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公営ギャンブルはなぜ合法なのか【コラムその137】

日本において、賭博は犯罪です。

 

時折、高校野球なんかを対象に仲間内でお金を集めてしまいニュースになったりすることがありますね。

2015年には巨人の選手が賭博をして逮捕されたりもしました。アレは暴力団とも関わってるという大問題もありましたが…。

 

その一方、日本では堂々とギャンブルができる場所がありますよね。

それが公営ギャンブル、いわゆる競馬、競輪、競艇、オートレースです。

 

どれもばっちりテレビで宣伝をやっているし、特に警察が取り締まっている様子はありません。

果たしてその線引きはどこにあるのでしょうか?調べてみます。

 

今回は以下の法律事務所のホームページを参考にさせていただきました。

wakailaw.com

bengoshihoken-mikata.jp

legalus.jp

1.どういった行為が賭博罪になるのか

まず、賭博とはどういう行為なのでしょうか?

それは、「偶然の勝敗」によって「財物や財産上の利益」について「得喪を2人以上の者が争う」行為とのことです。

ううむ、よく分かりませんね…。

 

まず「偶然の勝敗」とは、勝敗の結果が確実に予見できない勝負事のことです。

スポーツでも、将棋でもなんでも、ちょっとでも偶然の余地が入るときはこれに含まれます。

むしろ、偶然じゃない勝敗ってなんかあるのか…?

 

「財物や財産上の利益」は、現金やそれに相当する財産のことと考えればよいでしょう。

貴金属や高級ブランドのバッグや時計もこれに相当します。高額な場合はオンラインゲームのアイテムも適用されるとのこと。

 

「得喪を2人以上の者が争う」とは、お互いがリスクを背負って賭け事をする、ということです。

ビンゴゲームや福引などは主催者が一方的にお金を出して参加者はリスクを負わないので、賭博には当たりません(参加費を出したり、福引券のためにお買い物したりするので間接的にお金を出してはいますが…)。

 

一方で、「一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるとき」は賭博罪にあたりません。

つまり、食事を賭ける、飲み物を賭ける、といった一時の娯楽品であればセーフということです。

 

夕食賭けマージャンはギリギリセーフ(保証はしません!)ですが、夕食代賭けマージャンはアウトの可能性があります。お金を賭けてはいけません。

 

しかし正直、素人にはその線引きが非常にあいまいで分かりにくいです。

大体、黒川検事長が賭けマージャンやっとるからな…。1回2万円までならセーフらしいぞ。

 

現実問題として身内でこっそりやっているような場合にいきなり警察が捕まえに来るということはあまりないようですが、とはいえ捕まっている場合もあるので怪しいことはやめましょう

 

というか、素人には判断が難しすぎます。飲食物に限ると思っておけばとりあえずいいでしょう。

でなきゃぐるナイのゴチになりますは犯罪になってしまいます。

 

ところで、「ドキュメンタル」は違法にならないのでしょうか…?

弁護士の方の考察がありましたが、結構ギリギリのラインに感じます。

ameblo.jp

 

2.なぜ賭博は犯罪になるのか

そもそも、賭博行為はなぜ犯罪になってしまうのでしょうか?

昭和25年の判例によれば、

・賭博が「諸国民をして怠惰浪費の弊風を生ぜしめる」こと、

・「健康で文化的な社会の基礎を成す勤労の美風(憲法二七条一項参照)を害する」こと、

・「暴行、脅迫、殺傷、強窃盗その他の副次的犯罪を誘発」すること、

・「国民経済の機能に重大な障害を与える恐れ」があること

がその理由として挙げられています。

 

つまり、

1.楽して儲けようとしないで働け

2.暴力的行為につながりやすいからやめとけ

3.変なところにお金を突っ込むのもやめとけ

といったところでしょうか。

うーん、なんというか、ふわふわした感じでわざわざ犯罪にする理由がつかみにくいですね…。

 

当時は戦後の混乱期だったということもあり、社会の風紀を乱す可能性のある賭博はなるべく抑え込んでおく必要があった、

そのとっかかりとしてこういった法律を作った、というのが一番しっくりくる理由でしょうか。

もちろん暴力団が賭博を資金源にすることを抑制する目的もあったでしょう。

 

ただ正直なところ、戦後の混乱期に比べて社会が落ち着いた現代の日本においては、少し時代遅れになっている節も感じられます。

もちろん賭博罪がなくなったら暴力団が堂々と賭博場を開くことができるので、なくすわけにはいきませんが…。

 

3.公営ギャンブルの線引きとは

では、本題のなぜ公営ギャンブルが合法なのか?について。

まず仕組みから言えば、合法なギャンブルについてはそれぞれ細かく法律が制定されています。

・競馬法

・自転車競技法

・モーターボート競走法

…など。

これらの法律を満たしている限り、いくらギャンブルでも合法です。

 

この他には例えば宝くじ、スポーツくじ、お年玉年賀はがきに至るまでそれぞれ法律が用意されています。

賭博行為自体は違法ですが、それぞれの法律が違法行為の一部を合法に変えている、というイメージですね。なかなか強引な仕組みです…。

 

では、なぜこれらの公営ギャンブルが合法化されているのでしょうか?

それは「国や自治体がやってるから」としかいいようがありません。

 

もし競馬や競輪と全く同じことを一般人が勝手にやったら捕まってしまいます。暴力団は言わずもがな。

国や自治体がやっているから公的資金の歳入源にもなるし、お金の流れも明瞭だから合法になっているというわけです。

 

しかし我々の立場から考えてみると、公営ギャンブルも違法賭博もやることは同じです。

公営ギャンブルだってハマってしまえば人生めちゃくちゃになりうる代物ですが、それでも公営ギャンブルは合法です。

 

つまり、結局自分の身は自分で守らないといけないということです。

なんだか日本の闇を感じないでもないですが、そういう風になっているんだからしょうがありません…。
一平もギャンブルが無ければ…

 

4.まとめ

以上、公営ギャンブルはなぜ合法なのか調べてみました。

結局この界隈全体の線引きがすべて非常にあいまいなので、全体的にすごく分かりにくくなっています。

 

とりあえず一般人ができることは、ちゃんと分別をもちましょう、ということぐらいでしょうか。

ギャンブルは計画的に。

 

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