注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】
栃木県総合運動公園陸上競技場(カンセキスタジアムとちぎ)は、2020年開場、栃木県宇都宮市にある競技場。
栃木国体に合わせて作られたスタジアムで、近くには同じく国体のために作られ宇都宮ブレックスの試合でも用いられる日環アリーナ栃木もある。
現在J2リーグに所属している栃木SCは、ホームスタジアムとして栃木県グリーンスタジアムを使用している。
過去にそちらの記事も書いているのでどうぞ。
しかしグリスタは屋根やトイレなどが不足しており、Jリーグのライセンスを満たすのに十分でないという問題があった。
そこで、国体に合わせて作るカンセキスタジアムへの移転を視野に入れることとなった。スタジアムを作る時点で移転を前提とした設計としていたようだ。
自治体とJリーグクラブがうまく連携を取れていた好例である。
国体とJリーグスタジアムの関係性についてはこちらの記事にまとめました。
現状では正式にカンセキスタジアムをホームとしているわけではないものの、リーグ戦の大半をカンセキスタジアムで開催しており、実質ホームを移転したと言っていいような状況だ。
球技専用スタジアムであるグリスタから陸上競技場であるカンセキスタジアムへの移転はよそから見るともったいない気はするものの、実際にカンセキスタジアムで観戦してみないことには比較はできない。
そこで今回は、グリーンスタジアムと比べて優れている点、逆にグリーンスタジアムの方が優れている点をチェックしていきたいと思う。
栃木SCのホーム移転は吉と出るか、凶と出るか…?
【アクセス】
最寄まで★★☆☆☆
最寄は東武宇都宮線西川田駅。基本的にはローカル線で、本数も少ないし時間がかかる。
何より宇都宮駅での乗り換えがバス必須なため、アクセスはなかなかしんどい。
JR雀宮駅から臨時バスがあるので、そちらを利用するのもよい。
最寄から★★★☆☆
西川田駅からは徒歩15分ほど。駅前から伸びる通りをまっすぐ行く。
やがて見えてくるのがスタジアム、そしてとちのきファミリーランド。
ここはまさに栃木の桃源郷。
栃木と岩手を駆け抜けためちゃくちゃな旅の記録はこちら。
【観戦環境】★★★★☆
陸上競技場ではあるが、なかなか見やすい。スタンドの角度もあり前の人の頭も邪魔にならない。
コンコースから。1階席からでもなかなか見やすそう。
ホーム栃木側のスタンド。座席も栃木SCの黄色に染まっている。
アウェイ側のスタンド。こちらに大型ビジョンが設置されている。
ビジョンのサイズはJリーグでは標準的なサイズ。
座席はカップホルダーがついていて個別に別れているほか、2階席を覆うくらいの屋根もある。
グリーンスタジアムと比べると、ピッチまでの距離が遠い以外は環境としては整っていると言える。
コンコースもキレイで歩きやすい。まさに新築、という感じ。
地味に面白いなと思ったのが、クロスしている照明の鉄骨。オシャレだ。
しかしこういうところにまで興味を持ち始めるとなると、もうスタジアムめぐりはやめられないな…という気分になる。
【雰囲気】★★★★☆
夕暮れのカンセキスタジアム。
夜のカンセキスタジアム。
時間とともに移り変わっていくスタジアムを見るのが好きだ。
夜の暗闇に浮かぶスタジアムもまた乙なものである。
コーナーキックなどのチャンスでは、マスコットのトッキーがビジョンに映りスタジアムを盛り上げる。
夏ということもあり、チアも浴衣を着ていた。
Jリーグではチアがいるところといないところがあるが、いるほうが多分盛り上がるんだろうな。分からんけど。
試合前には栃木県民にはおなじみ、栃木県民の歌を歌う。
宇都宮ブレックスの試合でも歌われる、栃木のスポーツには欠かせない歌だ。何回も聞いているうちに私も歌えるようになった。
同じく栃木県民歌が歌われる宇都宮ブレックスのホームブレックスアリーナはこちら。
しかし、グリーンスタジアムで見た時に比べると栃木SCのサポーターがおとなしいように見えた。
もちろん前回はアウェイサポーターが入れなかった、という違いはあるものの、単純にスタジアムが大きすぎて一体感が出しにくい、という問題はあるかもしれない。
もっと観客を増やさねば…。
何せ、相手の新潟の応援がすさまじく、栃木SCは完全に飲み込まれていた。
かつてJリーグ観客動員ナンバーワンを誇った勢いは凄かった。
アルビレックス新潟のホームビッグスワンはこちら。
【グルメ】★★★★★
スタジアムを囲むようにずらっとキッチンカーが並んでいる。好きなものなんでも食べられるぞ。
今回は夏ということで、いろんなお店でかき氷フェスが行われていた。こちらは日光の天然かき氷を使ったとちおとめミルク。
食べた瞬間にふわっと溶ける氷がとても不思議な食感。見た目よりさらっと食べきってしまった。
こりゃ最高やわ。
こちらも名物の玉子焼き。だしが効いててとてもおいしい。
栃木に来ると食べたくなる味。
名物トッキーミートソースパスタもあったが、夏野菜という言葉に惹かれ限定メニューを購入。
なすやかぼちゃなど旬の野菜が盛りだくさんで大満足。おいしかった。
スタジアムグルメはどうしてもメニューが固定化されがちだが、このスタジアムでは時期に合わせたグルメがそろい存分に季節を感じることができる。
毎度来ても新しい発見が得られるだろう。
【街との一体感】★★★★☆
宇都宮ブレックスがシーズンオフということもあってか、栃木SCの存在感が増していた。
市内一のアーケード街オリオン通りもこの通り。
JR宇都宮駅にも試合情報を伝える横断幕。
東武宇都宮駅や、
スタジアム最寄の西川田駅にものぼりが。
スタジアムと雀宮駅を結ぶバスもラッピングされている。
Bリーグで2回の優勝を果たしたブレックスに比べると勢いは押されがちだが、栃木SCも頑張ってはいる。
とはいえ、J2とJ3をさまよっているばかりではなかなか人気も出ない。
ブレックスで勝利の味を知っている宇都宮市民の期待には、勝利で応えるしかないのが実情だろう。
酷な話だけど…。
【満足度】★★★★☆
グリーンスタジアムに比べるとピッチからの距離が遠い以外はかなり快適で、これだけのスタジアムであれば移転もやむなしかな、と思えた。
何より、お荷物と化してしまいがちな国体スタジアムで、栃木SCが自治体と連携を取ってJ1仕様のスタジアムを作り上げたのはとても素晴らしい事例だ。
地方のクラブがいきなり自力でスタジアムを作るというのは難しい面もあるし、ぜひとも今後国体スタジアムを作る予定があるところにはJリーグクラブがうまく潜りこんでいってほしい。
あとはやっぱり、目に見える結果が欲しいな…。
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