注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】
宮崎県総合運動公園硬式野球場(サンマリンスタジアム宮崎)は、2001年開場、宮崎県宮崎市にある野球場。
現在では、巨人が毎年キャンプを行っていることで有名。キャンプ前半は宮崎、後半は那覇というスケジュールが定着している。
↓同じく巨人がキャンプを行っているセルラースタジアム那覇。
2006年にはオールスターゲーム、そして2013年からはファーム日本選手権が毎年行われなるなど、宮崎を代表すると同時に日本球界にとっても何かと重宝されている球場である。
そして何より、2023年WBCの侍ジャパンキャンプ地はここ宮崎であった。
大谷やヌートバーが宮崎の地を踏むことはなかったものの、侍ジャパンの伝説はこの球場から始まったと言っても過言ではない。
まさに古事記に由来する神が舞い降りた地・宮崎の神話に新たに一ページが刻まれたと言ってよいだろう。
球場の愛称となっているサンマリンは宮崎の太陽と海をイメージしたものであるが、これを命名したのはミスターこと長嶋茂雄である。
当時巨人の監督を務めていた長嶋は、2000年キャンプで宮崎を訪れた際記者に当時できたばかりの新球場の名前について聞かれ、「サンマリンなんかいいねぇ」と答えたそう。
これがメディアで大きく取り上げられ、愛称の公募も行ったもののサンマリンを含んだ名称が多くこれに決定したとのこと。
個人的にはその場の思い付きの割にはとてもセンスがいいネーミングだと思うのですが、うーんどうでしょう。
【アクセス】
最寄まで★★☆☆☆
最寄はJR日南線木花駅。
…であるが、
・宮崎空港駅からも宮崎駅からも乗り換えがほぼ必須
・車両が短い
・本数も少ない
・ICカードが使えない
といった点を考えると、宮崎空港や宮崎駅から運行される臨時シャトルバスを利用するのが無難。
バスの方はICカードも使えるし、スマホアプリで一日乗車券を購入すればお得で便利に乗車できる。
地方にしては珍しく駅から歩ける球場なのだが、その便利さを十分に生かせているとは言い難いのが現状である。
(ちなみに木花駅にはキャンプを行っているジャイアンツの装飾が施されている)
最寄から★★★☆☆
木花駅からは徒歩20分ほど(らしい)。
バスであれば宮崎空港からは10分、宮崎駅からは40分くらい。
もちろん道路状況によっても大きく変わるので、余裕を見ておくに越したことはない。
【観戦環境】★★★★☆
グラウンドまで遠すぎず、傾斜もあって前の人の頭も邪魔にならず、なかなか見やすい。よく計算された球場だ。
何より、内外野がすべて天然芝となっており非常にキレイ。
日本の公式野球場で内外野が天然芝となっているのはほっともっとフィールド神戸やMAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島などわずかに7球場のみ。
侍ジャパンがキャンプを行ったのもうなずける、野球には最適の球場だ。
同じく内外野総天然芝の球場たち。
ただし屋根は内野席の一部のみ。ほとんどの観客は宮崎の厳しい日差しにさらされることになる。
例え春や秋であっても、日焼け止めを塗るなど万全の対策が必要だ。
ちなみに4月であったが、何もしなかった私は肌が真っ赤になり顔をまともに洗うことも出来なくなった。
宮崎の太陽はとんでもない威力を持っている…。
最大収容人数は3万人と、地方球場としては最大級の規模。
ドリンクホルダーや背もたれはないものの、座席が個別にわかれているのは地味にうれしいポイント。
多くの地方球場はベンチや芝生席になっていてなかなかに居心地が悪いのだ。
また外野席も芝生ではなくちゃんと座席が設置されている。地方球場ではかなり珍しい。
ビジョンは両チームのスタメンとスコアボード、そして下に演出を流せるような小さなものがあり、4分割されていてかなり特殊な構造である。
こんなビジョンは他になかなかないだろうが、しかし使いこなすのは結構大変だろうな。
そこかしこに少し老朽化も見える球場だが、車いすスペースやエレベーターもあり一応のバリアフリー構造にはなっている。
