世界で最も儲かるスポーツリーグ、それがアメフトのNFLです。
以前にも紹介した通り、その最終決戦であるスーパーボウルの盛り上がりはまさしく世界最大級です。
そんな世界一稼ぐNFL選手ですが、その引退後がなかなか破天荒なようでして…。
1.元NFL選手の約8割が自己破産する
いきなりですが、衝撃のデータがあります。元NFL選手の約8割が自己破産しているというのです。
バスケットボールのNBA選手も引退後7割くらい自己破産しているらしいのですが、それに比べてもNFLの数字はとびぬけています。
そもそもNFL選手がどれほどのお金をもらっているかですが、下記の記事によるとNFL選手の年俸は
平均値:約2.7億円
中央値:約1.1億円
最低値:約4700万円
最高値:約65億円
とのことです。なんという高給取りなのでしょうか。
やはりこれだけのお金をもらってしまうと「自分は特別な人間だ」と思ってしまうでしょう。
だから何をやっても自分が失敗するはずがない、と思い込んでしまうわけです。
とはいえ客観的に見たら大金を持っているアメフトしかやってこなかった大男、ということになるわけですから、悪い人たちにとってはいいカモなのでしょう。
とはいえこれだけではまだ具体的なイメージがわきませんから、失敗した選手の事例を詳しく見てみることにします。
2.マイケル・ヴィックの例
マイケル・ヴィックは1980年バージニア州生まれのNFL選手。
選手としてはスターQBとして名をはせ、不人気だったファルコンズのチケットがマイケルみたさに完売するほどだったそうです。
しかし2007年、彼にとって最大のスキャンダルが発覚します。それは「闘犬賭博」です。
具体的に何をやっていたのかと言いますと、
・自宅の裏庭でドッグファイトを行っていた
・闘犬イベントを運営する違法企業の運営にかかわっていた
・闘いに敗れた犬を銃、首吊り、電気ショックなどで処刑する残虐行為を行っていた
とのことです。あまりにひどすぎて言葉も出ません…。
もちろんNFLからは無期限の出場停止処分を受け、禁固1年11月の刑に処されました。
その後は反省の様子を見せ、闘犬を撲滅する運動に携わりたいと発言。
刑期を終えるとNFL選手としても活動を再開し、パサーとしての才能が開花。
プロボウルの投票でも全体2位となるなどファンにもその活躍ぶりは受け入れられたようでした。
2017年に現役を引退し、その後は目立った話は出てきていないようです。ちゃんと心を入れ替えているといいのですが。
3.ヴィンス・ヤングの例
ヴィンス・ヤングは1983年テキサス州生まれのNFL選手。
新人QBとして37年ぶりにNFLの記録を更新する557ヤードのランを見せるなど、非凡な才能を持っていました。
一方で現役時代から素行に不安があり、たびたびトラブルを起こしていたようです。
2013年にチームを解雇されると、2014年には早速破産。現役さながらのスピーディーさ…。
その後テキサス大のレジェンド選手だったこともあり、2017年には母校から仕事をもらえることになりました。
滑り出しはまずまずで、地元ファンや後援者とのつながりを作るなど現役時代の知名度を生かして仕事をこなしていました。
しかしそれも長続きはせず…。
仕事を無断欠勤するようになり、挙句の果てには飲酒運転で逮捕されてしまうのです。
テキサス大も堪忍袋の緒が切れ、当然解雇されることになりました。
結局仕事は1年も続かなかったようです。その後は何をして生きているのか、全く分かりません。
4.OJシンプソンの例
最後は世界中を巻き込む大事件の主人公となったOJシンプソン。
シンプソンは1949年カリフォルニア州生まれのNFL選手。現役時代はスター選手として大活躍を見せ、プロボウルには6回選出、1973年にはMVPにも輝きました。
引退後もコメンテーターや俳優として幅広く活躍、1985年にはプロフットボール殿堂入りを果たすなど順風満帆でした。
そんな彼の運命が大きく変わったのは、俗にいう「OJシンプソン事件」です。
1994年6月13日、シンプソンの元妻とその友人の血だらけの死体が発見されたのがその始まりです。
シンプソンは一度手錠をはめられたものの釈放されましたが、3日後に再度逮捕状が下りました。
その時シンプソンは友人の乗る車に乗っており、追跡を逃れようとしたためカーチェイスが勃発。
この光景はなんと全米に生中継され、逃亡するシンプソンの車を追いかけるもの、テレビにくぎ付けになりピザの注文が増えるなど大騒ぎになったそうです。
CNNに動画が残っているほど。
もちろん2時間後には逮捕されてしまいますが、その後も殺人を犯したか、無実かで世間は大きく揺らぐことになりました。
結果的には刑事裁判では無罪、民事裁判では有罪といういびつな形での決着となりました。結局本当はどうだったのか、真相は今も闇の中です。
が、2007年にはシンプソンは5人の男と拳銃をもってラスベガスのホテルに押し入り、スポーツの記念品を盗む事件を起こしました。
どうやらこちらは間違いなかったようで、本人も「盗まれた記念品と妻子の写真を取り戻そうとしただけ」と言い訳するも聞き入れられず。
結局2017年に仮釈放されるまで収監されてしまいました。
真実はどうあれ、やっぱりいろいろ問題のある人物ではあったようです…。
5.まとめ
以上、いろいろとやらかしたNFL選手たちでした。
日本ではスポーツは建前上「教育のため」という一面もありますが、アメリカでは違うのでしょうか?
確かにアメフトは相手を吹っ飛ばすなかなか攻撃的なスポーツではありますが、しかしこうもめ事が多いといくらなんでも子供の模範にはならないな、とも感じます。
アメフトはアメリカの象徴ではありますが、アメフトを通してアメリカ社会の闇も垣間見えてくるようです。
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