですが、どの部分を見てもやっぱりドーピングの影がちらつくのは悲しいことです。
ロシアという国がそういう風にできてるんだろうな、とは思いますが…。
スポーツを見ればその国の光と影が見えてくるようです。
他のコラムはこちらからどうぞ↓