こちらが球場のコンコース。グルメを販売するにはちょっと苦労しそうだが、それなりに広々としている。
特徴的なのが球場の周りに設けられたこちらのスペース。
どうやら海が近いこともあってか、万が一の際にこちらに逃げ込めるようになっているようだ。
球場周りに何カ所か用意されていて、おそらく3.11を受けて作られたものだろう。
ただ、球場周りにあまり人が住んでいなさそうなので、有事の際に活用できるかどうかは微妙なところ。
ないよりはいいだろうけど…。
このスペースから見る球場とその周辺の様子。
遠くには一直線に並んだヤシの木が見え、南国気分に浸ることができる。
もちろん、球場周りにもヤシの木が生えている。
内野スタンドと外野スタンドは独立しているが、一応申し訳程度に通路が設けられている。
ただ細いのであまりあてにするものではなさそう。
【雰囲気】★★★★☆
本日は緑の「ファイト!九州」ユニフォームが配られ、お客さんの多くも身に着けていた。
こちらは九州各県の山をイメージしたユニフォームで、なかなかにオシャレだ。
とはいえ声援自体はビジターのライオンズの方が大きかった。相手の方が声が出るというのは野球あるあるの一つ。
昼間であるが、なんと花火が打ち上げられた。
色を付けるなどなかなか強引ではあるが、イベント感が出てとても良い。
地元の高校生のパフォーマンスなども行われた。
普段のホークスのような派手な演出はできないが、宮崎と密着したイベントを行おうという意気込みを感じた。
もちろん外にはグッズ売り場や各イベントブースが設けられており、仮設ながら十分に楽しめる工夫がされていた。
【グルメ】★★★★★
球場外に出ていたグルメはわずか5店舗。
これで2万人を超える観客の腹を満たすのはかなり無理があると言わざるを得ない。実際結構パンク気味だったように思う。
長時間並んだ末、2000円もする宮崎牛ステーキ丼を購入。ったく、年一のイベントだし仕方ないかー。
ぱく。もぐもぐ。
…なんだこれは、うますぎるぞ!?
見た目だけでもそのおいしさは十分に伝わると思うが、普通に高級ステーキ店で出てきても納得できるクオリティである。
これで2000円は、むしろ破格と言ってよい。この球場で宮崎牛のステーキ丼を見つけたら真っ先に購入するべきである。
その隣で売っていた肉巻きおにぎり。
某芸人がやらかしたときに宮崎で売っていたことで話題となったが、肉巻きおにぎりはここ宮崎が発祥と言われている。
肉がご飯を巻いても崩れないようかなり固めの食感になっていて、ご飯自体も固く見た目よりも結構ずっしりくる。
一つ食べれば十分お腹にたまるだろう。
さらにこの日は宮崎土産付きチケットを購入。
炭火焼き鳥、ゴボチ、辛麺といった宮崎名物の数々をなんとタダでもらうことができた。
…とはいえ料金はおそらく、いや間違いなくチケット代に含まれているだろうが、しかしこういうお得感を演出するのは大事だ。
お土産選ぶのも結構面倒くさいしね。
調子に乗ってグッズショップにて佐賀、大分、鹿児島、そして宮崎とホークスがコラボした商品をゲット。
これは見つけたらぜひお土産に買ってしまいたくなるし、ホークスの戦略は実にうまい。
ただ一つ、熊本とのコラボ商品はあまりにデカすぎて買う気にならなかった。もう半分サイズにならないかな…。
そして一定以上のお金を使うとかわいいバットのキーホルダーをもらうことができた。
もう宮崎観光はこれだけで大満足だ。
…といってもちゃんと観光もした南九州の旅の記録はこちら。
【満足度】★★★★★
試合自体はとても楽しく観戦することができたのだが、この球場で何より心に刺さったのは、あまりにうますぎる宮崎牛のステーキであった。
試合を立ち去った後も私の胸の中には宮崎牛が心に引っかかっていたし、なんなら時間が経った今も引っかかり続けている。
それが満足度を5に引き上げた最大の要因だ。
ああ、あの宮崎牛がまた食べたいな…。家の近くに宮崎牛屋さんできないかなあ…。
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