注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】
千葉県立柏の葉公園総合競技場は、1999年開業、千葉県柏市にあるNECグリーンロケッツ東葛のホームスタジアム。
もともとこのスタジアムは、Jリーグ柏レイソルのホームスタジアムとして使うことを目的として建てられたもの。
柏レイソルのJリーグ参入当初のホームである日立柏サッカー場は設備的に不十分で、もともと暫定的なホームという扱いだった。
そのため柏市は柏レイソルの本拠地として恒久的に使えるスタジアムを探していたのだが、そこで白羽の矢が立ったのがこの柏の葉公園でのスタジアム建設計画であった。
ただ一時期は柏レイソルの試合も行われたものの、もろもろの事情があって次第に使われなくなり、今では全く使われなくなってしまった。
↓もろもろの事情については下記の日立柏サッカー場の記事をご参照ください。
↓あとはこの動画を見ればだいたいわかるかと。
そんなこんなで宙ぶらりんになってしまった柏の葉競技場であるが、そこに改めて目を付けたのがラグビーリーグワンに参入することとなったNECグリーンロケッツ東葛であった。
リーグワンでは15000人以上のキャパシティを擁するスタジアムを確保することが要件として定められており、多くのチームはスタジアム探しに頭を悩ませていた。
そんな中グリーンロケッツは早々に柏の葉競技場を抑えることができ、スタジアム確保においてはリーグワンにおいても高みの見物と相成ることとなった。
スタジアムの使い道に困っていた柏市にとっても、スタジアムを求めていたNECにとっても大助かりだったのである。
とはいえ柏レイソルも使うのをあきらめたことからも分かるように、使い勝手は良くないとかねがねの噂。
ということで、実際にどんなスタジアムなのかこの目で確かめてみることにした。
【アクセス】
最寄まで★★★☆☆
最寄はつくばエクスプレス柏の葉キャンパス駅。
赤字路線が多い第三セクター鉄道において、つくばエクスプレスは数少ない成功路線の一つ。沿線の開発は今なおモリモリと進んでいる。
柏の葉キャンパス駅周辺も絶賛開発中。
最寄から★★★☆☆
柏の葉キャンパス駅からは徒歩25分ほど。なかなかの距離があるが、臨時バスも運行されているのでそちらも利用できる。
また柏駅に向かうバスや、東京駅からの直行バスなんかもある。
東京なら普通につくばエクスプレスで十分だが、選択肢が多いに越したことはない。
ちなみにスタジアムの真横には駅名の通り東京大学のキャンパスがある。
この他にも千葉大学の施設や様々な機関の研修所なんかもあり、まさしくキャンパスが勢ぞろい。
その中でスタジアムのある柏の葉公園は研究者にとっての憩いの場になっていると言えるだろう。
【観戦環境】★★★★☆
柏レイソルのサポーターからは忌み嫌われてしまったスタジアムであるが、特に見にくさはない、むしろ見やすくて結構いいスタジアムだ。
ただし今回座ったメインスタンドがとても設備が整っている一方、それ以外のスタンドは確かに見にくそうではある。
メインスタンド、その他のスタンド問わずどの席に座っても屋根がついているのは数少ない日立台より優っている点だ。やっぱり雨には濡れたくない。
ただゴール裏はピッチまでの距離が非常に遠い。確かにこれでは日立台の良さがなくなってしまう。
あのスタジアムの良さを知っちゃったらここは無理だろうね…。
一部老朽化も目立つが、全体的にはそれほど不快感はない。
ただトイレだけは改修して欲しい。ちょっとしんどい。
照明塔は見た時一瞬ギョッとしてしまうが、こういうものらしい。びっくりさせるなや。
【雰囲気】★★★★☆
試合開始前、先攻後攻を決めるコイントスが場内アナウンス付きで行われた。
こういうのはひっそりと行われるものかと思っていたが、こうやってアナウンスがつくとそれはそれでイベントとして楽しめる。
なかなか良いアイデアだ。
流山市や松戸市の市長さんが登場。
お二人とも挨拶が手短でとても素晴らしかった。こういうのは短ければ短いほどいいんですよ、はい。
そして一番右がグリーンロケッツのマスコット「キャプテンスティーム」。
グリーンロケッツということでどうやら宇宙飛行士をモチーフにしているようだ。なかなか発想がぶっ飛んでいる。
そしてなぜか体から煙を放出する。宇宙飛行士の人って別に体から煙出して飛んでるわけじゃないぞ?
