注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】

長居球技場(ヨドコウ桜スタジアム)は、1987年開場、大阪府大阪市にあるセレッソ大阪のホームスタジアム。
開場当初は野球場以外で初の全面人工芝を張った球技専用スタジアムであった(現在は天然芝)。
Jリーグのセレッソ大阪は、2010年まですぐお隣にある長居陸上競技場をホームとしていた。
こちらは2002年のワールドカップも開催された、関西を代表するサッカースタジアムでもあった。
しかしこちらのスタジアムはあくまで陸上競技場であり、サッカー観戦においては臨場感に欠けるという課題を抱えていた。
そんな中ライバルであるガンバ大阪は、一足早く新サッカースタジアムの計画を立ち上げた。
こうなっては大阪の中心たるセレッソ大阪も黙っていられない。
そこで2008年ガンバ大阪が新スタジアムの計画を発表したのに対抗し、2010年からセレッソ大阪も長居球技場を随時改修しホームスタジアムとすることになった。
この年よりセレッソ大阪はシーズンの半数の試合を長居球技場で行うようになり、2019年からの大規模改修を経て2021年にこけら落とし。
以降はすべての試合が長居球技場で開催されている。
特に最後の大規模改修は「セレッソの森スタジアム構想」に基づいており、以下のコンセプトの元改修が行われた。
・かつてのメインスタンドをバックスタンドに変更、その一方でかつてのバックスタンドを三層にするなど大規模改修を施したうえでメインスタンドに変更
・「日本一の親近感」を目指して敷地の狭さを逆手に取り、スタンドの角度をつけて臨場感を追求
・「地域のための都市型スタジアム」をめざし、防災拠点としても活用できる改修を実施
・ホーム側のゴール裏スタンドを増席して屋根を設置(アウェイ側のスタンドはほとんどそのまま)
などなど、セレッソ大阪のホームスタジアムにふさわしい大規模な改修となった。
今回はそんなヨドコウ桜スタジアムを存分に楽しんでいきたい。
また、併せてセレッソ大阪の歴史についても少し触れておく。
セレッソ大阪の源流は1957年創部のヤンマーディーゼルサッカー部。
サッカー界においてはいち早く「企業アマ」体制を確立。
午前中での業務切り上げ、天然芝の照明塔付き練習グラウンド、サウナ付きの選手寮などを整備した。
これには今なお日本代表最多ゴール記録を保持している、釜本邦茂の加入が大きかったとも言われている。
釜本を中心としたブラジル流攻撃的サッカーを築き上げ、4度のリーグ戦優勝、3度の天皇杯制覇など輝かしい実績を残した。
そんなヤンマーディーゼルサッカー部がセレッソ大阪としてJリーグに加盟したのは1995年のこと。
セレッソにはスペイン語で「桜」の意味があり、チームカラーもスポーツチームとしては珍しいピンク色を採用している。
私の知る限り日本では他に秋田ノーザンハピネッツくらいか。
Jリーグでは3回のJ2降格を喫したものの基本的には安定した成績を残しており、特に3度目のJ1昇格直後の2017年には過去最高タイとなるリーグ3位、さらにJリーグカップと天皇杯を制し2冠に輝いた。
日本代表を背負った香川真司や乾貴士、柿谷曜一朗らを輩出するなど育成力の高さにも定評がある。
【アクセス】
最寄まで★★★★☆

最寄はJR阪和線鶴ヶ丘駅。
天王寺駅で乗り換えなければならないのがネックだが、大阪の中心部からもほど近い好立地。

また同じくJR阪和線の長居駅、

または大阪メトロ御堂筋線の長居駅も最寄り駅。御堂筋線なら新大阪や梅田、難波からも一本で来ることができる。
名前は同じだがこの二つの駅は少し離れている。
他に御堂筋線の西田辺駅も十分徒歩圏内であり、最寄り駅の多さは都会スタジアムの特権だ。
帰りの混雑もそれなりに分散される。
最寄から★★★★★

鶴ヶ丘駅からは徒歩5分ほど。席によって出口が違うのが面白い。
それほどスタジアムが駅から近いということだ。

メインスタンドに行くにはこちらの道へ。

高架の先にスタジアムが見えてくる。面白い構造だ。
ちなみに道路を渡らないとスタジアムにはたどり着けない。

こちらがスタジアム。駅直結と言ってもいいほどの近さ。
ちなみに出口を間違ってもスタンドにはたどり着けるのでご安心。

メインスタンド(旧バックスタンド)は、やっぱりなんとなく地味な印象を受ける。
バックスタンド(旧メインスタンド、本記事の一番上の写真)の方が見栄えはよい。

長居駅からは徒歩10分ほど。
御堂筋線の長居駅は長居公園と直結しており、鶴ヶ丘駅より時間はかかるが公園をのんびりと散歩することができる。
そんな長居公園にあるヤンマースタジアムに宿泊したおはなし。
【観戦環境】★★★★★

