スタ辞苑〜全国スタジアム観戦記〜

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横浜BUNTAI~新生BUNTAI、いざ出航!~

注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大の情報を元にしています

【概要】

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横浜BUNTAIは、2024年竣工、神奈川県横浜市にあるアリーナ。

 

かつてこの場所には、1962年に完成した横浜文化体育館、通称文体があった。

横浜市の成人式も行われるなど横浜を代表するアリーナであったが、老朽化のため2020年に閉館となった。

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新アリーナ建て替えに向けてメインアリーナには「横浜ユナイテッドアリーナ」の仮称が付けられ、サブアリーナである横浜武道館は先立って2020年に開館した。

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仮称で「横浜ユナイテッドアリーナ」と名付けられていたメインアリーナだが、市民からの募集を行い検討を行った結果、「文体」に由来する「横浜BUNTAI」となることが2022年正式決定した。

ちなみに運営会社は「株式会社YOKOHAMA文体」で、読み方は同じながらアルファベットと漢字の順番が逆になっている。

すごい混乱しそうだけどいいのか…?

 

横浜BUNTAIのこけら落としは2024年4月6日、地元横浜出身のゆずによるライブとなった。

まさに横浜新時代の幕開けにふさわしい人選であろう。

 

なおサブアリーナである横浜武道館は「市民がスポーツをする場所」であるのに対し、メインアリーナである横浜BUNTAIは「市民がイベントを楽しむ場所」として設計されている。

すなわち、今回のようにBリーグの横浜ビーコルセアーズの試合を行うのには最適な場所なのだ。

外観もそれに合わせ、横浜の浜風になびくをイメージしたものとなっている。

 

今回はそんな横浜BUNTAIが、本当にスポーツを存分に楽しめる場所なのかチェックしていきたい。

【アクセス】

最寄まで★★★★★

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最寄はJR根岸線・横浜市営地下鉄ブルーライン関内駅。

横浜における中心駅の一つ。市役所は隣の桜木町に移転してしまったが、きっとすぐに大きなビルが建つことだろう。

 

最寄から★★★★★

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関内駅からは徒歩数分。駅の出口に横浜BUNTAIの案内が。

 

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道路を渡ったこちらにも案内が。

 

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横浜DeNAベイスターズのホーム、横浜スタジアムとは目と鼻の先。

この距離なら十分親子ゲームができる。地下鉄で新横浜まで行けばマリノスとも孫ゲームが…?

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雑多なビル群を抜けていくと…

 

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すぐに特徴的な外観の横浜BUNTAIが見えてくる。

 

【観戦環境】★★★★☆

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着席して最初に思ったこと。

手すりが邪魔ッ…!

 

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実際試合に集中するとそんなに気にはならないんだけど、写真を撮るのが好きな人からしたら結構致命的だ。

なんとかならなかったのかなあ…。

 

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一方、アリーナ後方の巨大ビジョンは非常に迫力がある。

日本一の収容人数を誇る日産スタジアムよりもビジョンは大きいとのこと。そりゃデカいわ…。

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最後方から見たアリーナ全景

完全に音楽ライブを意識した設計となっていて、非対称の構造が特徴的だ。

 

ライブだとどうしても背中ができるからこうした形状が合理的だが、バスケだとそういう概念がないからちょっともったいない感じはある。

実際このあたりだと、5000人という収容人数の割にはコートまで少し遠さがある。

 

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横から見るとその特徴的な構造がよく分かる。

 

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これで5000人ということは、反対側にもこれがあったら10000人ということ。

つまり片側だけで見たら、十分横浜アリーナ並みの規模があるということである。

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座席は跳ね上げ式で、もちろんドリンクホルダー完備。

見るための施設だから、さすがに観客の快適性には手を抜いていない。

 

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アリーナの最上部にはVIPスペースがあるようだ。

しかし見やすいかというと、決してそうでもないような気はする。

 

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アリーナ自体のスペースが狭いせいか、上層の座席は高さを稼いで少しでも見やすくしている。

都会ならではの苦肉の策、という感じである。

 

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アリーナ入り口は一カ所しかない代わりに、混雑しないよう非常に広くスペースが取られている。

車いす席はここの手すりの部分だ。

 

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一方でコンコースは結構混みあう。

 

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開放的なガラス張りで、天井のデザインもをイメージしてるっぽい。

海賊をモチーフにしたビーコルには最適だ。

 

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遠征客にはありがたいコインロッカー付き。

どこのスタジアムやアリーナにもとりあえず置いといてほしいな…と思っている。

 

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入り組んだ道の先は何かと思ったら、どうやらトイレの出口だったようだ。危ない危ない。

混雑防止のためこのアリーナでも一方通行式のトイレだ。本当にこれはどこの施設でも導入して欲しい。

 

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授乳室も完備。最近はこういう設備も必須級だ。

 

