注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】
秋田市八橋運動公園陸上競技場(ソユースタジアム)は、1941年開場、秋田県秋田市にあるブラウブリッツ秋田のホームスタジアム。
1941年開場というのは、Jリーグのスタジアムとしては最古になるらしい。まあ、喜ばしいことではないかもしれないが…。
そのためかJリーグの試合が初めて開催されたのは1995年のジェフ市原vs横浜マリノスと、かなり昔のことだ。
以降は鹿島アントラーズやジェフ市原、モンテディオ山形などが試合を開催したことがある。
現在ソユースタジアムをホームとしているブラウブリッツ秋田は、1965年に創部されたTDKサッカー部を前身としているクラブ。これまたそれなりに長い歴史を持つ。
2014年にJ3に参入すると、2017年には優勝を果たし晴れてJ2昇格。
…かと思いきや、スタジアムがJ2基準の要件を満たしておらず昇格することはできなかった。
これを受けてスタジアムの大規模改修を実施、照明塔や大型ビジョンなどを設置しなんとかJ2基準をクリア。
2020年に2度目のJ3優勝を果たし、無事にJ2昇格と相成った。
一方で新スタジアム建設に向けての動きも活発化しており、2017年ごろから具体化に向けた運動も始まった。
…かと思いきや、時間が経ってもまともな調査も進んでいなかったことが分かり、現在は暗礁に乗り上げてしまっている。
はた目にはブラウブリッツ秋田、秋田県、秋田市でお互いに責任を擦り付け合っているように見える。
こういうのは大体クラブが音頭を取らないと話が進むわけがないんだから、そこはひと踏ん張りしてくださいな。
【アクセス】
最寄まで★★★☆☆
最寄はJR秋田駅。秋田新幹線の終着駅で、特急に乗れば新潟や青森にも線路が伸びている。
実は東北で仙台、いわき、郡山に次ぐ第4位の人口を誇る、北東北屈指の街でもある。
そんな秋田を駆け抜けた旅の記録はこちら。
最寄から★★★☆☆
秋田駅からはバスで10分ほど。
歩くには少し距離があるのでほぼバス必須だが、スタジアム近くに市役所や県庁があるおかげでバスの本数は秋田市内でも屈指の充実ぶり。
市街地にあって実はかなり立地のいいスタジアムである。
こちらが最寄の八橋球場前。名前の通り八橋球場もあり、かつてはプロ野球も開催された歴史をもつ球場である。
【観戦環境】★★★☆☆
観戦環境は基本的には可もなく不可もなくといった感じで、よくあるフツーの陸上競技場。
臨場感もボチボチといったところ。メインスタンドは座席に角度があるので、最低限の見やすさは確保されている。
メインスタンドには国体スタジアムによくあるあっても無くても変わらない中途半端な大きさの屋根がついており、座席はお尻が痛くなる狭いベンチシート。
お世辞にも快適とは言い難い。
ホームブラウブリッツ秋田側のスタンド。
アウェイ側のスタンド。
芝生席でないだけマシかもしれないが、角度もなさそうだしおそらく見やすくはないだろう。
ビジョンはアウェイ側に一枚。結構大きくて見やすい。
コンコースもごくごく普通。
一応メインスタンド内はコンコースを通じて行き来できるが、あまりに通路が狭すぎてあんまり行く気にはならない。
バックスタンドは非常に無機質な構造で、すぐ裏は道路になっている。たまに車が通るのであまり油断をせぬよう。
バックスタンドのすぐ裏は住宅街となっていてかなりスペースはキチキチ。浦和駒場スタジアムに似ている。
騒音とかは大丈夫なのかな。
スタジアムの横は緑豊かな公園が広がっていて、試合開催時には子供が遊べる遊具が設置される。
【雰囲気】★★★★☆
ブラウブリッツ秋田サポーターは声もよく出るし全体的にいい雰囲気を作れている。
とはいえ、やっぱり観客の少なさはちょっと寂しさを感じるところ…。
秋田の人口減少が激しいという問題もあるが、そもそもBリーグの秋田ノーザンハピネッツより観客が少ないし、同日にこまちスタジアムで開催された楽天と日本ハムの二軍の試合よりも若干観客が少なかった。
