注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大前の情報を元にしています
今回は島根スサノオマジックの試合観戦のために松江市総合体育館を訪れた時の遠征記を紹介します。
試合観戦の模様はこちらをどうぞ!
島根と言えば出雲が有名ですが、まずは寝台特急サンライズ出雲で出雲大社へ、そこから松江、米子、境港と、山陰の主要都市を次々と訪れました。
なかなか山陰を訪れるのはアクセスが悪く難しいのですが、それでも行くに値する数々の素晴らしい景色や体験をすることができました。
もちろん山陰グルメもたっぷり楽しみました!
簡単な旅程は下記のとおりです。
それではごゆっくりどうぞ!
1日目・出雲観光+松江で試合観戦+島根グルメ
出ました、サンライズ出雲。
出雲市駅までのおよそ11時間半の長旅の始まりです。
来ました!
間違いなく出雲市行きです。間違えると高松に行きます。
乗り込みます。
今回は一番下のランクであるノビノビ座席、というのにしました。
座席と名はついておりますが、カーペットの上に寝そべるくらいのスペースはあります。
横と仕切りもついているので最低限のプライベートも確保。
ノビノビ座席の利点はその値段もさることながら、唯一ネットで予約が取れるという点です。
他の寝台だとみどりの窓口に行って、いわゆる「10時打ち」(10時の瞬間にチケットを取ってもらう)をしてもらわなければならないので結構大変なのです。ノビノビ座席ならネットで予約をしておけば簡単にチケットを確保してもらえるのです。
ただ、本当にカーペットしかないので、自分でダウンなど羽織れるものやクッションなど頭を乗せられるものを持っていくといいでしょう。
あとまあ、さすがにコロナの時期だと怖いかな…。
のんびりお酒を飲みながら、流れゆく景色を楽しみます。
といっても夜なので、駅の周りくらいしか楽しめませんけど。
ちなみにシャワーもあるのですが、大概東京駅を出てすぐに売り切れるようです。
私は事前に横浜駅のスパでお風呂に入ってきました。
一度寝て、ふと起きたら大阪駅。朝4時くらいだったかな?
もちろん誰もいません。
ほんで岡山駅に到着。ここでサンライズ出雲とサンライズ瀬戸の切り離しが行われます。
朝焼けが見えてきました!
倉敷駅。美観地区は一見の価値ありですが今回はスルーです。
進路を北に変え、出雲を目指します。
一気に自然が豊かになり旅情が増してきます。
こんな景色を楽しみながら寝っ転がれるなんて、くーたまらん!
この景色を楽しむためにもサンライズは下り方面に乗るのがおすすめです。上りで朝のラッシュを横目に寝っ転がってくつろぐのもそれはまたいいでしょうけど。
鳥取県第二の都市米子に来ました。こちらは次の日の目的地ですがいったん通過します。
こちらは本日の目的地、そして島根県の県庁所在地松江。しかしここも通過。
進行方向右に見えるは宍道湖!
ノビノビ座席のもう一つの利点は右と左の景色を同時に楽しめるということです。他の寝台ではこういった楽しみ方はできません。
あっという間に到着してしまいました。もっと乗っていたかったなあ。
帰りは飛行機なのでサンライズ出雲とはここでお別れ。
また数年後に会おう!
出雲市駅。出雲大社を模して造られています。
ここから一畑電車で出雲大社を目指します。地味に遠いのです。
一畑電車。結構混みあっていました。
そして出雲大社前に到着!
駅舎も味があっていい感じです。
駅舎の中はもっとすごい!国の登録有形文化財に指定されているほどです。
味のある駅舎で液晶の掲示板がなんか浮いています。これはこれで面白い。
出雲に来たらまずはそばを食べないと!
