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宗教とスポーツ【コラムその142】

人間の営みと切っても切り離せないもの、それが宗教です。

宗教は人間が生活を営むうえで欠かすことはできない一方、野球、政治と並んでタブー視されている話題でもあります。

 

そんな宗教は、スポーツとも相性がいいともされています。

今回は、宗教とスポーツのつながりを考えていきたいと思います。

1.宗教とは何か

そもそも、宗教とは何なのでしょうか?

これはあまりに壮大すぎる課題であり、人類の永遠のテーマでもあるでしょう。

 

wikipediaによれば宗教とは、

「宗教は、一般に、人間の力や自然の力を超えた存在への信仰を主体とする思想体系、観念体系であり、また、その体系にもとづく教義、行事、儀礼、施設、組織などをそなえた社会集団のことである。」

そして広辞苑によれば、

「神または何らかの超越的絶対者あるいは神聖なものに関する信仰・行事」

とのことです。

 

これを私なりに分かりやすく解釈するなら、

「自分の力ではどうにもならない物事を、人知を超えた何かに結び付けてなんとか納得し、理解しようとする試み」

ではないでしょうか。

 

かつては宗教は社会の在り方全体と密接にかかわっており、人間社会の根底をなすものでした。

しかし科学の発達につれて社会とは徐々に分離していき、最近は個人の心の在り方を示す役割を担うようになった、という印象があります。

 

ただこれ以上深入りするともはや私の手には負えない問題になってくるので、今回はここまでにしておきましょう。

 

2.スポーツ界で活躍する宗教

さて、日本のスポーツ界においては多くの宗教団体が活躍しています。

 

例えば高校野球

PL学園、天理、智辯和歌山、創価、金光大阪などの新興宗教系の学校が甲子園でも多く活躍しています。

更に龍谷大平安や駒大苫小牧などの仏教系、八戸学院光星や聖望学園、聖光学院といったキリスト教系の学校も甲子園に多数出場。

 

もちろん大学スポーツでも、例えば箱根駅伝では青山学院大学、駒澤大学、創価大学といった宗教系の大学が上位を占めています。

 

スポンサーという面で見てみると、一時期新宗教ワールドメイトの教祖半田晴久が会長を務める国際スポーツ振興協会が、東京ヴェルディのスポンサーをしていたことがありました。

 

さらに日本の国技である大相撲はそれ自体が神事であり、ある意味では宗教行為とも言えるものです。

sportskansen.hatenablog.jp

このようにこと日本においては、宗教とスポーツは切っても切れない関係性にあるのです。

 

3.宗教とスポーツはなぜ交じり合うのか

事象として宗教団体でスポーツが活発なことは分かりましたが、宗教とスポーツは実際に親和性が高いと言えるのでしょうか?

これについて調べてみると、これまで数々の研究や考察がされていることが分かりました。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/budo1968/38/Supplement/38_9/_pdf/-char/ja

https://www.senshu-u.ac.jp/School/shakai/2_shakaigakka/2.5_thesis/abstracts/2015/thesis2015_1_kawakami.pdf

https://www.google.com/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&ved=2ahUKEwjnzKm9kN-DAxXjrlYBHX7pAgAQFnoECAoQAQ&url=https%3A%2F%2Fnittaidai.repo.nii.ac.jp%2Frecord%2F1391%2Ffiles%2FETD-B0024.pdf&usg=AOvVaw3OVbx9eUeGGG_w4rdvA1aI&opi=89978449

www.christiantoday.co.jp

 

どうやら世の中では普遍的に宗教とスポーツは親和性が高いと考えられており、それについて理由を考えている人も多いようです。

 

これらの内容をすべて理解できるわけではありませんが、その考察の多くで宗教とスポーツには共通点が多いことが指摘されています。

これは宗教の構成要素である教義、儀礼、教団などについて、それぞれスポーツも類似の要素を含有していることから結論が導かれています。

 

そういった専門的な内容については研究者に任せるとして、ここではより実用的になぜ宗教団体がスポーツに力を入れるのかを考えてみたいと思います。

 

まず宗教団体を作るうえで重要なことは、「知名度向上」「集団の一体感」「団体に対する信頼感」です。

別に宗教団体の作り方というマニュアルがあるわけではありませんが、私が教祖だったらこのあたりに力を入れるだろうなという想像です。

起業とかでも同じようなことだと思いますが。

 

そしてこの全てにおいて、スポーツは大変有用なのです。

例えばPL教団を例に挙げますと、PL学園が甲子園で活躍したことにより大きく知名度が向上したことは間違いないでしょう。

 

更に同じチームを応援することにより、教団全体の一体感を醸成することができます。

これは実業団のスポーツでも同様で、社名を背負ったチームを応援することで社内に一体感を生み出すことができます(古い価値観になってきましたが)。

 

最後に、チームが好成績を収めることで団体自体が正しい方向に向かっていることを証明でき、権威付けをすることができます。

 

これは個人的に重要ではないかと思っていて、そもそも名も知られていないような団体であれば、どんな素晴らしい教義であろうが聞く耳を持ってもらえません

しかしスポーツで活躍していれば「あのPL学園で有名な!」と思ってもらえますし、それだけで親近感もわくというものです。

 

このようにスポーツと宗教との親和性は絶大であり、宗教団体がスポーツに力を入れるのは非常に納得できます。

もちろん、スポーツだけが手段ではありませんが…(総理大臣に近づくとか…)。

 

4.まとめ

以上、宗教とスポーツについて調査、考察してみました。

 

あまりにテーマが壮大なため各論的な話をし始めるととても終わりがないのですが、そのエッセンス的なところは理解できたのではないでしょうか。

改めて見てもこの両者は親和性が高いですし、宗教団体がスポーツに力を入れる理由もよく理解できます。

 

理由はどうあれ、スポーツを盛り上げてくれるならそれだけでもスポーツ界への貢献度は大きいものです。

どうか正しく、スポーツ界を発展に導いていってほしいと切に願います。

 

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