そんな感じで席種もコックピットなどと言ったり、グリーンロケッツというチーム名を生かした演出がされている。
何せネタ元が宇宙なもんだから、いくらでもネタの幅を広げられるのが強みだ。
宇宙も膨張しとるからな。
チアリーディングもなかなかアクロバティックである。スゴい。
そして選手入場。他のリーグワンの会場では相手チームにも配慮した演出が行われているが、ここではかなりホームグリーンロケッツ寄りだ。
個人的にはそれでいいと思う。だってホームスタジアムなんだし。
もちろん相手チームへのリスペクトは忘れていない。
スタジアム全体の雰囲気、一体感もよく、老若男女幅広く集客できていると感じた。ちゃんと面白いことをやっていれば人は集まる…ハズ。
肝心の観客数、そして競技成績の方で伸び悩んでいるのが課題かなあ…。
【グルメ】★★★★☆
スタジアム前の広場にはキッチンカーがずらっと並ぶ。
これこれ、スタジアムに欲しいのはこの景色なんだよ!リーグワンのみんな!
成田ゆめ牧場のミルクジェラート。今回このスタジアムを訪れる上で一番楽しみにしていたのがこれ。
こんなもん何をどう考えたっておいしいに決まっている。このすがすがしいまでにシンプルなフォルム、味で魅せるから食ってみろと言わんばかりだ。
インスタ映えもいいけど、こういう武骨な食い物も好き。
その近くで売っていた牛タンカレー。なかなかスパイシーなルウにたっぷり入った牛タンが満足感たっぷり。
ここにキムチを添えるって焼肉屋さんならではの発想だ。
代官山にあるらしいフライドポテト専門店のポテト。マックのポテトとの違いはよく分からんかったが、まあポテトだから間違いはない。
日の光も当たって妙に神々しいポテトになってしまった。
以上、グルメは気分に応じていろいろ楽しめる。バラエティが豊富なのがいいね。
他にも地元の人が出しているらしきテントでいろんな食材を売っていたり、散歩しているだけでとても楽しい。
【街との一体感】★★★★☆
駅を降りるとすぐさま緑のポップが目に飛び込んでくる。なかなかに存在感がある。
駅名標までグリーンロケッツがジャックしている。こりゃ思ったよりすごいぞ。
もちろんコンコースにもポップがあったり、
トイレの前にもこれでもかとポスターが貼られている。こんなにいらんて。
ユニフォームも飾られているし、
大きな幕もある。
柏の葉キャンパス駅自体が新しいゆえこういったこともやりやすいのだろうが、それにしても開発中のこの街でこうやって駅をジャックできるのはかなり好材料。
たまたまスタジアムが空いていたという幸運もあったが、それにしてもよく頑張っている。
また柏駅周辺はほとんどレイソルの領地だが、ほんの一部分だけグリーンロケッツの緑がある。
上手く共存できるといいけどねえ…。
【満足度】★★★★☆
スタジアムの使い勝手自体は日立台に比べると残念な面もあるが、メインスタンドだけ見ればかなり快適で使いやすい。
そして現状の集客力では悲しいかなメインスタンドだけでほぼ十分なので、こうしてラグビーの試合を行うくらいなら特に不自由なく観戦できる。
何より演出面、グルメ、街のジャック具合などグリーンロケッツの頑張りがとてもよく目立っている。
東京と名をつけて全然地域密着する気のない他のリーグワンのチームに爪の垢を煎じて飲ませたいよ…。
千葉はこれで完全にグリーンロケッツに確保されてしまった、と思う。
お客さんを楽しませるとはこういうことなんだよ、ということをリーグワンに改めて示してくれたグリーンロケッツには拍手を送りたい。
そしてラグビーの成績ももっと頑張れ。
索引を作りました!
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