立地で言えばCNAアリーナ★あきたよりソユースタジアムの方が優れているはずだから、ブラウブリッツ秋田の魅力が秋田県民に伝わり切っていない…ということになるだろう。
改善の余地は大アリ。
クレイジーピンクこと秋田ノーザンハピネッツ観戦記はこちら。
写真ではわかりづらいかもしれないが、チャントの歌詞を幕に書いてタイミングよく掲げるちょっとした曲芸みたいなこともやっている。
なんかあったかい雰囲気があるんだろうなあ…とは感じる。
もちろん秋田県民にはおなじみの秋田県民歌斉唱もある。
私も何度か聞いているうちに自然と歌えるようになった。秋田の誇りを詰め込んだめちゃくちゃカッコいい歌なんですよこれ。
マスコットのブラウゴンの他、秋田のマスコットなまはげも来場。
ブラウブリッツ秋田のエンブレムの中央に描かれているのは、ほかでもないなまはげである。
夏の日暮れとともに移り行くスタジアムは最高だ。夏やねえ…。
こちらの方には秋田が力を入れている風力発電の風車が見える。夕暮れとのコントラストが美しい。
というわけでソユースタジアムでした。秋田は飽きない。
【グルメ】★★★★☆
スタジアム前の広場にはグルメやイベントブースが盛りだくさん。
バスケコートがあるのがバスケの街秋田って感じがしていいね。スラムダンクのラスボスも秋田だ。
今回購入したのは上から頂点を目指す三角形の頂コロッケ、肉巻ききりたんぽ、そしていぶりがっことソーセージ。
コロッケもきりたんぽも小腹を満たすのにちょうどいいおやつ。やっぱり秋田に来たらきりたんぽを食べないと。
いぶりがっこは大根を燻製させた秋田の漬物だが、同じく燻製のソーセージと意外なほどに良いマッチング。
この組み合わせはどうやって思いついたんだろう。
秋田のメロンを使ったミルクセーキも購入。さっぱりさわやか、暑い夏にぴったり。
スタジアムから10分ほど歩いたところに、秋田名物末廣ラーメンの本店がある。
せっかくここまで来たら食べていかないと!
試合が終わるくらいの時間にはヤキメシは終了してしまっているが、もちろんラーメンは食べることができる。
夏に汗をかいた後にはスープを飲み干せるほどうまい…。秋田の味、東北の味。
【街との一体感】★★★★☆
秋田駅を降りるとブラウブリッツ秋田、秋田ノーザンハピネッツのコーナーがある。
どちらもシーズンの時はどんなふうに変化するのだろう。
また秋田駅の商業施設には、ブラウブリッツ秋田のファンラウンジなるスペースができた。
一休みしたいときにはぜひ活用したい。
西武秋田店など駅前の商業施設にはブラウブリッツ秋田ののぼりが立っている。
街中にもぽつりぽつりと置かれている。
駅前のオーパにはアウェイサポーターを出迎える幕が垂れている。
スタジアムの近くにはクラブの事務所がある。なかなかいい場所だ。
ブラウブリッツ秋田のミニユニフォームも。
ふらっと入った秋田市役所には秋田のスポーツチーム3つの展示が。
しかし一番上はやっぱりハピネッツなんだなあ。
ミニフラッグも。
セブンイレブンの中にものぼりがあった。
秋田県庁には大きく「スポーツ立県あきた」の文字。秋田がスポーツに寄せる期待は大きいようだ。
さてさて新スタジアムを作れるかな…?
翌日、秋田駅にアウェイサポーターを送るメッセージが表示されていた。
ターミナル駅、しかもわざわざ翌日にこういうのを出せるところはそうそうないだろう。
【満足度】★★★★☆
節々に秋田を感じることができとても楽しかったのは間違いない。
その一方で、ハピネッツの試合を観戦したときに感じた「圧倒的な一体感」を作り出すにはまだ至っていない、というのも感じられ。
チームの成績自体も上々なだけにまだまだ可能性は感じるが、現状ではそのポテンシャルを100%出し切ることはできていないように思う。
秋田人が秘めるいざというときの一体感、熱気、そして郷土愛を引き出すことができれば、ハピネッツのクレイジーピンクのような爆発力を得られるはずだが…。
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