名物割子そば。一つにつゆと薬味をかけ、食べ終わったら次のそばに残ったつゆを映して食べる、という独特の食べ方。
江戸時代に野外でそばを食べるために重箱のような容器にそばを入れ、そこにつゆを入れて食べていたのを現代にこういう形で継承しているのだそうです。
だからまあ、別に屋内でこうやって食べることに特に意味はないんですが、江戸時代を感じながら食べられるということに意味があるのでしょう。
良い思い出になりました。もちろん味もいいですよ。
この写真だと伝わりにくいですけど、日の丸がとんでもなくデカい。
こんなにデカいのは初めて見ました。この上に人が住めそうな大きさです。
出雲大社の前に、まずは西に1㎞ほど歩いたところにある稲佐の浜に来ました。
旧暦10月になると全国の神様たちが出雲に集まって、誰と誰を結びつけるかという会議が行われるのですが、その神様が上陸するのがこの稲佐の浜なのです。
ですからまずはここを訪れないと始まりません!
右にあるのは弁天島といい、かつては海上にあったそうなのですが、潮流の変化などによっていつの間にか陸続きになりました。
そのおかげで簡単に触ることができます。
おお…ご来光が…。
ほんで出雲大社に来ました。本当はいづもおおやしろ、と読みますが、一般的にはいづもたいしゃ、で十分通ります。
オオクニヌシがアマテラスオオミカミに日本列島を譲る際、「そんじゃその代わりに立派な神殿作ってけれ~」(大いに意訳あり)と頼んで作ってもらったのがこの出雲大社。日本では伊勢神宮と並んで大変重要な神社です。
この辺は古事記の内容を理解すると興味深いんじゃないかと思います。あっちゃんの動画を入り口にして色々調べてみましょう。
【古事記①】日本の神話が面白い 〜日本の成り立ちを知っていますか?〜
出雲大社は、少し坂を下ったところにあります。
神社というと坂を登ったところにあるイメージが強いですから、ちょっと面白いです。
内部は撮影することはできませんので、この辺りがギリギリ。
しかしまあ、とんでもない重厚感だ…。
裏からなら大丈夫そうなので撮ってみました。なんという神々しさ…。
やっぱりそんじょそこらの神社のお社とは違いまっせ。心が洗われるような気持ちです。
こちらは神楽殿にある日本最大級のしめ縄。そのとんでもない大きさがよくお分かりになるでしょう。
ただ、実はこれ一般的なしめ縄とは向きが逆なのだそうです。
出雲大社のサイトを見てみると、出雲大社では一般的な作法と違い神様に向かって左が上位、右が下位であるから、と書いてあったのですが、肝心のなぜそうなっているかについては記述がありませんでした。
このしめ縄をはじめ出雲大社にはまだまだ謎が多いようです。神社は普通二礼二拍手一礼ですが、出雲大社は二礼四拍手一礼だったり、オオクニヌシの神座が参拝客から見て正面でなく横を向いていたり。
まあ、これから決定的な証拠が出てくることもないでしょうから、普通の人は「ここは特別な場所なんだ」と思って参拝しておけばいいでしょう。ミステリーがある神社ってだけで面白いですし。
んで出雲大社から南に歩くと、一の鳥居である「宇迦橋の大鳥居(うがばしのおおとりい)」があります。これまた巨大な鳥居ですねー。
大正4年にできた出雲大社の中では比較的新しい鳥居ですが、国の登録有形文化財となっています。
そしてもう一つの目的地、旧大社駅に来ました。
ここにはかつて出雲市駅と出雲大社を結ぶJR大社線が通っていました。残っていたら出雲大社まで大変便利でしたし、下手したらサンライズ出雲もここまで来ていたかもしれません。
まあでも、時代には逆らえませんねえ。
駅舎内は大変立派で、大正13年にできたものがほとんどそのまま残っています。
国の重要文化財にも指定されており、大変に貴重なものです。
線路上を堂々と歩ける優越感たるや。
ここにSLが来ていたと思うとロマンが溢れますなあ。
SLと山。
改札なんかもそのまま残っています。
私が物心ついた時には自動改札に置き換わっていたので、逆に新鮮。切符を切るおもちゃは持ってたけど。
一畑電車で松江まで戻ります。電車内も木のぬくもりがあって素晴らしい。
途中宍道湖を楽しむ予定が、疲れ切って寝てしまいました。いい休息になったのでよしとします。
竹島資料室にも来ました。ここでは竹島が日本の領土である理由というのを日本の立場から訴えております。
大変難しい問題ですのでここでは深入りはしませんが、日本の言い分を改めて勉強するのには大変良い施設かと思います。日本人なら勉強して損はないでしょう。
松江は東に中海、西に宍道湖という二つの汽水湖(塩分を多少含む湖)があり、それを結ぶ大橋川によって分断されています。このような地形は世界的に見ても大変に珍しいのだそうです。
宍道湖の夕焼け(と呼ぶにはちょっと早いが…)。大変に美しい!