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アリーナと直結したところにサブアリーナがあり、グッズショップや選手のパネルなどが設置されている。

見た目よりは意外と広くないが、何より天井が高くて非常に開放的

 

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外のゲートはこちら。手前で手荷物検査を行い、階段で上がってチケットチェックを行う。

 

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その階段には、旧横浜文化体育館が歩んできた歴史が刻まれている。

この一つ一つのイベントに思い出が詰め込まれているのだ。

 

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アリーナの裏側には旧文体の歴史が展示されている。

なぜ中国語なのかはまったくもって不明。確かに中華街近いけど…。

 

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こちらは旧文体の外観

ここの何とも言えない重厚な空気感、結構好きだったなあ…。ちゃんと記録に残しておけばよかった。

 

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こちらができたころの文体。美空ひばりサザンオールスターズも舞台に立ったことがある。

1964年東京オリンピックでは、東洋の魔女と呼ばれたバレーボールの会場ともなった。

 

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こちらが文体終盤の記録。ゆずのサインも飾られている。

ここをじっくり見るだけでも十分楽しい。

 

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アリーナでありながら機械式駐車場も整備されている。

スペースの無さゆえの苦労はこんなところにも見える。

 

【雰囲気】★★★★★

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このアリーナの主役は、間違いなくこのビジョン

めちゃくちゃ発色が良く色鮮やかで、こんなきれいなビジョンみたことない。

 

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YOKOHAMAの文字もこんなにくっきり。横浜国際プールでは考えられない…。

関係ないけどローマ字のYOKOHAMAって文字、日本の地名で一番見栄えがすると思ってる。

 

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こんなきめ細かな画像もくっきりと。す、すげえ…。

徹底的にこだわったであろう音響の良さもあって、映画の上映も出来そうな設備がそろっている。

 

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試合前には文体とBUNTAIの紹介もあったり、あるいは河村選手が対戦相手の三遠ネオフェニックスでBリーグデビューを飾ったことを紹介したり。

 

こうやって歴史や相手チームとのかかわりを紹介することは試合への興味を引くきっかけにもなるので、どんどんやって欲しい。

ちなみに横浜ビー・コルセアーズのホーム初試合は、旧横浜文化体育館だったらしい。

 

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マスコットのコルスくんは地味なイメージがあったが、いつの間にかだいぶアクティブな動きをするようになった。

中身が変わった…いやきっとBUNTAIに向けて気合を入れたのに違いない。

 

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マリノスの永戸選手が登場。

ここ最近はベイスターズ、マリノス、ビーコルの関係がだいぶ良好なようでよろしい。

 

残念ながらベイスターズとビーコルは親会社の関係であんまり近づけない、という悲しい面があるのだが…。

せっかく目と鼻の先で試合やってるのにねえ。

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海賊をモチーフにしているだけあって「船内」という表現を徹底している。

船っぽい外見のBUNTAIはイメージにぴったりだ。

 

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場内が暗転するとまた空気が変わる。

白い布を使ったチアのパフォーマンスはなんとも幻想的

 

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白煙が吹き上がり、いざ出航の時。

 

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日本の至宝・河村勇樹登場時には火も吹き上がる。

従来のビーコルでは考えられなかった派手な演出ぶりだ。

 

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こういう旗がひるがえっている映像とかも、些細なところではあるがビーコルの進化を見たようでうれしくなる。

マジでかっちょいいやんけ…。

 

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この煽り映像はパイレーツオブカリビアンというか、ワンピースというか、そんな感じ。

 

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漢字の海賊ってのもなかなかいいなあ。悪そうだね。

 

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そしてこの日最大のサプライズ、なんとゆずの北川悠仁さんが登場!

海賊の鐘を5回鳴らした。

 

試合前はおろか、試合後にも公式にはどこにも情報が出てこなかった。つまり完全なプライベートでの観戦、ということである。

いやこんだけ大々的に紹介しといてプライベートというのもアレだが、仕事ではなく一ファンとしての扱いだったように見えた。

 

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普通のファンはバズーカ打ったりしないけど…。

でも場内へのコメントも一言もなかったし、ただただ普通に観戦していた。すごいことだよこれは…。

 

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ゆーじんさんちゃんとクラップまで持ってるんだなあ…。買ったのかもらったのか知らないけど…。

 

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応援時に映し出されるYOKOHAMAの文字、その後ろにはちゃんと横浜の景色が。

オシャレだなあ…。

 

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ハーフタイムには頭で回るパフォーマンスの人たち。

すっごいくるくる回るのよ…。

 

そして今回面白かったのが、相手チームのフリースロー時に流れるブーイング煽り映像

あまりに多種多様だったので一挙ご紹介。

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まずはスタンダードな映像。この時点で今まででは考えられなかったオシャレなものだが…。

 

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ブースターディフェンスの文字。Oがちょっと多くない…?

