サッカーには、コーチライセンスという制度があります。
これは端的に言えば、講習を受け、試験に合格しなければサッカーの指導者になれない、という制度です。
運転免許を取るのとやることは同じですね。
しかしライセンスにどのような種類があるか、どのような技能が必要かについてはなかなか知らないものです。
そこで今回は、サッカーコーチのライセンス制度について調べてみることにしました。
1.各国ごとに違うライセンス制度
まず、サッカーにおけるコーチのライセンス制度というのは、国際的に取り決められているものではありません。
すなわち、各国において独自に定められているものです。
ヨーロッパでは1997年にEUが発足するのに伴い、ヨーロッパ全域でライセンス制度が整えられたという歴史があります。
一方日本でライセンス制度が始まったきっかけは、1993年のJリーグ開幕でした。
現状日本のライセンスはアジアにおいては互換性がありますが、ヨーロッパとは互換性がありません。
まだまだ日本のサッカーが認められているわけではない、ということですね。
ヨーロッパではもちろん講習は現地の言葉で行われ、日本では50万円程度なのに対しヨーロッパでは100万円以上かかるとされていて、ヨーロッパライセンスは日本人にとって非常にハードルの高いものとなっているようです。
2.日本のライセンス制度(種類編)
日本のライセンス制度については、日本サッカー協会(JFA)のサイトで詳しく説明されています。
日本でのライセンスはS級を頂点にA級、B級、C級、D級となっています。
S級ライセンスは日本代表やJリーグといったトッププロを指導するのに必要で、B級、A級と順に取得していく必要があります。
現在では毎年10~20人くらいがS級のライセンスを取得しており、2022年では524人がS級を持っています。
またサッカーとは別にゴールキーパー、フィジカル、フットサル、フットサルゴールキーパーにもライセンスが設けられています。
それだけそれぞれ専門性の高いポジションということですね。
3.日本のライセンス制度(取得編)
では実際にライセンスを取得するには、どのような過程を踏んでいくのでしょうか?
まずD級の下のキッズリーダーであれば、3000円で3時間の講習を受けることで取得できます。誰でもすぐになれそうですね。
D級では二日間の講習、C級では一週間の講習と、どんどん負担が大きくなっていきます。
S級ともなると二カ月以上の講習が必要になり、とても素人が軽い気持ちで取得できるものではありません。
まさにサッカーの指導者として生きていくと決めた人でないと取得はできないでしょう。
さて、一体講習はどのような内容になっているのでしょうか?
あまりに専門的過ぎてなかなか調べても出てこないのですが、ヨーロッパの事情がうかがえるインタビュー記事を見つけました。
この記事によれば、ヨーロッパではサッカーの基礎的な知識や技術はもちろんのこと、常に最新の情報にアップデートすることが重要であると述べられています。
ライセンスというと知識を詰め込むというイメージが強いですが、それだけでなく日々進化していくサッカーに追随していく必要がある、ということですね。
この記事においては日本人は全体像をとらえるのがうまくないと述べられているものの、ワールドカップでもきちんと結果を残していますし、ヨーロッパで活躍する選手も増えていますし、そう悲観するものでもないのかなと思います。
日本のライセンスの中身がどうなっているのかはわかりませんが…。
4.まとめ
以上、サッカーコーチのライセンス制度について調べてみました。
こういったライセンスがあることで指導者の質も担保できますし、とてもいい制度だと思います。
もちろん、そこからさらにサッカーを発展させていくためにはライセンス取得後のたゆまぬ研鑽が必要ですが…。
野球にはこういった制度がありませんが、プロ野球の監督でもちゃんと勉強してるのかな?っていう人もいますし、ある程度の講習はあってもいいのかもしれません。
あと個人的に、サッカー観戦用講習があったら受けてみたいなあ…😆
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