こちらも。
松江で横浜を発見。
浜が横にあれば横浜なんだから珍しい名前ではない。青森なんかにも横浜があるし。
旅先で見る、街中のこういう何気ない川の景色が好きです。
竹内まりやって島根の人だったのか…。
と思って調べてみたら、出雲大社の前にある旅館の娘さんなのだそうだ。名家なんだなあ…。
んで本日の目的、松江市総合体育館に到着。
アリーナ自体もキレイですし、大変に盛り上がって非常に面白かったです。
試合が終われば夜景。こういうところをぶらぶら歩くのも大変気持ちいいです。
せっかくだから宍道湖名物しじみを食べなきゃ、と思い、しじみラーメンを頂きました。優しい味でおいしかったです。
隣のお客さんはわざわざ神戸から車を飛ばして来たんだそうです。すごい執念だ。
今夜はこのオシャレなカプセルホテルで。
最近はカプセルホテルもだいぶ快適なところが増えてきました。
晩酌と朝ごはんのパン。
バラパンは島根のご当地パンで、イオンなどのスーパーで手軽に手に入れることができます。
ただ、バラなのは見た目だけで味は生クリームの入ったパン。でもバランスがよくておいしいです。
2日目・松江・鳥取観光+鳥取グルメ
翌朝の松江。よく見たらOfficial髭男dismも島根の人だったようです。
朝の大橋川。もっと天気がよければなー。
おおっ、ネゴシックスじゃん!久々に見た。
島根でタレントやっているんだそうです。でもなんで馬場ちゃんも?
ここにはカラコロ工房という旧日本銀行松江支店を使った工芸館があります。朝早いのでやってませんでしたが。
松江城のお堀に来ました。非常に立派です。
松江城は日本で5つしかない国宝のお城。
安土城跡を見学してから、石垣を見る癖がつきました。松江城の石垣も立派だなあ。
こちらが日本に12しかない現存天守。大変に貴重なものです。
入ってみるとなかなかに暗い…。
松江城内には籠城するための階段の引き戸があったり、
大黒柱がなく、代わりに1階から2階、2階から3階を貫く通し柱が変わりばんこにあったり、かなり特殊なつくりをしています。
ここはその柱が貫く様子を見られる唯一の場所なんだそうです。
説明書きを読んでみると大変に面白いお城であることがよく分かります。
階段をくねくねしながら登っていくと…
天守に到着します。明るくていいですね。
松江の街を一望できます。これ以上のビュースポットは松江にはないでしょう。
国宝指定書です。割と最近の出来事ですね。
地階に井戸があり、そして残っているのも大きな特徴の一つ。日本ではここでしか見られません。
城から出ないで水を飲めるなんて画期的だったでしょう。相当なものぐさが作ったと見える。
お城の周りも歩いていて楽しいです。
民家と思しき建物の横にあったのですが、この蔵どう見てもかなり歴史がありますよね…。
入ってみたいなあ。不法侵入だけど。
松江歴史館では松江の歴史を学ぶことができるのですが、私が訪れた時はちょうど「日本近代スポーツの父」と言われる松江出身の岸清一、そして運動靴を独自の技術で発展させた鬼塚喜八郎の展示をやっていました。
オニツカ、でピンと来られた方もいるかもしれませんが、オニツカはオニツカタイガー、つまりアシックスの創業者なのです。
1964東京オリンピックでの日本選手のメダルラッシュに貢献するなど、日本のスポーツ界に多大な貢献をしてこられました。上の写真はその靴の一部です。
大変貴重なものが見られてよかった。
葬儀にはイチロー、高橋尚子、野口みずきも訪れるなど、日本中のアスリートから愛されていました。
そして松江を離れ、米子に向かいます。
米子到着!