専用スタジアムだけあって見やすさはバツグン。
この光景のためにスタジアムを改修してまでわざわざホームをお隣から移してきたのだ。

臨場感も抜群。ボールを蹴りだす音、選手や監督の掛け声まで、サッカーを五感で楽しむことができる。

ゴールキックで選手がきゅっと固まったので記念に。
多分20人いるはず。

セットプレーもばっちり見える。

スタジアム全景。
個性の違うスタンドがそろっていて、見ているだけで面白い。

今回の席はメインスタンド。改修前の姿は分からないが、おそらく大変貌を遂げているはず。
座席はセレッソのクラブカラーに染まっており、跳ね上げ式でドリンクホルダーも完備。
屋根も大きく雨や日差しの心配もほぼなく快適そのもの。VIPルームや放送席は上の部分。

メインスタンドのコンコースは上下の2層に分かれている(その間にVIP用のコンコースがある)。
こちらが下層のコンコース。グルメやグッズのショップがいくつかある。

トイレがやたら気合入っていた。

ウ〇コくらいもうちょっと気楽にさせてくれ…。100でいったら失神するぞ。

こちらが上層のコンコース。外気が入ってきて開放感がある。
簡素ではあるが売店やトイレもちゃんとあり十分過ごせる。

マスコットのロビーは至る所に描かれている。
ちなみに本名は「ノブレ・バリエンテ・アッチェ・ロビート・デ・セレッソ」。これを暗唱出来たらセレッソサポーターを名乗っていいと思う。

メインスタンドを横から見たところ。見事にピンクに染まっている。
横から見ると屋根の大きさがよく分かる。
そしてここにはガチャや広告がある。ラグビーのレッドハリケーンズ大阪もここで試合を行う。


メインスタンドは左右二つのゲートがあり、それぞれに階段が設けられている。

ヤンマー社員用の受付もある。時代は流れても源流はヤンマーなのだ。

線路とはこの近さ。車内からも十分スタジアムが見える。

こちらが鶴ヶ丘駅方面。チラリと駅が見える。

こちらが長居駅方面。少し遠いが、一応駅が見える。

こちらも改修によって新しく生まれ変わったホーム側のゴール裏スタンド。
クラブカラーに染まった座席、声を反響させ増幅する屋根は圧巻の一言。一目でセレッソのホームだと分かるようになっている。

こちらのスタンドにはセレッソのグッズショップがある。ここでグッズを購入してそのまま応援できるというわけだ。
この近さはJリーグでも屈指ではないだろうか。
その後ろには通路があり、チケットの有無にかかわらず自由に通り抜けができる。この回遊性の良さもポイント。

熱気を生み出すゴール裏の通路はこちら。意外とシンプル。

メインスタンドと反対側にあるのがバックスタンド(旧メインスタンド)。
かつてメインスタンドだっただけあり、こちらも十分立派なスタンド。

ただ屋根が足りてなかったり、ちょっと古さを感じたり、物足りなさもなくはない。
スタジアムの歴史を物語る貴重なスタンドではあるが…。

このスタジアムの唯一にして最大の不評点は、こちらのアウェイ側のゴール裏。
多言は無用、見るからにショボイ…。
一応スタジアムの改修は途中段階ということになっていて、こちら側のスタンドは今後改修されるとのこと。
とりあえずできるところから改修していく、という方針のようだ。
とはいえ現時点で言えば、アウェイの扱いがあまりに厳しいという見方になるだろう。
早く改修しないと、アウェイサポーターから永遠に文句を言われ続けることになる。

