注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】
高崎市城南野球場は、1936年開場、群馬県高崎市にある群馬ダイヤモンドペガサスの本拠地。
1952年にパリーグで初めてのノーヒットノーランが達成された球場としても知られている(大映の林義一投手)。
ただし群馬県内においては敷島球場の方が規模が大きいことから高校野球の決勝戦やプロ野球はそちらで行われる傾向にあり、現在では城南球場はちょっと影が薄め。
現在ではソフトボールの日本リーグ公式戦がよく開催されており、高崎を本拠とするビックカメラ高崎や太陽誘電のホームでもある。
北京・東京オリンピックで日本金メダル獲得の立役者となった大エース上野由岐子や、最多勝、本塁打王、打点王を獲得しソフトボール界の大谷翔平と呼ばれる藤田倭などが所属している。
そんな城南球場を本拠地とする群馬ダイヤモンドペガサスは2008年にベースボールチャレンジリーグに加盟したチーム。
初年度から地区優勝を果たし、現在までに4度のリーグ優勝を果たすなどリーグ屈指の強豪である。
ただ、NPBにドラフトを受けたのは過去3名だけで、しかも全員育成指名であり残念ながら1軍で活躍する選手を輩出するには至っていない。
なんとかチームの強さをNPBへの選手輩出へとつなげてほしいところだが…。
【アクセス】
最寄まで★★★★☆
最寄はJR高崎駅。上越新幹線と北陸新幹線の分岐駅でもあり、北関東でもアクセスの良さは屈指といってよい。
ちなみに高崎駅に乗り入れる高崎線は群馬で作られた絹糸を横浜港に運ぶために作られた日本で最も古い鉄道路線の一つであり、その歴史を噛みしめながら楽しむのもよい。
ちなみに球場から一番近いのは上信鉄道の南高崎駅である。
ただ高崎駅からも徒歩圏内だし、上信鉄道が1時間に1、2本なのでわざわざ利用することもないだろう。
最寄から★★★☆☆
高崎駅からは西口に出て徒歩15分ほど。このように城南野球場通りもあり、地域の人にもなじみのある球場のようだ。
また高崎アリーナシャトルバスは城南球場前も通り、15分ごとに走っている。これを利用するのも大変便利だ。
【観戦環境】★★★☆☆
バックネット裏からの景色はこんな感じ。ファウルゾーンが少し広いものの、特にストレスなく観戦することができる。
スタンドの様子はこんな感じ。座席がベンチではあるが、ちゃんと屋根もあるし試合を見る上ではなかなかに快適だ。
ただコンコースがなく、ゲートとなる階段を上るとそのままスタンドに直結している。
そのため売店などもなく、スペースとしては狭い印象を受ける。
スクリーンはLEDでかなり見やすくなっている。ちゃんと球速表示もされるし必要最低限の情報は詰まっている。
なんとなく、球場の上部に自販機があるって珍しい気がする。
【雰囲気】★★☆☆☆
試合自体は熱戦で大変楽しかったのだが、ちょっと運営面でいくつか問題が散見されてしまった…。
1.球場に入場するときの案内が不十分
コロナ対策でチケットを買う前に個人情報を紙に書いて渡すのだが、その案内が不十分でお客がそのままチケット購入列に並んでしまい少しもめる場面が見られた。
コロナ直後だったらしょうがないかな、と思うのだが、これを見に行ったのは2021年の9月、すなわちコロナの感染拡大が始まってゆうに1年半が経ち、オリンピックも終わったころである。
同じ間違いを1年間繰り返しているのだろうか…。
2.場内アナウンスが聞こえない
選手入場時にはフジテレビの野球中継でも使われている「Jaguar」が流される。
その演出自体は非常にいいのだが、曲と場内アナウンスの音量バランスが悪く場内アナウンスがほとんど聞こえなかった…。
これが昨日今日使い始めた球場というなら仕方ないかな、とも思うが、球団ができたのは2007年、しかもその頃から使い続けている球場(2014年からは本拠地)のはずである。
もしや、音響設備に音量を変えるつまみがついていないのか?それとも場内の音量バランスをチェックすることなく10年以上の時が過ぎているのか?