 

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あーあ、壊れちゃった…。

 

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唐突な045

ちなみに横浜市の市外局番である。意味は全く分からない。

 

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唐突な横浜市歌

とはいえプレー中なのでさすがにメロディーは流れない。ただ、歌詞が出るだけ

 

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えーっと…バグったのかな?

 

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アザラシかわいい!

これはどうやら八景島シーパラダイスのようだ。

 

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これは…もしかしてゆず…?

ゆずの後ろに、ゆず…

 

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いよいよよく分からなくなってきた。

 

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おーきれいな横浜の風景だねえ。

真ん中がみなとみらい、右側の橋が横浜ベイブリッジですな。

 

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にゃんずも見ているぞ。

 

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アニマルがいっぱい。これはきっとよこはま動物園ズーラシア

最近行ってないなあ…。

 

更にタイムアウトの映像も面白い。

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これは山下公園ですな。

ここからなら歩いて20分くらいかな。

 

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これは横浜のシンボルベイブリッジ

なんだかんだで渡る機会は多い。

 

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急に海賊っぽくなった。ワンピースにもこんなのいるもんな。

 

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こちらも海賊

ちなみに横浜港に海賊はいないよ。

 

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これは見事な横浜の夜景。よく見てる私でもなんだかんだ感動する。

 

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これは横浜の新名所赤レンガ倉庫

個人的には雰囲気のある商業施設、っていうイメージ。

 

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なおレフェリーへのヘッドコーチチャレンジが成功すると、ヘッドコーチがニコニコで登場。

煽り性能高いねえ。

 

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そして最後はビーコルの象徴バラでフィニッシュ。

…どれだけフリースロー打たれてるんだっていう話もあるが、どれだけ映像が用意されているんだってのも非常に楽しく見られた。

 

これまでのビーコルの強みは、

・クラップを使った大音量での応援

・チアであるB-ROSEの洗練されたパフォーマンス

だと思っていた。

 

ところが今回それに加えて、

・ビジョンを最大限にまで生かしたきめ細やかで鮮やかな映像

・圧倒的な音響を用いた映画のような臨場感

・火や煙、レーザー光をフル活用した迫力の演出

といった、横浜BUNTAIの最高峰の設備を用いた非常に洗練された演出が新たな強みに加わった。

 

これに加えて

・ブーイング時の意味の分からない映像

・横浜の名所を随所に盛り込んだ映像

など横浜らしいカオスな感じ、オシャレな感じも新たな武器として加わった。

 

要するにビーコルはこれまでの強みは消さずに、圧倒的にブラッシュアップしてきたのだ。

正直、今までの手作り感の強かったビーコルとは全くの別モノだし、この演出内容で見たら一気にBリーグ最高峰にまで躍り出たと自信を持って言える。

まさにプロの仕事だ。

 

何がどうなったのかはよく分からないが、河村勇樹マネーの影響は無視できないだろうな…とは思う。

河村勇樹様様だ。

 

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試合の方は追い上げる場面もあったものの結局敗れてしまった。

ビーコルに今一番足りないもの、それはバスケの成績だ。底辺をさまよってた頃よりはよっぽどマシだけど、今勢いがあるうちに目に見える結果が欲しい。

 

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なおゆーじんさんは、きっちり最後まで観戦して撤収した。

マジでただただバスケを楽しみに来たらしい。ちなみに高校時代バスケ部だったとのことだ。

 

【グルメ】★★★☆☆

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コンコース内にずらっと売店が並んでいて、グルメを購入することができる。

基本的にどこに並んでも同じメニューのようだ。

 

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おそらく一番オススメのBUNTAIドッグを購入。

パンもソーセージもこだわった素材であることは感じるが、いかんせん800円という値段がネックだ…。

大阪ドームのいてまえドッグなら同じ値段で3倍の量食べられる。

 

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なにせ公式サイトに「関内駅周辺の飲食店を使ってください」と書いてあるくらいだから、スペースの狭さ的にそもそもさじを投げているようだ。

沖縄アリーナくらいの充実感が出て来れば、アリーナグルメでも戦えるんだけど…

 

【満足度】★★★★★

横浜の中心という立地の良さ、迫力のビジョン音響設備、ビーコルの試合演出自体の革命的な進化、さまざまな要素がかみ合って、いつの間にかBリーグ最高峰のエンタメを作り出していた。

 

これまで残留プレーオフで散々苦しんできたあの日々を思い出すと、もはや同じチームとは思えないほどの変貌っぷりだ。

その一方でブースターの熱量は変わってなかったし、チアのオシャレなパフォーマンスも相変わらずだった。

 

個人的にはBリーグで最も驚きを受けた試合の一つであったし、ビーコルにとっても大きなターニングポイントになる試合となったはずだ。

一番驚いたのはゆーじんがお忍びで来ていたことだけど…。それもビーコルの進化の一端だろう。

 

今なら自信を持って言える。横浜を背負えるチームは、横浜ビー・コルセアーズだ!

 

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