注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】
宇部市野球場(ユーピーアールスタジアム)は、1941年開場、山口県宇部市にある野球場。
ユーピーアールは物流機器のレンタルを主な業務としている企業で一般客向けの商売は行っていないが、宇部市市政90年を記念して命名権に応募したとのことである。
せっかくなのでここでPRさせていただきました。ユーピーアールだけに…
1953年にカープとタイガースが公式戦を行ったのを皮切りに、10年に数試合程度プロ野球の試合が行われている(オープン戦なり二軍戦なりいろいろ)。
カープ、ホークス、ジャイアンツ、ベイスターズなどが主催試合を行っており、おそらく山口県内では最もプロ野球が多く開催されている球場ではないだろうか。
(ただし高校野球の決勝は山口市の山口マツダ西京きずなスタジアムが使われている)
そんな宇部市野球場で起きた最大のエピソードは、2011年4月12日に行われた読売ジャイアンツと東京ヤクルトスワローズの試合であろう。
もともと巨人の公式戦自体56年ぶり、主催試合は初めてであったのだが、この年の3月に東日本大震災が発生。
その影響で開幕がずれ込み、宇部で行われるこの試合がなんとプロ野球開幕戦となった。
フランチャイズ制を敷いた1952年以来の球団史において、巨人が地方球場で開幕戦を行ったのはこれが初めての出来事となった。
2011年の日本の混乱ぶりが分かるエピソードの一つである。
今回はそんな宇部で行われたベイスターズの主催試合を観戦した。
この前日に下関で試合を行ったので、空港も近いこの球場でちょっくら試合をして帰ろう、という感じだろうか。
【アクセス】
最寄まで★★☆☆☆
最寄はJR宇部線の東新川駅、
またはその二つ隣の草江駅。大体1時間に1本あるかないかという、田舎では標準的なくらいの頻度。
あんまり大人数が乗り込むと間違いなく大変なことになるだろう…。
最寄から★★★☆☆
東新川駅からも草江駅からも徒歩20分ほど。
特に案内はないのでグーグルマップを頼りに歩いて行くことになる。
また、草江駅は山口宇部空港の最寄り駅ともなっている。
そのため、球場から徒歩30分ほどで空港まで直接行くこともできる。遠征にはかなり便利な立地だ。
そんな宇部も散歩した旅の記録はこちら。
【観戦環境】★★★★☆
設備的には標準的な地方球場という感じだが、かなり座席に角度がついていて見やすい。
なかなかいい球場だ。
引きで見たところ。
屋根もそれなりに大きいしスタンド自体も大きく、一軍の試合などでなければ各自座りたい場所に座ることができるだろう。
地方球場としてはかなり豪勢だ。
ビジョンは磁気反転式だが、右上に一応LEDのビジョンもあり球速表示が出るようになっている。なかなか見やすい。
また中央に本日の試合結果が出る部分があり、かなり高校野球を意識したつくりになっている。それでも決勝をここでやらないのは何か理由があるんだろうか…?
アルプススタンドのあたりはベンチ式になっていて野ざらし。地方球場にはよくある。
高校野球の時はおそらくこのあたりで応援するのだろう。光景が目に浮かぶ。
コンコースは全体的にかなり狭い。やはりあまり大人数が訪れるとパンクする危険がありそうだ。
球場前の広場。いろいろオブジェもありここでピクニックするのも楽しそう。
キャッチャーとバッターっぽいオブジェもある。ルフィなみに腕が長い。
総合運動公園のような形になっており、横にはプールなんかもあるようだ。
だいぶボロボロに見えるけどまだ現役なんだろうか。
また外野フェンスの周りに沿って歩いて行くと…
スクリーンの裏側が見える。こういうところなんか好き。
ちゃんと整備されてない感じもまたいい。
照明塔にもユーピーアールスタジアムと書いてあった。
が、この角度からしか見えないのではないか…?遠くからでも見えるのかな。
裏側からだが、ベイスターズ下関ファンの集いの横断幕があった。
ベイスターズは下関発祥の球団であり、未だにファンも残っているそうだ。「横浜ベイスターズ」なのが時代を感じるねぇ。
そんな下関球場を訪れた記事はこちら(試合は見れず…)。
【雰囲気】★★★★☆
地方球場の楽しいところは、野球に対する反応がとても新鮮なところ。
ファールがスタンドに入るとどよめくし、外野にフライが上がっただけで大きな歓声が上がる。
普段プロ野球を見ていると悪い意味で慣れてしまうのだが、純粋な野球の楽しさを再確認できるいい機会になるんだよなぁ。
そしてファームの試合ではあるが有名選手も試合に登場し、その際は名前が呼ばれるたびに子供たちから大きな声援が飛ぶ。
主催はベイスターズだが場所柄ホークスファンが多そうではあったが、どちらのチームにせよ有名選手は楽しみにされているようだ。
こういうのを見るとたとえ二軍でも気を抜いたプレーはできないだろうな。
【グルメ】★★★★☆
球場外にはキッチンカーがずらっと並ぶ。
もう今やどの場所のどの球場に行ってもこういう光景が当たり前になってきた。ありがたいことだ。
もの珍しいバスラーメンを見つけたのですすってみる。バスごと移動して山口県内でラーメンを販売しているらしい。
オススメの塩煮干しラーメンをいただく。
透明なスープはすっきり飲みやすく、アクセントでついている柚子胡椒がまたいい香り。いいですねー。
そして山口名物夏みかんをつかったサワーも購入。
夏みかんは江戸時代に山口県長門市で偶然見つかった品種で、明治時代になって職を失った武士が育てるようになって栽培が盛んになったという話がある。
静岡のお茶と同じ構図だ。
夏みかんは山口県の県花にもなっているし、山口のガードレールが黄色く塗られているのは夏みかんが由来になっているという、まさしくソウルフードである。
そんな夏みかんのサワーも飲めちゃうの、控えめに言って最高!
ちなみに山口のガードレールはこんな感じである。
【満足度】★★★★☆
地方球場って設備自体は日本全国どこでも似通っているんだけど、やっぱり現地に行くことでいろいろな発見もあるしその土地ならではの事情も見えてきてとても面白い。
この宇部市野球場も山口ならでは、地方ならではの事情をいろいろ楽しむことができとても面白かった。
これだから地方球場めぐりはやめられないな…。(頼むから雨降らないでくれ…)
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