スタンドのショボさはもちろん、ピッチの遠さも大きな問題。
あまりに広すぎてリボンビジョンが2枚、しかも斜めに設置できるほど。

ビジョンは十分な大きさ、視認性も十分。
それだけにスタンドのショボさが目立つ…。

スタジアムのすぐ横には旧ホームのヤンマースタジアム長居がある。
ワールドカップも行われた立派なスタジアムだが、セレッソ大阪の試合は現在ほぼ行われていない。

バックスタンドとメインスタンドの行き来にはこちらのキッズゾーンを抜けるのが便利。

遊具も充実、子供も存分に楽しむことができる。
【雰囲気】★★★★★

ピンクに染まったゴール裏は圧巻。この光景こそ桜スタジアムを作った意義であろう。

チームバス到着時には映像が流される。めっちゃさわやかやなあ…。

試合前には「POWER AND THE GLORY」を歌う。
途中でBGMが消えていく演出がいいね。

試合直前にはフラッグやら何やらが出てきて大変な騒ぎに。

こどもの日が近いこともあり、子供に大人気の小島よしおが登場。
…笑ってやるな、これも立派な仕事なんだ。

でもシュールすぎるだろ…。
ちなみに骨折していたらしくケンケンで登場。ギプスもピンクなのがニクい。


ゴールが決まるとどわっと盛り上がる。この歓声こそ現地観戦のだいご味。

試合が終わると選手はピッチに倒れこんでしまった。
一試合一試合が選手にとっては命がけだ。

試合が終わって数時間が経った夜のスタジアムを散歩。
元気な若者たちがダンスを練習したりはしゃいでいたりした。時間帯によってこうも顔が変わるんだなあ。

ついでに翌朝も散歩してみた。のどかな休日の朝。
あのパネルもこうやって整備されているんだなあ。
【グルメ】★★★★☆

スタジアム前に屋台がたくさん。どれを食べるか目移りしてしまう。

大阪と言えばやっぱりたこ焼きや!
パナスタがくくるならこちらはわなか。大阪たこ焼きの二大勢力といっても良いだろう。
他のたこ焼きに比べるとかつお節の存在感がかなり強い感じがする。ともかくこれを食べな帰れまへんで!
中川家も勝手にCMを作るくらいの人気ぶり。

セレッソグルメのツートップと言えば、わなかとこちらの鶴心のからあげ。
外はカリカリ中はジューシー、Jリーグスタジアムグルメベストイレブンにも選ばれた名物商品。
今回はピンクの粗塩をチョイス。ピンクかどうかはよく分からなかったが、唐揚げと塩は実によく合う。
しばしば行列も出来ているが、回転も早いので心配はご無用。
味付けも豊富で日替わりの味もあり、何度食べても飽きないバラエティの豊富さも売り。迷ったら買うべし!

その反対側で売っていたハンバーグチーズオムライスがとてもおいしそうだったので購入。
デミグラスソースが濃厚で全体的にとてもおいしいうえ、中にトマトが入っていて勝手に味変する工夫も素晴らしい。
料理に対する愛情が深いんだろうなー。

近くで売っていた塩むすびも購入。おにぎり売ってるととりあえず買ってみたくなる。
その場で握ってくれるため時間も少しかかるが、もちろん味はバツグン。やっぱり日本人の基本は米だね。

もう少し歩いてみるとおいしそうなアップルパイを発見。即購入。
シナモンが効いてこれまた最高の逸品。いい〆になった…。
と、ここまではよかったのだが…。

もう少し食べられそうだったので、メインスタンドに入る前にその下で売っていたスフレオムレツを購入。
ネーミングは最高だし、デザート代わりに良いと思ったのだが…。
はっきり言ってまずかった。なんか重曹でも食べてるのかと思った。
お腹いっぱいだったのもあるが、食べきるのに非常に苦労した。
もちろんセレッソのグルメを全部食べたわけではないが、かなり当たり外れが大きい予感がする。
とりあえず定番グルメだけ抑えておけば、最高の気分でスタジアムを去ることができるのではないだろうか。
【街との一体感】★★★★☆

スタジアム前にはスポンサーとコラボした選手の幕がいっぱい。いいフォトスポットだ。


同じ香川選手でもヤンマーとカプコンでバージョンが違うのが面白い。

スタジアム前のお店にはセレッソのエンブレムが掲げられていた。

こちらのバーはその名も「Sakuraholic」。
サッカーが楽しめるバーとのこと。



JR阪和線鶴ヶ丘駅はセレッソのピンク一色。
装飾費用はクラブ持ちとのこと。

こちらはグッズコーナー。ここではいつでも桜満開。

長居公園もセレッソのピンク一色。憩いを求める大阪市民に熱くアピールしている。

長居駅のスタジアムと反対側にある商店街はサッカーJ通りと名付けられている。
なんとなく年季を感じる作り。



こちらももちろんピンク一色。ここのアーケードは元気でやってるのかな…?
(写真時は朝)

こちらのお店にもさりげなくセレッソのフラッグがなびいている。

こちらは御堂筋線長居駅。こちらもセレッソ一色。

トイレの人たちがお辞儀している横にもセレッソ。

駅構内も同じく。

阪和線の起点、天王寺駅にもセレッソ大阪の選手のサインがある。

イベントに応じて車内をジャックするほどの存在感があるようだ。

大阪のもう一つの政令指定都市堺市の市役所にもセレッソコーナーが設けられている。
大阪の大都市はセレッソが抑えている印象だ。ガンバには負けられないのもよく分かる。
【満足度】★★★★★
いろいろ細かいところで見れば残念な部分もありつつも、トータルで見れば最高のスタジアムの一つであることは間違いない。
今後も改修と歴史、そして実績を重ね、日本のどこにも負けない桜満開のスタジアムを作り上げていってほしい。
さあ行け桜の戦士 誇りを胸に!
索引を作りました!
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