注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】
大井ホッケー競技場は、2019年開場、東京都品川区にあるホッケー場。
2020東京オリンピックに向けて新設されたメインピッチと、既存の施設を改修したサブピッチからなる。
ホッケーだけでなくフットサルなど多目的な用途でも使用できるとのこと。ただし赤字ではあるらしい…(利益を求めた施設じゃないんだろうけど)。
ちなみに私事であるが、オリンピックでは女子ホッケー決勝のチケットが当たったので見に行く予定だった。
無論無観客になってしまったので、泣く泣く払い戻しをしたが…。
今回観戦したのは全日本ホッケー選手権の決勝トーナメント。ホッケーシーズンのラストを飾る大事な大会とのことである。
大学とクラブチームが入り混じる大会で、ある意味日本選手権のあるべき姿という感じがする。
サッカーの天皇杯と同じですね。
ここ最近の優勝チームの傾向を見ると5年に1回くらい大学チームが優勝するくらいの頻度で、基本的にはクラブチームの方が優勢のようだ。
【アクセス】
最寄まで★★★★☆
最寄りは京浜急行立会川駅、
あるいは東京モノレール大井競馬場駅。
要は大井競馬場や、
大田スタジアムと行き方は同じ。ほぼ隣接した施設なので。
最寄から★★★☆☆
立会川駅からは徒歩20分ほど、大井競馬場駅からは徒歩10分ほど。
立会川駅からは昭和のにおいがする龍馬通りを通る。この近くに土佐藩の屋敷があったことに由来するらしい。
銅像まで建てちゃってやる気満々だが、龍馬通りという名前になったのは2018年と結構最近。
一方、幕にはグラウンドホッケーを応援しますなどとと書いてはあるが、そちらはあまりやる気を感じない。
とりあえず書いといた感が強い。
2023年現在も、地図上では大井ホッケー競技場が「完成予定」ということになっている。
つまり街の人からもあまり関心を持たれていないことの表れである。
大井競馬場からもう少し海へ向かって歩くと公園にたどり着く。
大田スタジアムもこの中にある。
【観戦環境】★★★★★
入ってみてすぐに思ったこと。
「え、立派すぎじゃない…?」
スタンド席には2600席あり、屋根も完備。
手すりもついて上り下りも安心。
よく見るとドリンクホルダーまでついている。めちゃめちゃお金かかってるぞこれ…。
芝生でなくとも散水が必要とは初めて知った。ボールの転がり具合とかにすごく影響してきそうだ。
そして散水施設もすごく立派で、6ヶ所に設置されたスプリンクラーは勝手に全面を水浸しにしてくれる。
Jリーグのスタジアムなんかでも手で撒いてるところあるのに…。
コンコースもとてもキレイだし、トイレもめちゃくちゃきれい。
いやはや、本当お金かかってるな…。
大型ビジョンというほどの大きさではないが、こう見えても全面LED。
今後の試合予定なども流せるのだ。
一応45分計がついているが、サッカーをやることはあるのか…?できなくはないだろうけど…。
スタジアムの外からも少しだけ中の様子が見られる。
それにしてもなんて立派なスタンドなんだ…。
横にはもう一つコートがある。観客なしでよいならこちらでも試合が出来そうだ。
スタジアムの奥からも中が見えるかと思ったが、盛り土がしてあって絶妙に見えないようになっている。
この配慮…いる…?
とまあ一通りスタジアムを見てすごいよくできた施設だなと感心したのだが、あえて一つ文句を言いたい。
あまりに立派すぎない…?
いや、立派な施設を作ること自体は個人的には大賛成だ。
私は無責任だから、いい施設であればあるほど試合が観やすくて助かる。
しかしこんな立派な施設を作るのであれば、
「野球やサッカーのようにホッケーをもっと盛り上げてスタジアムを満員にしよう!」
「海外の強豪チームを呼んで日本のホッケーをもっと強くしよう!」
といった、ホッケー人気をもっと高める動きが伴っていなければ、筋が通らない。
が、現状特にそういった話はあまり聞いたことがない。ロッチの中岡が頑張ってるくらいかな…?
少なくとも今回の試合観戦ではそういった雰囲気はほとんど感じられなかった。
であれば少なくともスタンドに関しては、もっと適当に作っても良かったはずだ。
ベンチ席にするなり、屋根を作らないなり、トイレも最低限にしたり、そもそももっと小規模にしたり…。
ちなみにこの隣にあるサブピッチは500席くらいでちょうどいい感じだった。
メインの方もこのくらいでよかったのではないか…。
もちろん「競技を行う」という点に関しては、最高のスタジアムを作ることには何ら問題はない。
オリンピックを行ったホッケー施設は日本にここしかないのだから、日本の選手が「ホッケーの聖地」で最高の設備のもとプレーができることは非常に価値があるからだ。
しかし「競技を観る」ことに関しては、いくらなんでもお金をかけすぎではないだろうか。
もちろん維持するのもタダではない。国が作って、国が管理費を出し続けているのかなあ…?
そのあたりはよく分からないけど。
結果的に、「観る施設」である国立競技場が非常に使いづらく、
一方「する施設」であるはずの大井ホッケー競技場の方が断然見やすい、という非常に矛盾した状況になっている。
そもそも、日本各地のJリーグで使われているスタジアムの多くがこれよりもっと「ショボい」のだが…(それはそれで別の問題がある)。
なんかこう、迷走する日本の現状をまざまざと見せられた気がする。大阪万博とか札幌五輪とかさ…。
↓とりあえずこっちの方をもうちょっと真面目に作ってくれよ。
【雰囲気】★★★☆☆
一応挨拶は行うが、観客はまばら。
ほとんど身内しかいない…というより、身内すらあまり来ていない。みんな忙しいのかな…?
一応、試合自体は結構面白かった。
ホッケーはルールも選手もよく知らないが(←勉強しろ)、「サッカーをラケットで行うバージョン」と考えれば50%くらいは理解できた。
本気でホッケーを盛り上げるつもりなら場内で逐次ルール説明を行った方が良いのだろうが、アナウンスは大学生かなんかがボランティアでやっている感じであった。
お金も人も無くみんなで大会を手作りしてるんだろうな…という努力はよく伝わったのだが。
なんか条件次第では人数が絞られてチャンスになるらしい。サッカーで言えばコーナーキックみたいな感じか。
でもこういう場面って案外得点入らながち。
【グルメ】
なんか軽食ぐらいは売っているかと思ったが、おにぎりも焼きそばも飲み物すらなかった(自販機はいくつかある)。
ほんとに商売っ気ないんだねえ…。
とりあえず、散歩がてら大田市場に行って刺身定食を食べた。
久しぶりに食べたカツオのたたきがおいしかった。
【満足度】★★★☆☆
日本ホッケーの聖地に恥じない、素晴らしい施設であることには違いない。
違いないのだが、日本ホッケー協会の熱量、力量となかなかかみ合っていないのがもどかしい。どう見たって持て余しているとしか言いようがない。
上手く使えば本当にホッケーがもうちょっと盛り上がるかもしれないのに…。
一体、何がどうなってこんなにも立派すぎる施設ができてしまったのだろう。
真相は闇の中である。
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