注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】
さいたま市大宮公園サッカー場(NACK5スタジアム大宮)は、1960年開場、埼玉県さいたま市にある大宮アルディージャのホームスタジアム。
以前訪れた際の記事はこちら。
今回改めて訪れたのは、前回はコロナの影響でグルメを楽しむことができずそのリベンジを果たしたいと思ったのが一つ。
そしてもう一つは、大宮アルディージャの成績が危険水位に達していて心配になったことである。
ここで改めてクラブの歴史を見返してみると、J2初年度となる1999年には6位、以降4位、5位、6位、6位と比較的安定した成績を残している。
そして2004年には2位となり晴れてJ1昇格。
J1では二桁順位が続くもののなんとか持ちこたえ、2014年に降格するまで10シーズンJ1の座を確保した。
2015年にはJ2で初めての優勝を飾り2度目の昇格、2016年には現状クラブ最高成績となるJ1で5位に入るほどの輝きを見せた。
しかし2017年に最下位で降格すると、以降J2で5位、3位、15位、16位、18位と着実に順位を落としてしまっている。
大宮アルディージャは私が作ったJリーグの勝ち点ランキングではトップ20に入る名門クラブのはずなのだが、現状その中でずば抜けて成績低迷に悩んでいると言っていい。
このランキングでは、トップ20のうちJ3降格を経験したことのあるクラブは0。
J3降格経験クラブの最上位は大分トリニータの21位だが、大分はその後J1へ昇格し見事復活している。
更にその一つ下となると30位のザスパクサツ群馬となり、やはりJ3へ降格経験のあるクラブがその後復活して好成績を残すのは現実問題として非常に難しいと考えられる。
そんな中2023年、とうとうやってきてしまった大宮アルディージャのJ3降格。
まさに「名門の凋落」という以外の言葉が見つからない、ということになる。
果たしてがけっぷち、いや崖から落ちてしまったアルディージャ、復活の兆しはあるのか…?
【アクセス】
最寄まで★★★★★
最寄はJR大宮駅。
各方面に線路が伸びている埼玉最大のターミナル駅であり、東北、北陸の玄関口でもある。
スタジアムの最寄り駅としては最上級のアクセスの良さかもしれない。
最寄から★★★☆☆
大宮駅からは徒歩20分ほど。
結構道が分かりにくいが、アルディージャのフラッグに沿って歩いて行けばよい。
途中のすずらん通りはアルディージャ一色になっており、飲み屋も多くせんべろに最適だ。やけ酒にも…
さいたま市が大宮アルディージャルートという散策ルートを設定していて、街中にも案内板がある。
大宮という地名の語源ともなった氷川神社が見えたらスタジアムはすぐそこ。
立派な神社なのでついでにお参りしていくのも良い。
神社には池があったり小動物園があったりして、市民の憩いの場となっている。
そしてスタジアム到着。
スタジアム全体が坂によりかかるように作られているため、ゲートによっては階段を登ることになる。
【観戦環境】★★★★★
前回はメインスタンドだったので今回はバックスタンドから。
角度があまりないため全体も見渡しにくいが、ギリギリ頭が邪魔にならないくらいではある。
そして何より、近い。
近いったらありゃしない。もうそれだけで十分だ。
バックスタンドは通路が後ろにあって、そこから下に降りて座席に行くというシンプルな構造。雨の日は大変だ。
またドリンクホルダーはない。
バックスタンドはすぐ後ろに野球場がある影響で、Jリーグの中では小さい部類。
その代わり他のスタンドが大きいので、スタジアム全体のキャパシティは1万5000人ある。
左がサッカー場、右が野球場。こんなところによく二つもスタジアムを作りましたね…。
ホーム大宮アルディージャ側のゴール裏。前の方は立ち見、後ろの方は座席があるが角度が急になっている。迫力は満点だ。
