注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】
東京アクアティクスセンターは、2020年竣工、東京都江東区にあるプール。2020東京オリンピック・パラリンピックの競泳会場として使用された。
センターのつづりが「CENTER」ではなくイギリス英語の「CENTRE」になってるのは何かのこだわり?
オリンピックにおいては観客席15000席という大規模な施設であったが、コロナの影響で結局無観客に(なんともったいない…)。
2023年までに多くの観客席は撤去され、改修も行ったうえで5000席のプールとして再開業した。
現在では老朽化の進んだすぐお隣にある東京辰巳国際水泳場に代わって、日本のメインプールとしての役割を果たしている。
なお東京辰巳国際水泳場の方は、フィギュアスケートやアイスホッケーができるアイスアリーナとして生まれ変わる予定だ。
今回はそんな新たな日本競泳の聖地・東京アクアティクスセンターで行われた、国際大会代表選手選考会を観戦した。
パリオリンピックへのチケットを賭けた日本の頂点を目指す熱き戦いの様子をこの目に収めたい。
【アクセス】
最寄まで★★★★☆
最寄は東京メトロ有楽町線辰巳駅。
有楽町や池袋から来ることができるが、筆者にはあまりなじみのない路線である。
辰巳なので、駅前には辰がいる。
またJR京葉線の潮見駅も徒歩圏内。こちらは東京まで行けて便利。
最寄から★★★★☆
辰巳駅からは徒歩10分少々。
少々頼りない案内に沿って細い道を歩いて行く。
ふと横を見ると公園の奥に大都会TOKYOを感じられる。
途中ちょっと怪しげな団地があるが、気にせずまっすぐ歩く。
廃墟マニアは好きそう…。
すると進行方向右側道路を渡ったところに大きな建物が見えてくる。
こちらが入り口。とにかくデカくてカッコいい。
入り口は意外と普通である。チケット売り場も設けられている。
アクアティクスセンターを含む公園一帯は多目的に使える広場となっている。
この木を使った感じがいかにも東京オリンピックだ。
ここら辺では誰でも楽しめるニュースポーツを推していて、あまり聞きなじみのないスポーツの説明書きが並んでいる。
そういえば子供の時ディスクゴルフとかやった気がするなあ…。
アクアティクスセンターからすぐそこに見えるのが、旧東京辰巳国際水泳場。
行った時点では改修工事を行っており、2025年に東京辰巳アイスアリーナとして生まれ変わる。
帰りは潮見駅へ。徒歩15分ほどで辰巳駅とさほど変わらない距離。
大都会TOKYOの夜景を楽しみながら。
【観戦環境】★★★★★
入った瞬間のファーストインパクトは、「うわっすごっ!」
めちゃくちゃ明るいし、キレイだし、カッコいい。
他のオリンピックレガシーと比べてもとびぬけていい施設だと感じた。
①水を扱うからオリンピックレガシー特有の「木材縛り」がない
②水泳でしか使えないから、国立競技場のように多目的を目指して全部中途半端になってしまうようなことがない
のがその理由か。
二兎を追う者は一兎をも得ず…スタジアムやアリーナを作る人には肝に銘じてもらいたい。
入り口はこちら側。
建物の外に多少の階段はあるものの、段差なくここまで来られるのもバリアフリーが行き届いている証拠。
これすらできていないオリンピックレガシーも多く…。
もちろん車いすスペースは段差なく作られており、しかもこんなにいるのかってくらい数がある。
パラリンピックも行われたわけだから、車いすに関しても手厚くしているのかもしれない。
改めて見ると本当に水がキレイだ。最新の水処理技術が使われているとのこと。
消毒には紫外線が使われているとのことで、プール特有の塩素臭がしないのもスゴイ。
ただ強いて言えば、めっちゃ暑い。
選手が最高のパフォーマンスを発揮するのにはこれくらい暑くしなければいけないのだろうか?
