注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】
ワールド記念ホールは、1984年開館、兵庫県神戸市にある神戸ストークスのホームアリーナ。
日本では1983年に竣工した大阪城ホールに次ぐ室内陸上競技が可能なアリーナで、世界初のパンタドーム構法が用いられたとされている。
これは構造物をパンタグラフのように折りたたんだ状態で地上で構築し、最後に頂上まで持っていくことで安全に、かつ工期を縮める効果があるらしい。
ただここ以外では1999年に奈良で使われたのが最後で、あまり広く使われている技術ではないようだ。
これまでに前述の室内陸上競技の他、テニス、プロレス、音楽ライブや成人式に至るまで多岐にわたって使用されている。
そんな中2023年にこのアリーナをホームにすることになったのが、Bリーグの神戸ストークスである。
神戸ストークスは2011年、「兵庫ストークス」として誕生したプロバスケチーム。
ストークスの名前は兵庫県の県鳥コウノトリの英語名から。
2015年には西宮市をホームとし「西宮ストークス」に改名。
Bリーグ初年度となる2016-17シーズンにはB2リーグ初代王者となり、B1リーグへ昇格した。
しかし当時はB1とB2の格差が激しく、奮闘むなしくあえなくB2降格。今に至るまでB2での戦いが続いている。
そんなストークスは2023年より「神戸ストークス」と再度改名を行い、本拠地を西宮市から神戸市へ移した。
その大きな理由は、2025年に開業を予定している神戸アリーナの存在である。
神戸アリーナは収容人数1万人を超える神戸最大規模のアリーナとなる予定で、運営会社はアリーナと神戸ストークスが一体となった運営を目指すとしている。
日本ではこういった事例はまだ数少なく、特にストークスのようなまだまだB2リーグレベルのチームでこういった(ほぼ)専用のアリーナが作られるというのは異例中の異例である。
とはいえ神戸アリーナが完成するにはまだ時間があり、その前に神戸で名前を売っておこう、というのが今回の改名、そしてワールド記念ホールの暫定的なホーム化につながっている。
このアリーナもB2リーグのチームがホームにするには異例ともいえる大きさであり、こういった利用が許可されることからも神戸ストークスにかかる期待の大きさがうかがえる。
【アクセス】
最寄まで★★★★☆
最寄りはポートライナー市民広場駅。
神戸の中心三宮からモノレールで10分とアクセスの良さはなかなか。
モノレールの輸送能力でイベント捌きをするのは若干の不安もあるが、Bリーグくらいの規模だったらおそらく大丈夫だろう。
ガンバ大阪の試合を見にパナソニックスタジアムに行った時はなかなか大変な思いをしたので…。
最寄から★★★★★
市民広場駅からは徒歩3分ほど。
駅のホームからもワールド記念ホールの特徴的な屋根が見える。
もちろん駅を出たら少し左に曲がってあとはまっすぐ歩くだけ。
このアクセスの良さはストークスにとって大きな武器になるだろう。街中ではなく人工島だから周りがちょっと寂しいけど…。
そんな神戸に行って海もろくに見なかった旅の記録はこちら。
【観戦環境】★★★★☆
座席には勾配があって前の人の頭が気にならないのはとてもよい。
しかし…それにしてもデカすぎるっしょ!
アリーナじゃなくてホールだから仕方ないんだけど…。陸上競技もできるくらいだし。
あまりに広すぎるので、スピードスケートが行われるエムウェーブを思い出した。
スタンドはこんな感じ。中央の色が濃くなっている席は中継をやる関係なのか入れないようになっている。
そしてその上に怪しく光る広告がいかにもホール感があって、バスケの会場ではなかなか感じられない独特の雰囲気がある。
ビジョンは片方に一枚、
もう片方に小さいのが二枚。
この後ろにあるのもビジョンかな?なんで使わないのか、それともビジョンじゃないのかは分からないが。
選手入場の時はこの広いスペースを選手たちがえっちらおっちら走ってきて入場する。
選手もなかなか大変である。
反対側はちょこちょこ置物もしてあるが、広すぎるスペースを持て余してるとしか言いようがない。
ホール全景。
座席はふかふかでずっと座っていてもらくちんなのはありがたい。さすがホール。
しかし改めてバスケのコートがとても小さく見える…。
横から見るとこんなに遠くなってしまう。
さすがにこれだけ遠いと臨場感はなくなっちゃうだろうね…。
でも屋根の特徴的な形状が内側から見られるのは楽しい。
外から見る屋根の赤錆びも面白いけどね。
コンコースは外の光も入ってきて開放的だが、割と狭い。
普通の値段の自販機があるのはうれしい。周りにコンビニも無いので…。
入り口はこちら。ストークスの選手パネルなども並んでいる。
ワールドっていうのは会社の名前らしい。
このホールがあるポートアイランドに本社を置き、震災復興にも大きく貢献した会社とのこと。
その一環で作られたのがこのワールド記念ホール、ということである。
つまりこのワールド記念ホールという名前は実質的なネーミングライツというわけである(ただし命名権を取得したわけではなく、神戸市が気を使って名前に入れたという感じらしい)。
【雰囲気】★★★☆☆
チアのお姉さんやマスコットがいて盛り上げてくれるが、ホールという場所の関係上か光の演出はできないようだ。
そして広すぎて音響もあまりよくなく、音が抜けていくような感じである。
試合演出は基本的に西宮ストークス時代とほぼ同じようだが、全体的にハコの大きさには見合っていないように感じた。
これからまだまだ改善の余地がありそうだ。
とはいえ初めてバスケを見に来たお客さんも多そうだったので、伸びしろはあるはず。
新アリーナに向けて今のうちに助走をつけておきたいところ。
【グルメ】★★★★☆
アリーナ横にキッチンカーが出店。
中津からあげ。味はそこそこ。
それでも定番グルメはあると助かる。
ジェラート屋さんは国際色豊かで、トルコのチャイ味やクルミ入りなどバリエーションが豊富。
そしてこれがとてもおいしい!このお店はかなりおススメ。
おいしいものがいっぱいある神戸だけに、グルメに関してはこれから伸びしろもたくさんありそうだ。
【街との一体感】★★☆☆☆
駅を降りると神戸ストークスの大きな看板がお出迎え。
とはいえポスターはアリーナ周りでしか見られなかったし、神戸ではまだまだ新参者。
新アリーナを満杯にするためにも、できるだけ今のうちに神戸市民に名前を売っておきたい。
とりあえずポートライナーをジャックするところからかな。
【満足度】★★★☆☆
神戸に移転してきたばかりで歴史はこれから作って行く必要があるが、試合によっては入場客数が4000人を超えるなど潜在的なポテンシャルは高そうだ。
むしろ日本で数少ない100万都市に今までチームがなかったのが不思議なのかもしれない。
今回の移転は新アリーナができる前にどれだけファンを増やせるかがカギになるはずなので、まずはなんとか来てもらって楽しかったと思ってもらえるようにしたいところ。
SAGAアリーナ開場とともにB1に昇格した佐賀バルーナーズのように、うまいこと新アリーナ完成に合わせて成長を見せていきたいところだが…?
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