謎は深まるばかりだが、しかし高校の文化祭の音楽ライブだっていの一番に音量のチェックはするはずだぞ…。
3.小学生にチームの応援を投げっぱなし
今回、一番ひどいと思ったのはこれである。
群馬県各地でチアの教室をやっているらしく、球場で小学生の女の子たちが練習したダンスを披露した。
それ自体は大変いいことだしほほえましいのだが、問題なのはそれを試合中の応援として演技させていたことである。
別にイニングの間とか、あるいは球場外で発表会だとか、そういうのなら何も問題ないのに、よりによって試合中にダンスさせるのはいただけない。
観客としては一体どちらを見ればいいのか分からなくなってしまうのだ。
試合を見ればダンスを無視することになるし、球場内になんだか気まずい空気が流れた。ダンスの曲も微妙に野球の応援に合わないし…。
それに攻撃が長引けば長引くほどダンスする時間も伸びるわけで、それはちょっと小学生の女の子にやらせるようなことではないだろう。
試合の半分と考えると、おおよそ1時間半ですよ。きつすぎませんか?
プロのチアだってそんなにパフォーマンスしたら疲れるはず。
結論として何が言いたいかというと、プロ野球球団を応援するなどという重責を小学生の女の子に投げっぱなしにしちゃだめ!ということである。
プロ野球チームの応援なんて下手したら人生をかけて取り組むような人もいるわけで、そんな重労働を子供に放り投げるというのはあまりにも酷な話だ。
以上3点、早急に対応してほしい。特に一番下は、下手したら傷ついてる子だっているかもしれないぞ。
別にNPBの球団のように花火を上げたりとか、ド派手な演出なんて全然求めてないんですけど、最低限プロ野球球団としてやることはやってほしいな、と思います。
選手やボランティア、そしてチアの子たちは頑張っているだけに、運営のずさんさが目立ってしまいます。
しかしまあ、球場の夕焼けが非常に美しく救われる場面もありました。球場自体は素晴らしいです。
【グルメ】
球場外に一つキッチンカーが出ていたが、試合開始の40分前になっても店が始まらないので諦めました。
試合後やってたらお土産に何か買おうと思ったけど、試合が終わる前にキッチンカーはそそくさと撤収。ううむ、こういうところでもやる気のなさが伝わるというか…。
スタグルはどちらかというと試合前、そして試合後が勝負であって、試合中はなかなか買いに行きませんて。
この日は伊藤園のスポンサーデーということもあって、全員におーいお茶が配られた。
規模の大きい試合より小さい試合の方が結構スポンサーが大盤振る舞いをしてくれるイメージである。全員に配ってもたかが知れてるしね。
また高崎駅からの道中には群馬名物焼きまんじゅうを売っているお店もある。小腹がすいたときにぜひ。
【街との一体感】★☆☆☆☆
街中も少し見てみたが、群馬ダイヤモンドペガサスのポスターなどは見当たらず。
その代わりにオリンピックで金メダルを獲得したソフトボールがプッシュされているようだ。
というわけで高崎駅前では完全にソフトボールに押されている格好となっている。
せっかくチームは毎年優勝争いをするほどの強豪なのに、あんまり生かせていないな、と思いました…。まだまだ営業努力が必要だと思います。
【満足度】★★☆☆☆
この日はBCリーグ中地区の優勝を争う非常に重要な一戦で、試合自体は大変面白く夕焼けもキレイで大満足だったのだが、いかんせん運営面での改善すべき点が多かった、という印象。
他のBCリーグのチームではもちろんちゃんとやっているところもあるので、正直ほかのチームの試合すらまともに見ていないんじゃないか、とも思いました。
そりゃあお金がないのは重々承知ですし、大変なところもあるのは良くわかります。
それでも、最低限やることはやらないとダメだと思います。プロ野球チームなんですし。
アクセスもいいのでまた今度行く機会はあると思いますが、その時にこの3点だけでも改善されていることを望みます。
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