ゴール裏がこのスタジアムで一番見やすいとのうわさもある。
ゴール裏は手狭ながら飲食店やグッズショップなどが設置されている。
ゴール裏の通路から見たスタジアム全景。大きすぎず小さすぎずジャストサイズっていう感じがする。
Jリーグでも屈指の名スタジアムと言っていいだろう。
照明塔はどうやら大宮の「O」の形をしている。
LEDのため試合前にチカチカする演出が可能。Jリーグスタジアムもそれくらいの演出をやるとこが増えてきたかな。
【雰囲気】★★★★★
大宮の応援は角度のあるスタンドのおかげもあってかすごく迫力がある。声もよく出るし元気もある。
何より、チャントも緩急がついていてダレることのないようよく工夫がされている。
オリジナリティもあって本当にいいゴール裏だ。
バックスタンドも含めてスタジアムの一体感はさすがサッカーのまち埼玉である。
サッカーをよく知っているお客さんも多い印象だ。その分愚痴も多く出るが…。
選手入場時には巨大ユニフォームを掲げて士気を高める。
青く澄んだ空は、やがてアルディージャのオレンジと同化していく。
まさにアルディージャタイムになる…はずだったのに。
願いもむなしく、空は黒へ染まっていく。暗黒の闇へと…。
懸命に戦う選手とサポーター。オレンジネイビーの誇りを手放さないように…。
しかし無情にも漆黒の闇がスタジアムを包み込む。
J2残留を争ういわきFC相手に、オウンゴールを含めてホームで1-5と大敗を喫する。
それでも試合中は懸命に応援していたサポーターは頑張ったと思う。
さすがに試合後はだいぶいたたまれない感じになった。
スタジアムにいわきFCの凱歌が響き渡る中、不穏な空気が流れ続けた…。
でもまあ今回はバスを取り囲んだりとかはなかったみたい。この結果は選手や監督だけの責任じゃないから、そんなことしてもしょうがないしね…。
【グルメ】★★★☆☆
グルメは1ゲートのそばに橙屋台というコーナーがある。
そしてホームゴール裏に宮木牧場などが出店している。ライオンズのホーム西武ドームにも出ているお店である。
橙屋台で買ったカレーと宮木牧場で買った牛串。普通においしい。
でも埼玉ならではとかこのスタジアムならではみたいなものがあんまりなくて、ワクワク感は少なめ。
スタジアムに来る途中に氷川だんごのお店がある。
ここいつもいい匂いしてたから気になってたんだけど、今回やっと買うことができた。
焦げた醤油のにおいが良い。18:30までやっているのでスタジアムに行くまでのおやつにどうぞ。
江戸時代の旅気分も味わえる。
【街との一体感】★★★★★
こちらの項目は以前の記事も併せてどうぞ。
大宮駅近くのサッカーショップにはアルディージャグッズが並んでいる。
しれっと浦和レッズのACL優勝記念Tシャツも置いてあるが…。
大宮駅前のスタジアム側の通りにはオレンジの旗がはためている。
歴史のありそうなお店にもアルディージャのポスターや自販機が設置されていた。
オレンジロードにはオレンジの花壇やオレンジの照明、地面の線もオレンジ一色に。
ホームゲーム情報も大きなボードに書かれている。
道中にはグッズショップも。
今回はここで25周年のタオルマフラーを購入。25周年を祝っている場合ではなかったが
そして氷川神社の境内にも大宮アルディージャの必勝祈願絵馬があった。
しかし、世の中には神様の力でもどうにもならないこともあるようだ…。
【満足度】★★★★★
見やすさ、雰囲気、アクセス、どれをとっても間違いなくJリーグ屈指のスタジアムである。
しかし一番大事なサッカーであまりに苦しんでいる。J2どころかJ3降格とは…。
こんないいスタジアムがJ3だなんてJリーグの損失だ。
取り返しのつかないことになる前に、早くなんとかしてJ1に戻ってきてほしい。
そして生きているうちに埼玉ダービーが見たいぞ…。
索引を作りました!
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