お、早速ゲゲゲの鬼太郎の猫娘の電車がありますねえ。
鳥取の境港はゲゲゲの鬼太郎の作者である水木しげるさんの出身地で、ゲゲゲの鬼太郎をゴリゴリ推しています。
境線は米子駅の「れい」番線から発車します…。異世界に巻き込まれないようくれぐれもお気をつけて…。
私が乗ったのは目玉のオヤジでした。
普通に怖い。子供とか泣いちゃうんじゃ?
ただ、住宅街を抜けていくのでとびきり景色がいいわけではないです。終着駅の境港に到着。
それぞれの駅には妖怪が割り当てられています。もちろん境港は鬼太郎。
ほんともう、どこもかしこも妖怪だらけ!
とりあえず、漁港である境港の海鮮丼を食べました。新鮮でおいしかったです。
目玉おやじも見ているよ…いいセンスしてるわ。
もちろん水木しげる記念館もあります。
内部は撮影禁止ですが、ここだけは大丈夫だそうです。
水木しげるさんは幼少期に「のんのんばあ」というおばあちゃんから妖怪の話を聞いて惹き込まれ、のちのゲゲゲの鬼太郎につながったんだそうですが、戦地に赴き左腕を失うなど大変過酷な環境で生き抜いてこられました。
それゆえ妖怪に関する漫画はもちろんですが、戦争の悲惨な体験を描いた漫画も多く残しています。水木さんにとっては妖怪も戦争も大変に大きな意味を持つものだったのでしょう。
そして水木さんより年下の手塚治虫や石ノ森章太郎が多忙のため早くに亡くなってしまったのに対し、1日10時間たっぷり寝る生活を続け93歳まで生きておられました。睡眠時間を削りがちな現代人は水木さんを見習ったほうがよいでしょう。睡眠は大事。
記念館までの道も水木ロードとなっていて妖怪だらけです。
どろたぼう駅…もとい、後藤駅に来ました。
ちゃっかり鬼太郎がいます。
突然の阪神タイガース…そうだここは西日本だった。
皆生温泉に来ました。オーシャンビューの素敵な温泉。
山陰では最大級の温泉街と言われています。
海岸線が侵食されて大きな問題となっていましたが、護岸工事によりなんとか保っているようです。
日帰り温泉汐の湯でひとっぷろ。
安価ながら海と天然温泉を楽しめる大変満足度の高い施設です。ここはかなりオススメできます。
米子に戻ってみると、ガイナーレ鳥取の自販機がありました。
今度ガイナーレ鳥取見に行かないとな。
こちらは米子城跡。
建物は残っていませんが、ちょっとした登山を楽しめます。
こちらも松江城に負けず劣らず、米子の景色を眺めることができます。大変だけど。
降りてくるとすっかり暗くなっていました。そろそろ帰り支度をせねば。
米子駅は昔の国鉄風情が残る味のある駅舎。
しかしこれも新駅ビルを作るため取り壊すのだそうです。残念ですが、便利さには代えられない。
最後はお寿司を食べます。
名物吾左衛門寿司と蕎麦のセット。
もっと酸っぱいのかと思っていましたがそうでもなく、むしろうまみが詰まった大変美味しいお寿司でした。
最後はべとべとさん駅…米子空港駅で終わり。
米子空港までは駅から通路をてくてく歩いていきます。他の空港駅って直結してたり栄えてたりするからちょっと新鮮。
写真がちょっとぶれているのは気にしないでください。
最後の最後まで鬼太郎がいます。
ぬりかべ…ではなく、保安検査場を通って飛行機に乗りました。
まとめ
神々と妖怪という、二つの対極的なものを二日間で存分に堪能できました。
神と妖怪なんて全く違うもののように思えますが、こうしてみると日本人の「見えないものを想像力で楽しもうとする力」がいかんなく発揮されていて、実は本質的なところは同じなんじゃないかな、と思いました。
妖怪はたまたま水木さんが面白おかしく取り上げて大きな人気が出ましたが、神道も神社という形で日本全国に広まっていますし、どちらも日本人が長年愛し続けてきた精神が表面に出ているのかなと思います。
でもまあ、古事記なんかは日本文化として国語の時間でもうちょっと取り上げてもいいんじゃないかなあ、物語として面白いし学んでおくべきなんじゃないかな、とは思います。
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