スタ辞苑〜全国スタジアム観戦記〜

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松江市総合体育館~神々の集う場所~

注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大前の情報を元にしています

【概要】

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松江市総合体育館は、2016年開場、島根県松江市にある島根スサノオマジックのホームアリーナ。

 

上の写真からも分かるように、出雲大社を模して作られている。

松江市内にも国宝の松江城がありながら、わざわざ電車で1時間離れた出雲大社をモデルにしているのだから、島根県においていかに出雲の存在感が大きいか、を窺い知ることができる。

 

そもそもチーム名も島根「スサノオ」マジックだし。なんせ日本中の神々が集うなのだから、日本中束になっても敵わないわけだ(旧暦10月の事を神無月と言うが、出雲では神在月と言う。由来は字の通り)。

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松江城だっていいとこなんだぞ。

 

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でも出雲大社もいいよなあー。

ちなみに読み方は「いづもたいしゃ」ではなく「いづもおおやしろ」である。受験生は覚えておきましょう。

 


【古事記①】日本の神話が面白い 〜日本の成り立ちを知っていますか?〜

出雲大社については古事記を知るとより楽しめる。てか歴史を考えるとチーム名島根オオクニヌシマジックの方がいいんじゃ

 

このアリーナをホームとする島根スサノオマジックは2010年よりbjリーグに参入。

Bリーグ初年度はB2だったがここで準優勝し昇格。この年限りで降格するが、その翌年には上位チームがライセンスを取得できないなどの幸運がありながらもプレーオフで熊本を破り再び昇格

 

bjリーグ時代は好成績を収めることができなかったものの、Bリーグ以降は神の御加護があったかどうかは分からないが、着実に力をつけてきている。

松江という決して大きくはない街で、限界に挑もうとしているその心意気たるやあっぱれだ。

 

そして2019年、スサノオマジックに強力なサポーターが現れた。天下の大企業、バンダイナムコである。

特に島根と縁があったわけではなさそうだが、エンターテインメントを模索していく中でスポーツ産業、特に伸び盛りのBリーグに目を付けたのだろう。

その中で手垢が付いていないB1の手頃なチームが島根スサノオマジックだったのだろう、と推察できる。いずれにせよ、スサノオマジックとしてはまたとないチャンスだ。

買収早々ヘッドコーチ関係で色々あったが、出雲大社に倣ってご縁が末長く続きますようお祈りします。

【アクセス】

最寄まで★★★☆☆

最寄はJR松江駅。新幹線が通っているわけではないので遠征には非常に不便に思えるが、実は関東から乗り換え無しで行く方法がある。

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サンライズ出雲だ。

と言っても知らない方もいるかもしれない。サンライズ出雲は、現在定期運行されている数少ない寝台特急だ。

要は、東京から乗って一晩寝ていれば松江に着くわけだ。寝すぎると出雲まで行ってしまうけど。

 

ちなみに飛行機で行こうとすると、出雲空港、米子空港ともに松江からはだいぶ離れているので、かなり面倒くさい。サンライズ出雲が圧倒的にオススメ

 

最寄から★★★★☆

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松江駅からは徒歩10分ほど。東側に中海、西側に穴道湖という、世界的に見ても珍しい地形の大橋川を渡って行く。残念ながら中海の方は見えないが。

 

今回の松江を中心とした旅の旅行記を書きました。

sportskansen.hatenablog.jp

 

【観戦環境】★★★★★

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新しいだけあって、非常に快適なアリーナだ。特に不便なところはない。

 

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グッズ売り場を含め、コンコース内も映画館みたいでキレイ。ちなみに左側にはバンダイナムコらしくUFOキャッチャーもある。

 

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こうやって見ると出雲大社を模していることがよく分かる。多分出雲大社の中もこんな形状なんだろう(適当)。

ちなみに下にあるのは太鼓の達人の滑り台。バンダイナムコ一色だ。

 

【雰囲気】★★★★★

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侮るなかれ、プロジェクションマッピングを使った先進的な演出がある。

またよくよく聞くとバンダイナムコのゲームのBGMのアレンジが多く使われていることに気付く。

お客さんにどれほど伝わっているかは分からないが、普通にゲーム好きの人が音楽聴いているだけでもとても楽しめると思う。バンダイナムコの本気度が伝わるってもんだ。

 

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もちろんパックマンもバスケをしている。靴の裏もパックマンなのがかわいい。

 

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そして驚いたのが会場の一体感だ。お客さんはあんまりスポーツ観戦に慣れていない人が多いのかあまり声は出ておらず、DJの人にも「みんなで盛り上がりましょう!」などと言われていた。

が、みんな見よう見まねでタオルをかざしてみたりメガホンを叩いてみたりして頑張っていた。

 

そしてスリーポイントやダンクなど盛り上がる場面では耳をつんざくような大歓声!

たとえスポーツ観戦に慣れてなくても、楽しもうという気持ちがあれば自然と声が出てしまうのだ。

松江という決して大きくはない街でスポーツの名の下これだけの人が集まり、不器用ながら興奮を共有している姿に、私はちょっと涙が出そうになった。スポーツ観戦の原点を見た気がした。

 

【グルメ】★★★★☆

会場内でグルメを買うには、プリペイドカードを作る必要があり、遠征民にはちょっと面倒だ。頭の中で必死に1000円を使い切るよう計算する必要がある。

 

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そんな中食べたこの焼肉丼はお肉が柔らかく非常に美味しかった。

名前は失念したが地元のブランド牛を使っていながら価格も700円とリーズナブルで、正直今回の遠征で一番美味しい食べ物だった(割子そばとかしじみラーメンとか境港の海鮮とかより)。あくまで個人の感想です。

ちなみに、ペットボトルの持ち込みは禁止なので注意が必要だ。ただ中に自販機があるので、大きな問題にはならない。

 

【街との一体感】★★★☆☆

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松江駅には旗がずらっと並んでいてなかなか壮観だが、それ以外には特に目立つものはなかった。

ただ、こうやって駅でプッシュしてるということは駅や街としてもバックアップしている証拠だ。バンダイナムコもこれからスポーツ運営のノウハウを身につけていけばどんどん松江の街を巻き込んで盛り上がって行くことだろう。

 

【満足度】★★★★★

秋田や宇都宮などはそもそも市民の気質がスポーツ観戦にピッタリ合っていたというのに対し、島根はスポーツが市民の気質を変えられるのか、という壮大な挑戦をしている、のだと思う。

と言うとちょっと大げさかもしれないが、島根の人の本来持っていながら表現できていなかった郷土愛を、スポーツが手助けする事で前面に表現できるようになるのではないか、ということだ。

幸いB1に2度も昇格し、更にバンダイナムコという強力な味方も加わった。このチーム、そして島根の行く末がますます楽しみである。

 

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