もちろんさすがに選手ファーストなのでそれは観客が我慢するしかないのだが…。
水温は25℃くらいらしい。
選手と並行に撮影できるカメラがこちら。
選手は懸命に泳いでいるのに係りのおじさんの早歩きと同じくらいのスピードで、水泳って大変なんだなあと改めて思った。
観客席はドリンクホルダーこそないものの(別に観る施設じゃないからしょうがない)、スペースがゆったり取られていて非常に快適。
国立競技場もこれくらい余裕があったらよかったのにねえ…。
飛び込み台は競泳プールの奥側にある。
どうしても飛び込み台は地味な場所になってしまいがちだ。
スタート台はこちら。
選手の後ろ側がビジョンになっていてこれもまたとてもカッコいい。
中央上部に大型ビジョンがある。
選手が人生をかけて泳ぐ中、優雅にビールを飲みながら観戦なんてこともできるようだ。
天井は水面をイメージしているのかなみなみとしていて、これもまたオシャレポイント。
200円もしたがスタートプログラムを購入。
結果的にこれがないと選手の名前や派遣標準記録も分からないし、大正解だった。
コンコースはこちら。わりかし普通。
なぜか自販機が充実していて、飲み物の他アイスやパンも購入できる。
水泳ってエネルギーを消費するから、置いておくと結構売れるのかもしれない。周りにコンビニもない場所だし。
もちろん、東京オリンピックのマスコットの…えーっと名前は…
もいる。
こちらにはオリンピックやパラリンピックを行った証明書?や、大会の結果などが飾られている。
この施設がある限りはずっと残り続けるだろう。
【雰囲気】★★★★☆
まずは準決勝から。選手が読み上げられ、ぞろぞろとプールに入ってくる。
ゲートの奥に次の選手たちが待機している。
プールサイドへ来るとジャージを脱いで戦闘態勢へ。
ちなみにその後ろにはずらっと係員が並んでいる。不正などがないかチェックしているのかもしれない。
いざスタート。係員もずっと見ている。
背泳ぎだとスタートの時目線が合ってちょっと気まずいのではないか。そんなこと気にしないか…。
キレイにスタート。競技中も係員はずっと見ている。
水泳は陸上のようにフライングってあんまりないイメージなんだけど、何か基準が違うのだろうか。
すごいスピードで帰ってきた。
水泳はレーンの真ん中ほど波が少なく有利で、予選でいい成績になるほど真ん中に近くなるらしい。
逆に端っこは波が大きく不利で予選の成績もあまりよくない選手が配置され、端っこから優勝する選手が出ることはあまりないとのこと。
今は波消しの技術も進んで有利不利もあまりないようだが、それでも真ん中の4レーンは野球で言えば背番号1のような誇るべき勲章だろう。
レースが終わるとすぐさま結果が発表される。思ったよりあっさり出てくる。
いよいよ決勝。準決勝と違い一人ずつ名前が呼び出されカッコいい紹介映像も流れる。
オリンピックメダリストの瀬戸大也選手は堂々の4レーン。
準決勝までは割と淡々とレースが進んでいくが、決勝ともなるといよいよ緊張感が違う。
周りとの戦い、派遣標準記録との戦い、オリンピックへの扉が開くか閉じるかの瀬戸際だ。
オリンピックへのチケットはすぐそこだ!
やりました!瀬戸選手オリンピック内定!
一方でオリンピックに届かず悔しさを隠せない選手、派遣標準記録には届かなくとも優勝できた喜びをかみしめる選手、さまざまな表情がそこにはあった。
これぞ4年に1度の人生をかけた戦いだ。
もちろんテレビと違いラインが出てこないし実況や解説も無いので、やはり普通に見るならテレビがいいだろう。
でもやっぱり現地で味わうヒリヒリ感もなかなか良いものだ。
【グルメ】
一応外にキッチンカーが出ていたりしたが、特にご飯を食べに来たわけではないので買うことはしなかった。
場内でおにぎり2個500円とかで売っていたけど、あれちゃんとさばけたのかな…?
あとで選手が食べるのかもしれないが。
新木場駅においしそうなカレーうどん屋さんがあったのでそちらで。
ご飯もついてくるなんて聞いてなかった…。
【満足度】★★★★☆
会場の盛り上げ方やチケットの売り方(完売なのに端っこは空席だった)など、そりゃあやろうと思えばもうちょっとできることもあるだろう。
しかし4年に1度の大会でそんなものを求める必要もない。
何より、選手が精いっぱい悔いのない泳ぎをしてくれればそれで十分だ。
それではまた4年後、この場所でお会いしましょう。Au revoir!
索引を作りました!
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