私はスポーツが好きなので、日々スポーツに対してはアンテナを敏感にして情報を集めています。
探していると日々いろいろ面白いニュースが流れてきますが、その中でひときわ目を引く野球チームを見つけてしまったのです、
それが今回紹介するサバンナバナナです。これがすごいったらありゃしないのです。すごすぎてMLBも注目するくらいです。
何はともあれ、まずはお読みください。
1.誰もが思う「なんじゃこりゃあ!?」
まずは四の五の言わず以下の動画をご覧ください。
一見するとおそらく野球?の動画に見えますが、
やたら投げるテンポが速かったり、
股を開いてフォアボールを勝ち取ったり、
マウンドでダンスを踊ってから投げたり、
燃えるバットで打席に立ったり、
足だけで2メートル以上はありそうな大男が打席に立ったり、
まるでやっていることが無茶苦茶です。それでも、一応選手たちはまじめにやっているようです。
なんだかドカベンとかそういうマンガの打法や投法が現実になったような、そんなめちゃくちゃっぷりです。
一体サバンナバナナとはどういうチームなのか、そしてどういうルールが設けられているのでしょうか?
2.サバンナバナナとはどういうチームなのか、どういうルールなのか?
サバンナバナナが行う野球?のようなスポーツには、野球とは違う9つのルールが設定されています。
1.試合時間は2時間まで
1時間50分を超えると新しいイニングには入りません。
2.ショーダウン・タイブレーク制
2時間経って同点の場合にはショーダウン(決着)に突入します。
守備側はピッチャー、キャッチャー、内野手の3人だけ。1アウトで攻守交代となりますが、逆に言えば3人でアウトを取るまで攻撃が続きます。
どちらかがリードをとったら試合終了です。
3.イニング・ポイント制
普通の野球ではホームベースを踏んだ数だけ得点が入りますが、サバンナバナナではイニングごとに多くの得点を取った方に1ポイントが与えられます。
初回からいきなりサヨナラ得点、なんてこともあるわけです。
4.打席中はバッターボックスから出てはいけない
出てしまうと1ストライクになります。
5.バントは禁止
バントをしたら即退場です。
6.1塁への盗塁もOK
パスボールやワイルドピッチがあればカウントに関係なく1塁に走り出すことができます。
7.四球の代わりにスプリント
フォアボールになると普通の野球では打者走者が1塁に出塁できますが、サバンナバナナではボールを野手全員に回さなければならず、その間打者走者は好きに進塁できます。
フォアボールになっても攻守ともにうかうかしていられません。
8.マウンドへの集合禁止
どんなにピッチャーの調子が悪くても、マウンドに集まることはできません。
もちろんコーチもベンチから出てはいけません。
9.観客もアウトが取れる
野手がキャッチしたらアウトなのはもちろん、観客がキャッチしてもアウトです。
そのため観客もみんなグラブを持ってきています。観客全員が守備しています。
以上のルールを見ると、野球とはまるで似て非なるものだということが分かります。
とにかくテンポを早くして、かつ観客を飽きさせないことを徹底させています。
なぜこのようなチームが誕生したのか…それは「観客に飽きられた」からでした。
もともとサバンナバナナは2016年に発足した大学野球のサマーリーグのチームで、2018,2019年には西地区で優勝した実績を残しています。
しかし、次第に5回、6回あたりで席を立ってしまうお客さんが増えていきました。
試合としては面白いけど、2時間も過ぎれば夜遅くもなるし帰ってしまう…。日本のプロ野球でもよく見られる光景です。
しかしサバンナバナナの創設者であるジェシーコールさんはそこで諦めませんでした。
どうしたらお客さんを帰さないでいられるか、を徹底的に考え抜いたのです。
そして生まれたのが野球のようで野球でないサバンナバナナ流野球、バナナボールでした。
最初は半信半疑だったお客さんも次第にくぎ付けになり、帰るどころかチケットが完売するようになったのです。
もちろん選手たちもプレーを楽しむようになりました。野球が本当の意味でショーとして生まれ変わったのです。
3.プロスポーツは真剣勝負か、はたまたエンタメショーか?
ここで改めて考えたいのが、はたしてプロスポーツとはなんなのか?ということです。
確かにサバンナバナナのバナナボールは話に聞くだけでもとても楽しそうだし、エンタメショーとしてはよくできています。
しかし一方で、すべてのプロスポーツがこれをマネできるのか?と言われれば、間違いなくノーです。
もし日本シリーズで四球ではなくスプリントで試合が決まってしまったら…。
もし日本シリーズで観客が落球してアウトを取り損ねてしまったら…。
バナナボールは間違いなく楽しいものですが、どうしても真剣勝負とは相容れない部分があります。
もちろんMLBでいきなりバナナボールを導入するのはもっと無理な話でしょう。
バナナボールは今までのプロスポーツの常識からはあまりに外れています。
ではバナナボールは全くの間違いなのでしょうか?
プロスポーツを客を楽しませるものと定義するのであれば、バナナボールは究極の正解だとも言えます。
エンタメ王国アメリカだからこそ、ここまで合理的なエンタメショーが作れるのだとも感じます。
そういや日本にも欽ちゃん球団ってありましたけど、あれは日本版バナナボールだったのかもしれませんね。
あれは話題にはなったものの、長続きはしませんでしたが…。
それはともかく、これからの時代は真剣勝負としてのプロスポーツと、エンタメショーとしてのプロスポーツに二分していくのではないでしょうか。
とりあえずサバンナバナナには一刻も早く日本ツアーを組んでほしいと思っています。
六大学の選手とエキシビションマッチでもしてくれたら最高ですね。グラブを磨いてもっていかなきゃ…。
ちなみに芸人YouTuberの杉谷拳士さんもちゃっかりサバンナバナナに入団しました。結構うまいけど昔バナナボールでもやってたんでしょうか。
4.まとめ
以上、にわかに話題となっているサバンナバナナについて紹介しました。
サバンナバナナの野球が全くの正解だとも思いませんが、一方で新しい野球の在り方、新しい野球の楽しみ方を提案してくれているという意味ではとても面白い実験だと感じます。
日本にも早くこういうチームが現れて、プロ野球全体、あるいはプロスポーツ全体にいい刺激を与えてくれると面白いなと思います。
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